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第22話 王宮に侵入開始です

 私は王宮の入り口まで来て息を整える。

 今日は私は王宮に入る口実はない。

 以前、王宮に来た時はマクシオン商会の会長としてルクセル竜王に挨拶することを事前に王宮側に伝えていたから何の疑いもかけられず王宮に入れた。


 仕方ないわね。ここは私の「透明人間」のスキルを使うしかないわ。


 私は王宮の入り口近くの建物の影に入り、いつも持ち歩いている小さな針を取り出し指に刺した。

 チクリとして血が出る。

 私が血を舐めると自分の身体が透明になっていった。

 そして私は衣服を脱ぎ全裸になる。

 この能力に目覚めて一番大変だったのは自分の身体は透明になるが衣服は透明にはならないこと。

 つまりは「透明人間」になってる間は全裸でいなくてはならない。


 やっぱり見えてないと分かってても全裸になるのは抵抗あるわね。


 子供の頃はまだ良かったが14歳で全裸になるのはやはり恥ずかしい。

 私は自分の衣服を整えて近くにあった箱の中に隠す。

 時間は無制限ではない。急がなきゃ。


 私は王宮の入り口から走って中に入る。

 もちろん門番たちは気付きもしない。

 でも透明になっても人とぶつかることはあるので人とぶつからないように注意する。

 ルクセル竜王との謁見の時に入った建物に侵入した。


 まずは王族の居住区域に行ってロイバルト王子のことを探ってみようかな。


 そう思って宮殿の奥へと向かうと途中から明らかに廊下などの装飾が豪華なモノに変わる。


 たぶん、この辺りが王族の居住区域だと思うんだけどな。


 私がキョロキョロと見渡すと扉の前に兵士が立っている部屋を見つけた。


 兵士がいるってことは重要人物の部屋よね?ロイバルト王子の部屋かな?


 私は扉の前で少し考える。身体が透明でも扉をすり抜けることはできない。

 しかも兵士がいるから勝手に扉を開けたら不審に思われてしまう。


 だが、そこへ侍女と思われる人物がお酒をワゴンで運んで来た。


「ルクセル竜王様にお酒をお持ちしました」

「そうか。ちょっと待て」


 兵士は部屋の中の人物に侍女を通していいかと尋ねて中から入室を許可する声が聞こえた。

 兵士は扉を開けて侍女を通す。

 私も侍女にくっついて部屋の中に入ることに成功した。

 部屋の中にはルクセル竜王がソファに座っていた。


 ここはルクセル竜王の部屋だったのか。

 ギオンがギルバード王子ならルクセル竜王はギオンのお父さんになるのよね。


 私はルクセル竜王の顔をマジマジと見つめる。

 赤い髪に赤い瞳のせいか確かにギオンに似ている。


 そういえばルクセル竜王がロイバルト王子じゃなくてギルバード王子を王太子にしようとしてるからロイバルト王子はギルバード王子を殺そうとしてるのよね。

 同じ自分の子供でも自分と同じレッドドラゴン種のギルバード王子の方が可愛いのかな?

 それともギルバード王子が跡継ぎじゃないと困る理由があるとか?


 侍女がお酒を用意してルクセル竜王に渡すと侍女は部屋を出て行った。

 私は少しルクセル竜王の様子を見ることにした。


「まったく、ロイバルトめ。ギルバードを亡き者にするのにこんなに手こずるなんてこれだから能無しは腹立たしい」


 ルクセル竜王はお酒を飲みながら呟いた。


 え?今、なんて言ったの?

 ギルバードを亡き者にするって言った?

 ルクセル竜王はギルバード王子を王太子にしたいんじゃなかったの?


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