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のりちゃんとお花見。

拙作を読んでいただき、ブックマーク、評価、感想ありがとうございます。やっと今日でお礼投稿終われると思ったのに(泣き

本当にもうストック無いんです。すいません。

 うつ伏せになったのりちゃんに後ろから


「のりちゃん。」


 と呼ぶと振り返るようになった。良かった。のりちゃんの耳は無事機能している。

 翔は、『いないいないばぁ』をするとキャッキャと喜ぶのりちゃんに味を占めて、『いないいないばぁ』をしつこくしていた。

 桃の節句は、お食い初めの失敗を生かして7段飾りのお雛様の前での撮影会だけにとどめた。まだ離乳食がドロドロ期の、のりちゃんは『おこしもの』も、ひなあられも食べられない。カハクちゃんも張り切って桃の花を満開にさせていたが、結局7段飾りのひな人形の前と、満開の桃の花の前で袴風のロンパースを着せたのりちゃんと撮影会をして初節句は終わった。カハクちゃんとチコちゃんは女の子のお祭りだけに、のりちゃんを着せ替え人形のように洋服を着せ替えては、いろんなバリエーションで熱心に撮影していた。

 おちゃんこができるようになったのりちゃんが、まだ短い髪の毛に髪飾りをつけてスマホを向けられると、そちらにずり寄っていくから、撮影会は長時間にわたり奇跡のベストショットが撮られるまで続いた。

 どんなのりちゃんだってかわいいのに、カハクちゃんは相変わらず凝り性だ。


 ◆◇◆


 ネットサーフィンしていた時に見つけた『へんしんバイク』最初はペダルなしで足漕ぎして慣れてきたらペダルを装着するという変わった子供用自転車を翔の為に取り寄せた。

 クッこんな自転車があったなんて、これを知っていたら、『チームわらし』のメンバーで補助輪なしの自転車に誰がいち早くデビューできるかなんてし烈な争いは起きなかったと思う。


「わらしさま~見ててよ。ボク上手にペダルこげるよ。」


 抱っこ紐に収まったのりちゃんも手をパチパチ打ち付けてキャッキャと笑っている。


「お兄ちゃん凄いってのりちゃんも喜んでるよ。」

「ボクも早くわらしさまみたいに、のりちゃんを抱っこして自転車乗りたい。」

「あ~。抱っこして自転車を運転していいのは大人だけだからね。翔の子供が生まれたら抱っこして自転車乗せてあげて。」

「ボクはおにいちゃんなのに、のりちゃんを抱っこして自転車に乗れないんだ。」


 しょんぼりする翔に、今度のお休みの日には自転車じゃなくてのりちゃんをバギーに乗せてお散歩しようと約束した。

 気を取り直して、桜並木をゆっくりとツーリングする。門から玄関までのりちゃんを送迎していたビーチサイクルは、もう何代目に代替わりしたか忘れてしまった。大きくなったのりちゃんも、ハンドルに乗せたらブランコみたいだと喜んでくれるかな。ゆっくり後ろに流れていく淡い紅色に手をパチパチしてのりちゃんがはしゃいでいた。

 目的地に着いた翔と僕は、早速ピクニックシートを敷いて靴を脱いでごろんとあお向けになった。

 薄紅色にぐるりと囲まれた青い空を見ていると、とてつもなく幸せな気分になる。ピクニックシートの上をハイハイしていたのりちゃんが、おちゃんこして手をパチパチし始めた。

 のりちゃんは、最近この拍手がMyブームになっている。おもむろに立ち上がった翔が振り付け付きで歌いだした。


「大きな栗の~木の下で~。」


 それを見たのりちゃんが猛スピードで翔の足元までハイハイしておちゃんこしたと思ったら、翔の歌に合わせて手をたたきながらゆらゆら体を揺らした。

 2人ともかわいい。かわいいよ。だけど何で満開の桜の木の下で、『大きな栗の木の下で』なの!?

 翔の熱唱がおわったので、みんなでおやつを食べる事にした。お花見だからお団子にしたいところだけど、翔と同じものを食べたがるのりちゃんの為に、今日のおやつは芋もち。

 茹でたジャガイモを潰して丸めた物を焼いたシンプルなのに、なぜか無性に食べたくなるおやつだ。しかも翔の芋もちにはとろけるチーズも混ぜてある。見た目は同じだから、のりちゃんには違いは判らないはず。それなのに、握った芋もちをグイグイ僕の口に押し込んで僕の芋もちを食べようとするのりちゃん。まるっきり違いが判っていた。のりちゃんにはかなわないなぁ。



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