40.嫉妬だったら微笑ましい場面もこの二人なら、はいこの通り
ただしイケメンに限る。なーんてのは、世間の方には通じてもこのルセリナさんに通じないからな。
「自分の立場を弁えてぇ?」
立場を弁えるなら花嫁なんてシード権を確保した上でなってやるっての。
「だろ。どう考えたってお前には花嫁の素質はない」
「はぁー?」
どこをどう見てそう思うのか。お前の目は節穴か。目にビー玉でも詰まってるのか?
「あー分かりました、分かりましたよ」
そっちがそのつもりなら言ってやろうじゃないか。その目に詰まったビー玉叩き出してやる。
「ルセリナちゃん?」
「どうしてあなたが複数の女性を花嫁候補に選ぶのか」
「は?」
「分かるの?」
「ええ勿論。あなた、女性を見る目が無いんでしょう?」
「なんだと」
「だから一人に絞れない。哀れですねぇ」
「こいつ……」
はっ怒るなら怒ればいい。どうせ図星なんだろう?
「それに比べてベルさんは、たった一人を選んで花嫁にするんですから見る目がありますねぇ」
「ありがとー」
「おい」
わー怒ってる怒ってる。でも負けてやるつもりはない。
「さあさどーぞ、今回も物量にものを言わせた立派な勝ちを得て下さいませ」
「おっまえ、自分の立場分かって……」
「あら、解雇ですか? 解雇しちゃいます? そうですか、認めてしまうのですね。私の言葉を」
「くっそ……」
ははは言い返せるものなら言い返してみるがいい。プライド激高の俺様お坊ちゃんには上手い返しなんて出来ないだろう?
こっちはな、日中から何時間もお前を待つために喫茶店で待機していたんだよ。クソみたいに長かった待機時間の恨み、思い知るがいい。
「……ちっ、分かった」
ふっ勝った。
「ベル」
「何だい?」
「俺は今回一人しか選ばない」
「え、そうなの?」
「ああ、だからお前も一人出せ」
この期に及んで対等勝負か? 無駄ですよ、無駄。
「そう言われても、花嫁の推薦最終日って今日だよ。今から探すのは無理だよ」
そう、その通り。もう時間がない。
つまりレイズ様は何をどう頑張ったって、この勝負に勝ってしまうのだ。私の呪いの言葉が覆ることはない。
「何言ってんだ。いるだろ、ここに」
「ここに?」
ん、二人ともどうしたんだ、こっち見て。花嫁候補なんて今更どこにもいないだろう。私しか女性はここにいないんだし……ん、私しかいない?
「……もしかして、私?」
「他に誰がいるんだよ」
いや、いない。いない……ね?




