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錬成会へのバスの中から始まる恋なのかしらね
ぼくは練成会という
なんだかわからない集いに向かっていた
集合して
乗り込んだバスに
あの人がいた
区分で言えば
ぼくは中央区
となりの連れに
そっと尋ねてみると
その人は南区のメンバーだと
教えてくれた
気になって
ちらちらと
隙をうかがうように
座席ひとつ分後ろの
斜めから
横顔を眺めていた
彼女の側の窓からは
山や谷や
森など
飽きない景色が続いていた
ぼくの方は
ずっと壁のような崖だった
なので
彼女への視線にも
景色を共有するという
言い訳が成り立つ