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7.悪役令息でもちゃんと出来たら褒めてあげよう


「証明? お父様、今、証明すると言いましたか?」


 うん、言った言った。


「一体、何を根拠に。そんな事は例えお父様でも不可能――」

「いいから貸しなさい」


 おお、なんだこの貫禄は。ハスター様、いきなり見違えるようじゃないか。お客様たちも一度はざわめきはしたものの、みんな息を飲んで見守ってるし。

 それでハスター様はそれをアリスちゃんに手渡してどうするつもりで?


「アリス」

「は、はい!」

「これを君の胸元で握って強く自分の名前を念じてみたまえ」

「分かりました」


 言われた通りしっかりと胸元で握るアリスちゃん。

 一体これで何が起きるんだろう。


「この『二千年の紅い涙』は現在の持ち主に反応するよう出来ている」


 へえ、そうだったんだ。

 じゃあそれが本当にアリスちゃんの物だったら反応するわけか。

 なるほどなるほど……なるほ……ど?


「私の名前はアリ……」


 ああああああ、待った! ちょっと待った。駄目だ、今それやったら駄目だ!!!

 だってそれ偽物だもん。本物じゃないもん。


 なにせ、本物持ってるの私だからね!!!!!!


 止めなきゃ、今すぐ止めなきゃ。あ―駄目、間に合わない!


「ちょっ……」

「お待ちください!!!」

「どうした? レイズ」


 レイズ!!!! バカ息子!!! 

 一体何のつもりかしらないけど、ナイス、ナイスなタイミングだ!! よく止めた! 褒めてつかわす!


「いえ……そんなことをどうしてお父様が知っているのです?」


 そうだ、そうだ!


「『二千年の紅い涙』が所有者に反応するなんて話は聞いたことが無い」


 うんうん。


「例えそれが反応しても、その話の信ぴょう性がない限り、アリスの持ち物だとは断定出来ませんね」

「レイズ……」


 いいぞ、よく言ったー!

 実に素晴らしい時間稼ぎ。

 ありがとう。間違いなく君がアリスちゃんから盗みを働いたという罪は消えないけれど、私が本物の『二千年の紅い涙』を持っているっていう罪は消させて貰いますね。

 

 こうやってみんなが三人に注目している隙に、アリスちゃんの手元から『異空間の収納魔法』を使って私の手元に偽物のネックレスを収納させて、それから今度はこっちの本物のネックレスをアリスちゃんの手元に収納して……よし、集中集中。邪魔はいない。大丈――


「ルセリナさん」

「何ですか、シュタイン先輩。今集中し……」

「今、貴女両手に何を持っているんですか? それもしかして例の……」


 やばい。


「いやいやいや、とんでもない。そんなものは何処にも。ほら何処にも持っていませんよ」


 ギリギリ移動は間に合った。これで手元には何も無い。

 けれど――


「なんだ?」

「どうした?」

「これはどういう事だ」


 途端に会場がざわめき始める。


「『二千年の紅い涙』が二つ出てきたぞ!?」




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