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26.私というものがありながらって一度は言ってみたかった


「脈絡も無くそんな美女と抱き合うなんてどうしたんですか!?」

「馬鹿か」

「それに、私という……いえ、アリスちゃんというものがありながらなんという裏切り! 酷いっ!」

「本当に馬鹿か」


 まあさすがに後半は冗談だとして。

 馬鹿って。馬鹿はお前だ。空気を読め。どんな場面か考えろ。

 なんでメイちゃんとの心温まるほっこりエピソードが、急に謎の美女とのイチャイチャシーンになるんだよ。チャンネル間違えちゃったかなって視聴者がいたら番組表見だすぞ。大体その人何処から出した。手品か?

 どっちにしてもメイちゃんの前でそんな過激な光景は駄目だと思っ――


「あれー? お姉ちゃん」

「うん?」


 今、美女からメイちゃんの声がした気が。謎の美女(CV:メイちゃん)。

 やめてくれよ、私をお姉ちゃんと呼んでいいのはメイちゃん本人だけなんだから。声だけ同じでも却下です。


「美女ってもしかして、私のこと?」

「あーうんうん。そう君の……おぉっ!?」


 私の頭がおかしくなったらしい。


「め、め、め」


 メイちゃん!?

 くるりとこちらを振り向いて見せたその姿はどう見てもあのメイちゃんだ。それをおっきくした感じ。

 いや、待て。まだご姉妹の可能性だって否定出来ない。そうだ、きっとメイちゃんのお姉ちゃんだ。


「メイちゃんのご家族の方ですか?」

「私がメイだよ」

「ご本人」


 ちょっと何言ってるか分からないなぁ。このどう見ても私と同年代くらいのスレンダーな美女がメイちゃん。誰か攻略本か解説者を頼む。


「……」


 ですよね、レイズ様は親切に解説を加えてくれる人ではないか。


「えっーと、魔法かな?」

「あったりー」

「わーい当たったぁ……」


 別に嬉しくないなー。


「私、魔法で自分の年齢を変えられるの」


 へえ、すごいなぁ。


「だって子供の姿だとみんな油断するんだもの」


 確かにね。

 そうやって私達のような被害者を誘い込む役割を果たしていたのか。なるほど私達の馬車に子供が夜道を一人で歩いてやってきたのはこういう訳だったか。私の目の付け所、結構良かったじゃない。


「ルメール家の馬車も手に入ったし、我ながら良い仕事をしたわ」


 そう言った彼女の手元からは、一枚の紙が光を放ち空へと溶けていった。


「契約魔法も成立っと。これで馬車の所有者は私。子供の姿で所有者として契約されちゃったら面倒だもんね」

「あのオンボロ馬車がそんなに価値あるものとは思わないけど」


 魔力を補充しなければ動かない、見た目もボロボロの馬車だ。


「バッカねー。ルメール家の資産ってところに意味があるの」


 この世界の人物は私を馬鹿と呼ばなければ気が済まない呪いにでもかかっているのか。


「それを貰ったってどういう事だか分かる?」

「さっぱり」

「縁が出来たってことだろ」

「!」


 レイズ様? 

 ようやく会話に混ざってきたと思ったら。何、この意図分かってるの? 分かってないの私だけ?


 次回、メイドお役御免か。


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