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プロローグ 七通の手紙が来ました

 『結婚してください』


 私は最後の手紙を読み終わり思わず溜息をついた。


 私の前の机の上には七通の手紙が置いてある。

 その手紙は私の18歳の成人の日に成人の祝いの品と共に送られてきた手紙。


 その全ての手紙の文章の最後にあるのは『結婚してください』の文字。

 つまりこれは七人の男性からの求婚の手紙である。


 なぜ……


 私は拳を握りしめる。


「なんでこうなったのおおおおおお!!!」


 私は悲鳴に近い声をあげる。

 そして自分の長い黒髪をガシガシと手で掻いた。


「あれは……単なる口約束だったんじゃないの?」


 私は七通の手紙を見ながらその手紙を送って来た七人の男性のことを思い出す。

 忘れようとしても忘れられない七人の魅力ある男性たちの顔が浮かぶ。


 人間には人生で『モテ期』というのが存在するという。

 もちろん、それは『異性にモテる時期』というものだ。


 私にも『モテ期』が来たのだろうか。

 前世での26年の人生で私は一度も彼氏がいたことがなかった。


 だからそのことを哀れに思った神様が私に『モテ期』を用意したのだろうか………この転生した異世界で。


「ああ!もう!そんなこと頼んでないわよ!!」


 私は再び自分の髪をガシガシと掻く。


 確かに、『彼ら』には言ったけどさ。

 「結婚の話は私が成人した時に考えます」と。


 今、思えばそれがいけなかったのか………。


 あの時に確かに私は『彼ら』に恋をしたから。

 だから一人を選ぶこともできず、同じ答えを言ってしまった。


「だってさあ。まさか身分も釣り合わない人間の商人の小娘を本気で妻にする気だったなんて思わなかったんだもん」


 私は『彼ら』と出会った頃のことを思い出す。


 時は数年前に遡る。

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