王都
いえーい!眠い
「やっと着いたー!」とリルは大きな城壁を見ながら大きな声を出した。
やっとと言うのも、本来なら1日半で着くはずだったのだが途中で方向が分からなくなってしまい、2時間ほど休憩をとっていたので着いたのは太陽が沈みかけ、大地が赤くてらされた夕刻の時だった。
結局どうやって辿り着いたかと言うと完全なる運任せだ。
1本の棒が倒れた方に行くという単純かつ適当な方法で辿り着いたのだ。
本来ならそんな方法で辿り着けないのだがリルの運が9000を超えている為、運任せもほぼ確定に近いのだ。
そもそもLVが上がってもLUK値は上がらないのだがリルはそんなことは知らない。
まぁ、そんな適当な方法で辿り着いたリルだが思わぬ難関に当たっていた。
そう。お金がないのだ。
王都に入るには身分証が必要で身分証にも種類があり1つは住民証、2つ目は冒険者ギルドで発行されるギルドカードだ。
しかし身分証がない場合も銀貨2枚で王都に入れ、後に身分証を見せると銀貨1枚は返ってくるのだがリルはそんな銀貨すら持っていない。
そんなことを言うならばリルの装備は軽く白金貨1枚以上の値段がするものばかりだが当然リルはそんなことを知らないし、知っていたとしても売らないしそもそもなかに入れないのだから売れないだろう。
どうにもならないためリルはとりあえず検問官のところに行き、話をした。
「すいませーん。」
「おう。どうしたんだ?坊主」
答えてくれたのは気の良さそうなおじさんだった。
「王都に入りたいのですが身分証もなく、お金すらないのですがどうすればいいですか?」
「そうか……何か紹介状みたいな物はあるか?」
「えっと……これなら…」
「ちょっと見せてくれ……どれどれ………ってミネルのやつの子か?!」
「いえ。ミネルさんは両親がいない僕を育ててくれた方ですが……ミネルさんと知り合いなんですか?」
「何だ坊主。知らないのか?ミネルはな。いわゆる殴りヒラと呼ばれるやつでな…司教のくせに前に出て、鈍器のような硬い杖で敵を倒す、結構やばいやつだぜ?元冒険者なら知らないやつはいないと言われる司教だよ。どこかの村に永住すると聞いたがあの宿場村だったのか……それにしても坊主も大変だったんだな!両親がいなくて寂しかったんじゃないか?」
「いえ。両親はいないのは寂しかったですがミネルさんに育ててもらったので大丈夫です。むしろ育てて貰えない人もいる中僕は育てて貰えたのでむしろ幸運だと思っています。」
「かぁっーー!坊主は偉いな!気に入った!持ってきな!」
そう言って気のいいおじさんは7枚の銀貨を渡してくれた。
「いいんですか?こんなに貰ってしまって。」
「気にすんな!それよりまだ坊主の名前を聞いてなかったな。俺はロイドだ!坊主は?」
「リルです!ロイドさん。ありがとうございました!」
「おうおう!じゃあな!リル坊!出世したら俺に酒でも奢ってくれよな!」
「はい!必ず!いつか奢ってみせます!」
そう言って僕は王都の中に入っていった。
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やっぱり会話の文は難しいです!
すごく眠いです!