暴走族になったのりちゃん
拙作を読んでいただき、ブックマーク、評価、感想ありがとうございます。やっと第2回カーニバルも終焉を迎えました。お礼投稿やり切った感満載です。原稿用紙4枚なんてちゃちゃーんのぺぺーんだろ?と思われるかもしれませんが赤ちゃんの生態調べるのに思いの外時間がかかりました。世の中のお母さんは大変ですね。お疲れ様です。
お願いのりちゃん早く大きくなって。
「あはは。まてまて~。」
ガーーー。ガーーーーー。
「まてまて~。」
ガーーーーーー。
ベビーウォーカーに乗ったのりちゃんは、水を得た魚のように生き生きと縦横無尽に家の中を移動するようになった。そんなのりちゃんと鬼ごっこをする翔も楽しそう。保育園から帰ってきたばかりなのに、翔は元気いっぱいだ。
僕としてはのりちゃんをずっと抱っこしていたいけど、ベビーウォーカーに乗って以来、のりちゃんはあっちをガーーーー、こっちをガーーーーーと家の中を行ったり来たり探検するのが日課になった。玄関から落ちたら大変だから、危ない場所にはベビーゲートも設置した。
おとなしかった翔と比べると、のりちゃんはおてんばだ。
「翔、ご飯にするから手を洗っておいで。」
「は~い。」
「のりちゃん、コーキの所においで。」
「あ~ぃ。」
相変わらず僕は、しつこく最初に名前を呼ばれるための作戦を遂行していた。
ウェットティッシュでのりちゃんの手を拭いてベビーウォーカーのトレーにおにぎりを置いた。きゅうりとしらすを柔らかいご飯に混ぜて小さく握った後刻みのりをまぶしてある。ベビーチェアーにおちゃんこしてご飯を食べていたのりちゃんは、ベビーウォーカーを手に入れてから食事もベビーウォーカーでしたがった。しょうがないから、僕と翔もリビングにちゃぶ台を置いて食事をするようになった。僕の生活はのりちゃん中心で回ってるんだから問題ない。
「のりちゃん、コーキが作ったまんまだよ。いただきますしてね。」
「あ~っ、のりちゃんのご飯だけおにぎりだ。ずるいっっ。」
洗面所で手を洗った翔が、おにぎりを鷲掴みにして口に運ぶのりちゃんを見て口をとんがらせた。
「翔はおにぎりにするとおかず食べなくなるでしょ。」
「ちゃんとおかずも食べるからわらしさまボクのご飯もおにぎりにしてよぉ。」
翔にのりちゃんを見てるように頼んで振りかけとサランラップを台所に取りに行った。リビングに戻ると、翔がのりちゃんにカットしたプチトマトを食べさせていた。
「のりちゃん、おにいちゃんがとったトマトだよ。あ~ん。」
「あ~。」
片手にご飯粒いっぱいつけたのりちゃんは、大きく口を開けてプチトマトを食べた。
「翔、のりちゃん見ててくれてありがとうね。ほら、おにぎり作ってあげるから、お味噌汁飲みな。」
「は~い。」
お茶碗に入ったご飯にのり玉を混ぜて一口大のおにぎりを握って翔のお皿にそっと置いた。子供っておにぎりにすると、ご飯いくらでも食べるよね。
「のりちゃん、お口にそんなにまんま突っ込んだらおえってなるよ。」
「おぇっ。」
「ほらおぇってなった。おちゃちゃ飲もうか。」
お茶を飲ませて落ち着いたのりちゃんのぐちゃぐちゃになったおにぎりの残骸をもう一度握りなおして渡す。
「はい。のりちゃんのまんま。」
鷲掴みにしたおにぎりをぼろぼろこぼして食べるのりちゃんのほっぺたに着いたご飯粒を取って食べた。
「わらしさま、のりちゃんいっぱいご飯こぼしてるよ。ボクがあ~んして食べさせたい。」
「のりちゃんは、今ご飯を食べる練習をしてるからこぼしてもいいんだよ。翔は自分のご飯をちゃんと食べよっか。」
僕がかいがいしくのりちゃんにご飯を食べさせてる間に、約束通り翔はおかずも完食した。しばらく二人のご飯はおにぎりが続きそうです。
◆◇◆
翔が持って帰ってきた笹の枝には、短冊の他に、ハートのつづりや、手裏剣みたいな星が付いていた。前世、のりちゃんと七夕をした時にはこんな飾り無かった。時代と共に七夕飾りも進化してるんだなぁ。
「のりちゃん、おにいちゃんが作った七夕飾りだよ。」
笹の枝をゆさゆさ揺らしてのりちゃんに見せようとする翔
「翔そんなに近づけたら――。」
ぶちっ。
「うわ~~~~ん。」
止めるのが遅すぎた。ニコニコとちぎった七夕飾りをぐちゃぐちゃにしているのりちゃんに「めっ」と叱った僕は、動画サイトで作り方を検索して、翔の為に新しい七夕飾りをせっせと作った。