表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

150/151

150.性癖発掘


「ヘッセンともはぐれた私は、この洞窟で一人寂しくさまよっていました。私はこの通り、戦うことなんて出来ません。運悪くモンスターに遭遇し、困っているところを助けてくれたのがレイズ様でした」

「へぇ」


 レイズ様、まるで主人公みたいじゃないか。 

 どういう風の吹き回しか知らないけど、まともに人を助けるなんて。


「聞けば彼も迷っている様子。そこで二人でここを出ようとしていたんですが、今度はそこにヘッセンを見つけたのです」


 ココネお嬢様はちらりとヘッセンさんの方を見た。

 ヘッセンさんは苦笑している。


「お二人には声を掛けようとしたのですが、どうも様子がおかしいと。するとあっという間にヘッセンがモンスターに変貌したじゃありませんか」

「その節は大変申し訳なく……」

「ああ」


 再びモンスターに変身したヘッセンさんを思い出し、私も苦笑いを浮かべた。


「どうしようかと悩んでいたところ、人質作戦をレイズ様が授けてくれたんです」


 やっぱりあの下衆な案は、この男のものだったか。

 ちらりと隣を確認すると、奴は涼しい顔で話を聞いていた。


「そしてあなたはその作戦に乗ったと」

「はい」


 少女は力強く頷いた。


「ですからこれは、私同意の元で行われた作戦。彼に非は一切無いんです」

「はあ」


 お嬢様ご本人がそう言うなら事実なんだろうけど、よくもまあこんな怪しい男と協力する気になったものだ。


「……」

「他に何か気になることでも?」


 妙な空気を察知したのかココネお嬢様は首を傾げた。

 うんまあ、気になるって程では無いんだけど、あれは本当によかったのかなって。


「えっと、剣をつきつけられていましたよね?」

「ええ」

「結構乱暴でしたよね?」

「ええ」

「それも納得を?」

「はい、勿論」


 その返事はあまりにもはっきりと事実を肯定していた。

 この少女、見かけによらず結構メンタル強いな。


 そして、極めつけにはこれだった。


「普段には無いあの刺激、とても楽しいものでした」

「…………」


 まるで白馬に乗った王子様を見るような、キラキラとした瞳。

 両手の指を組み合わせて、胸の前で祈るような仕草。


 冗談だろう。

 これは完全に夢見る少女のそれだった。


「……趣味が悪い」

「おい、聞こえる」

「いやだって」


 あれは楽しいにならないだろ。普通。


 レイズ様からの叱責に、なるべく相手に聞こえないような小声で返した。


「変な性癖に目覚めたらレイズ様のせいですからね」

「うるさい、俺は悪くない」


 いや、悪いよ恐らく。

 

 キラキラとまだ瞳を輝かせている少女を前に、私は小さくため息を漏らした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ