冷たい人(200文字小説)
やっぱり貴方って冷たい人ね。
静かにグラスを置いた私に貴方は寂しげな表情を見せた。
「ごめんね……」
まさか突然訪れるなんてね。
いつかこんな日が来ると覚悟はしていたけれど……。
私の心は混乱するばかり。
哀しい想い出が蘇り、
楽しい想い出が蘇り、
思わず感情が溢れ出し、
泣き崩れる私に貴方は何も言わない。
ただ黙って私の罵詈雑言を聴くだけで、
「酷いよ!」
私は氷が入ったグラスを叩き付けた。
やっぱり貴方は冷たい人だわ。
最後から読み直すと趣が少し変わるかも知れません。