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明日はない

次の日はシラフ

なにもなかったみたいに

みんなで過ごす



あっ!

と声には出ない

えっと

と躊躇を越えて

なにか話そうとするが

喫煙のあとの

無防備な弛みで

ぼくはいつもの態勢ではない


はっきり言って

言葉が出ない


彼女の

それまでのみんなとの

自然さに対して

ぼくは気にしすぎていたし

だからひとり合点で諦めていたし

無駄な空回りのせいで

大きな隙をつくってしまったと思う


かろうじて微笑む


彼女は

なにかもごもごしている

久しぶりねと

唇は動いたようだけど

声は

言葉は聞き取れなかった


目は

トロンとなり始めている

大丈夫かなあと思いつつ

それを声を出そうとしたところに

ツカツカと間合いをつめて来る


意外だけど

足元はふらついてはいない


なんとなく

ゾンビのような両手を前に出した格好になり

そのままぼくの肩に手をかける


しっかりしていたはずなのに

急に力が抜けたようになる


ぼくは反射的に

彼女の腰に手を回す


下心ではなく

支えなければという

反射的な思いと判断に違いない


大丈夫ですか?

の半分を言いかけたところに

彼女のぽっちゃりとした唇が

ぼくの言葉をふさいで止める

男って

ここから始まるのに

彼女には

昨日の夜で終わっていたみたい

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