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のりちゃんとの新しいやくそく

拙作をお読みいただき、ブックマーク、評価、感想ありがとうございます。新刊コーナーに約束のネバーランド9巻が平積みしてあったので、何気に購入したら、10巻まで持っていました。ましろのおとは20巻が歯抜けだったし、最近新刊のチェックが甘くてヤバイです。ここ3週間ほど胃腸風邪でマーライオンになっておりました。なのに1グラムも減ってないってどうゆうこと!?

 あれからのりちゃんは、生活科学部へ進学し、今では自宅でパティスリーを営んでいる。人外も、人間に紛れて買いに来ているが、のりちゃんに危害を加えない限りは、僕も黙認している。

 翔は、気の向くまま色んな国を旅しては、スケッチしてきた絵を僕に託すので、それを僕の画商で個展を開いたり、即売会をしたりしている。

 あんなにのりちゃんが、ギャン泣きした彼女とは別れて今はこれぞキャリアウーマンの代名詞と言えるようなバリキャリと同棲している。

 のりちゃんは、ブラコンを卒業したのか、バリキャリの彼女を気に入ったのか、翔にあれこれ言うことはなくなった。

 パティスリーを休んで、フィリピンにトゥロンを食べに行ったり、フランスにリングシューを食べに行ったり、食い倒れかよ!?と突っ込みを入れたくなるような小旅行を楽しんでいる。

 のりちゃんの、成人式も、大学の卒業式も『チームわらし』が集結して芸能人並みの撮影会が繰り広げられて、のりちゃんが恥ずかしさのあまりぶーたれてしまったのは記憶に新しい。

 僕の『のりちゃん』は、僕が再会を待ち望んでいた長い時間をふっしょくする様に、沢山の喜びと、戸惑い、慈しみをくれた。僕の『のりちゃん』は世界一可愛くて、かけがえのない愛しい人だ。

 翔が彼女を連れてきた時に、僕といつまでも一緒に住んでくれると約束してくれたのに、未だにいなりの不老長寿の桃を食べてはくれない。

 今日は、のりちゃんの28回目の誕生日。いい加減に白黒はっきりつけたい僕は、キラキラ輝くダイヤモンドの指輪と、真っ赤なバラの花束といういかにもな装備を準備して満を持していざ出陣。


「のりちゃん、生まれてきてくれてありがとう。どうか僕のお嫁さんになって下さい。」

「コーキありがとう。私をコーキのお嫁さんにしてくれる?」


 まさかの、のりちゃんからのOKに不覚にも呆然としてしまった僕にぎゅっと抱き着くのりちゃん。

 誰か僕のほっぺた抓ってくれない?これ夢でも、妄想でもなくて現実だよね?


「コーキ?」


 怪訝そうに僕の顔をのぞき込むのりちゃん。はぁ。愛らしい。僕の天使。


「のりちゃん。大好きだよ。この先どんな事があろうとも、僕とのりちゃんはいつでも一緒だよ。」

「う~ん。そんなにべったりじゃなくったって、大丈夫だよ?」

「何でそんなにのりちゃんはそっけないの?」

「だって、コーキが私の事を大切に思ってくれている事は十分身に染みてるから。」

「じゃぁ、この桃いい加減食べてよ。」

「それはもうちょっと待って欲しいかなぁ。」


 ここ数年、いなりの桃を出すたびにのらりくらりと逃げるのりちゃんにいい加減僕もしびれを切らしていた。


「何でのりちゃんは、桃を食べるのを嫌がるの?そんなに僕と一緒に居るのが嫌なの?」


 目をそらしながらもじもじしているのりちゃんをぎゅっと抱え込んでそっと、唇をついばんだ。

 真っ赤になったのりちゃんが僕のかいなから抜け出そうと抗うけど、僕は断固としてのりちゃんを放さない。首筋に顔をうずめて懇願する。


「のりちゃん。お願いだから桃食べて。」

「食べるよ。もうちょっとしたら。」

「何で今食べてくれないの?いつになったら食べてくれるの?」

「だって、その桃食べたら成長が止まっちゃうんでしょ。」

「そうだよ。のりちゃんの時間は桃を食べた瞬間に止まるんだよ。もう十分大人になったんだから、時間が止まってもいいでしょ?」


 いつになく真剣にごり押す僕に、のりちゃんはぼそぼそと話し始めた。


「コーキと一緒に悠久を過ごすのはいいんだけど、もうちょっと私の胸って育つかもしれないじゃない?だからせめてCカップくらいにになるまでは、桃を食べるのは待って欲しいかな。」


 そんな理由で桃を食べる事を拒否されていたなんて僕の忍耐を返して欲しい。


「わかった。僕が責任をもってのりちゃんの胸を大きくするから。」


 のりちゃんを抱き上げて僕らは寝室へ向かった。Cとは言わずDくらいまで育ててあげようと思う。

4か月間お付き合いいただきありがとうございました。

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