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38/151

38.告白は何度でもご自由にお試しください


 ぶち壊すってそんな事言われても。


「えーっと」

「?」

「とりあえずこの手離してもらいましょうか」

「え?」


 え、じゃない。近いんだよ、距離が。

 少女漫画なら男性と急接近で新たなドラマが生まれるドキドキの展開なのかもしれないけど、それはそれ、これはこれ。残念ながら、当展開においてはそういうのやってないんですよ。すまんね。


「こういうのは別の機会にやってもらうとして、今は離れて離れて。はいソーシャルディスタンス」

「わ、分かった。えっと離れて……っと」


 分かってもらえたようで何より。やれば出来るじゃないか。


「そのくらいでいいでしょう。はいでは、仕切り直してもう一度」


 テイク2。スタート。


「俺と一緒にこの街のルールを壊さない?」

「お断りします」

「うん?」

「お断りします」

「あれー?」


 そう、どんな展開になろうが答えは変わらないのである。


「今って協力する流れじゃなかった?」

「流れでしたね」

「それを」

「断った」


 大丈夫、君の認識は間違っていない。夢でも幻でも無い現実だ。


「わー酷い」

「そう言ってる割には悲しそうに見えませんよ?」

「……」

「……」

「……俺、何か変だった?」

「いいえ、別に。よかったと思います」


 歪んだ愛がはびこる街アロマスク。その疑問点を浮き彫りにして、相手と意気投合する。まるで漫画の主人公みたいにその問題に挑むのだ。


「まるで何かのシナリオみたいじゃないですか」

「……」

「ただ、そんな綺麗事を並べる人が、お金で買収するってのは若干無理がありますけどね。それはどっちかというとこちらのやり口ですよ」

「ああ、なーるほど」


 口元がニヤリと歪む。

 悪い奴ほど口先とお金を平然と使う。やっぱり『こっち側』の人間だったか。


「お金が恋愛対象なんて言う子なかなかいないからさ。内容に穴が開いちゃったなぁ」


 いや、私だって事情が事情じゃなきゃそんな事は言わない。そこは理解してほしい。


「いつもこんなことを?」

「まあね。ストーリーがあった方が燃えるでしょ? おかげで今までも何回か花嫁を見つけてる」


 安定の実績というわけだ。

 つまりベルさんは既に上級市民権を得ている。道理で平然と喫茶店でお金を出せるはずだ。


「ルセリナちゃんならきっと最強の花嫁になれると思ったんだけどな」


 人をなに最強のポケモン育成するみたいに言ってるんだこいつは。


「嫌ですよ。そういう人と関わると絶対ロクなことがない」


 レイズ様しかりフェリクス様しかり。

 自分のこととその娯楽しか考えないような奴とは基本関わらないようにするのが身の為なのだ。


「そうだな。よく分かってるじゃないか」

「うんうん、でしょう? 私ってよく分かって……げっ!?」


 ど、どうしてここに。


「こいつの口車に乗らなかったことだけは、偉いなメイド」

「レイズ様!?」

「レイズ!」


 やっぱりご本人か。他人の空似ではないらしい。 

 間違いなくそこにふてぶてしくもその男は立っていた。



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