天下一品祭り
拙作をお読みいただき、ブックマーク、評価、感想ありがとうございます。台風酷そうですが、大丈夫ですか?
はなかちゃんからのお誘いで今、天下一品祭りに並んでいる。
男友達や、家族連れが多い中で、女性が一人で並んでいるのを見ると、あの人ツオイと尊敬してしまう。
並んでいる間中ペチャクチャ喋るコーキを尻目に2回しか来ない予定のラーメン屋に潜入する。
「コッテリ並みで。」
「あっさりを食べるなら一蘭で良いと個人的には思ってる」とはなかちゃんが言うので私もコッテリを注文した。
コーキは、僕が保護者として着いて行くと大見栄を切っていたのに、一番お上りさんの様なハイテンションだった。
「嗚呼。ここがのりちゃんが言ってた天一かぁ」とか、感慨に耽っているが、私も初めて来たからそこまでアツク語ったことはないんだけどなぁ。
はなかちゃん曰く10/1にラーメンを食べるとタダ券が貰えるから、期間内にこれで再度ラーメンを食べてクジをひいてオリジナルグッズをゲットするのが運試しなんだって。
今年はラーメン丼ぶりの形のメジャー。去年スマホスタンドをゲットしたはなかちゃんが味をしめたみたい。
ニンニクを付けるか?と聞かれて付けると即答するはなかちゃん。なんでもこれがミソらしい。
他の人は餃子や、チャーハンなども頼んでいたけど私たちはラーメン一択。
運ばれてきたラーメンは、スープがドロドロしていた。
恐る恐るレンゲに麺を乗せてすすってみたら、美味しい!どう形容していいかわからない味だけど美味しい!そこに、お皿に乗った赤い色のニンニクなる物を混ぜるとまた味が変わって美味しい。
コーキはスープに何が使われているか一生懸命分析していたけど、レトルトがあるんだからそれを注文すればいいんじゃないの?と冷たく言い放ってやった。
本当はお兄ちゃんと来たかったのに、お兄ちゃんは課題が山積みで忙しそうだから、コーキがついて来た。
学校のお迎えに、いなりや、クラマがたまに来るから私は最近『援交しているビッチ』と噂されている。
多分コーキに歯牙にもかけて貰えない事を逆恨みした小鳥遊さんが言いふらしているんだろうけど、証拠がないから表立って抗議もできない。
はぁ。女子ってメントグサイ。何故みんな、はなかちゃんみたいにサバサバしてないんだろう?もしかしたらはなかちゃんは特別に神様に作られた存在なのかもしれない。
そんな特別な人と親友になれた私は超ラッキーガールだよね。小鳥遊さんの誹謗中傷になんか絶対負けないっっ。そんなモヤモヤした想いを噛み締めながらスープまで飲み干すと、丼に『明日もおまちしてます』って書いてあった。
あはは。明日は来ないけどなんだかホンワカするお誘い文句だよね。
ウェイターのおじさんも元気で愛想が良いし、メジャーを当てにクジを引きに来なくちゃね。
それを私の受験の羅針盤にしよう。
『座敷童子』のコーキが側に居ると、全ての評価が自分の等身大の評価じゃ無いと何を頑張っても虚しくなっていた私。
お兄ちゃんはあんなに頑張って希望大学に入学できたけど、本当の意味で達成感を味わえたのだろうか?
私は、私の力で世間に認めて貰えるのかなぁ?他人から見たら『ずる』してると思われても仕方がないよね。
もし、コーキが我が家に居なかったら私は希望校に合格出来ないかもしれない。でも、コーキが居る私は、不合格になる不安は無い。ずっと、ずーっとこんなずるをした人生でいいのかな?
もし明日、コーキが家を出て行くわ。と言い出したら私は、笑ってサヨナラができるのかな?
いつも送り出される側だった。いつも側に居てくれるのが当たり前だった。だからこそ、邪険に扱うこともしばしばあった。
だってそれが日常だったんだもん。今、ビッチと学校でさげすまれるよりも、コーキに愛想を尽かされて出ていかれることの方がツライ。
なのに、コーキと普通に接しられない。お兄ちゃんになら100%甘えられるのに、コーキには出来ない。
だって子供扱いしてほしくないんだもん。
モヤモヤを抱えながらタダ券を貰って長蛇の列の天下一品を後にした。
モチロン私も天一祭り参戦します。




