表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女スパイと七人の王様~異世界転生で手に入れた最強スキル「透明人間」で「スパイ」活動をしたらなぜか七人の王様に愛されました~  作者: リラックス夢土
魔王の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/101

第5話 魔王からシャナールへ依頼するようです



 私は一度魔王城を出てからディオンに声をかける。



「ディオン。先に帰っててちょうだい。私はちょっと用事があるから」


「承知しました。でもあまり目立つ行為はしないでくださいね、ミア様」


「分かってるわよ!」



 ディオンは私が「透明人間」になれることを知らない。

 特殊な能力を持っているということは理解しているが。

 なので私がその能力を使って何かをしようと考えたことはディオンにも分かったらしい。



 大丈夫よ、ディオン。

 透明人間になったら目立つわけないんだから。



 心の中でそう言いながら私はディオンと別れて建物の陰に隠れ「透明人間」になった。

 そして急いで魔王城の中へと再び侵入する。


 どこに魔王たち王族がいるかは分からないがたいがい王城というモノは奥に行くほど身分が高い者たちが暮らすエリアだ。

 とりあえず奥に進んでまずは先ほど謁見したオルシャドール殿下を見つけたい。



 顔が分かってる王族はオルシャドール殿下だけだもんね。

 魔王もその兄たちも顔が分からないから見かけたとしても本人か分からないし。



 謁見の間を通り過ぎ私はさらに奥へと進む。

 すると他とは格別に豪華な装飾品で飾られているエリアを見つけた。

 きっとここが王族の居住区域に違いない。


 居住区域には綺麗な花の咲いている中庭があった。

 なんとなくその中庭を見たらそこにオルシャドール殿下の姿を見つけた。



 見つけたわ。中庭で何をしてるんだろ。



 近付いてみるとオルシャドール殿下は池の中を覗き込むように水面を見ていた。

 そして水面に向かってオルシャドール殿下が話しかける。



「陛下。そんなに気になるなら直接陛下がマクシオン商会の会長とお話すれば良かったじゃないですか」



 え? 今、陛下って言ったわよね?

 池の中に魔王がいるの?



 透明人間になっていても私の身体は存在するのであまりオルシャドール殿下に近付き過ぎると身体がぶつかってしまう可能性がある。

 そのため私のいる位置からはオルシャドール殿下の覗き込んでいる池の中は見ることができない。



「またそのようなことを言って。わざわざ玉座に魔法をかけて私と会話するより王宮にお戻りになられれば良かったんです。おかげで私は玉座と会話する変人だと思われたに違いありません」



 玉座に魔法をかけてオルシャドール殿下と魔王は会話してたのか。

 それなら玉座には魔王自身はいなかったのね。

 オルシャドール殿下の言うとおり玉座に話しかける姿は変人と思われても仕方ないかも。



 私の耳には聞こえないが今、オルシャドール殿下が池の中を覗き込んで会話してるのも魔王の魔法のひとつなのだろう。



 魔王が人前に出て来ないって話は聞いてたけど王宮にもいないって魔王自身はどこにいるのよ?

 秘密主義ってより魔王が変人なだけじゃないの?



「マクシオン商会の会長からもらった本はいつもの棚に置いておきますのでお読みください。それよりあの件について私から提案があるのですが、陛下。マクシオン商会には優秀なシャナールがいると聞いています。「王家の魔法書」をそのシャナールに見つけてもらえるように依頼してみたらいかがでしょうか?」



 いきなりオルシャドール殿下からマクシオン商会のシャナールへの依頼の話を聞いて私は驚く。

 確か父の顧客に魔族の王族もいたはずだ。だけどそれが誰だったかまでは私も記憶していない。



 もしかしたらその人物はこのオルシャドール殿下なのかな。



「大丈夫です。私はそのシャナールと契約していますから。これだけ探しても見つからないならあの時奥の院に出入りできた陛下の兄君たちが関与しているとしか思えません。陛下が自ら動けないならシャナールを頼るのもひとつの手ですよ。「王家の魔法書」がなければ陛下が本当の魔王になれないのは陛下自身がよく分かってることではありませんか」



 え? 王家の魔法書っていうモノがないと魔王が本当の魔王になれないってどういうこと?

 そもそも王家の魔法書ってなんなのかしら?



「そうですか。それでは陛下自身がマクシオン商会のシャナールに頼みに行くのですね。それならば私からの使いという身分でマクシオン商会の会長のミア様に接触してください。そうすればシャナールに依頼できるはずです。なるべく早く依頼してくださいね」



 へ? 魔王自らマクシオン商会に来るの!?

 それじゃあ、急いで帰らないと!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ