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休日の昼ごはんと言えば

拙作を読んでいただき、ブックマーク、評価、感想ありがとうございます。

のりちゃんやっと小3です。

……早く大きくなれよ〜と一番突っ込んでるのは筆者です。

「コーキ、にぃに何時に帰って来るかなぁ?」

「翔の部活は午前中で終わるから、13時までには帰って来るんじゃないかな。」


 中学生になった翔は、予想道理というか、美術部に入部した。顧問の先生が熱心らしく、夏のコンクールに出す作品を1学期から1000×727のキャンバスを自宅まで毎日持ち運べないため、部室でコツコツと描いているらしい。


「頑張ってるにぃにの為に私がチャーハン作ってあげる。」

「のりちゃんは翔が大好きだね。」

「うん。私にぃにもコーキも大好きだよ。」

「僕も、翔とのりちゃんが大好きだよ。のりちゃんがチャーハンを作るなら、僕はスープを作ろう。二人で部活を頑張っている翔を労ってあげようね。」

「大賛成。コーキ、スープはクリームコーンの中華スープが飲みたい。」

「ラジャー。」


 のりちゃんは、ニコニコして冷蔵庫の中身を覗きに行った。前世の『のりちゃん』が作ったレシピを美味しいと言う今世の『のりちゃん』別に前世の記憶なんて無くなってたって良い。だってのりちゃんの魂の本質はこんなに変わってない。

 頑張る翔を労おうとお昼ご飯を作ると張り切っている。誰かを喜ばせたい、和ませたい、癒したいと思う『のりちゃん』のベクトルが全部僕に向いてくれれば良いのに。

 そりゃぁ、そうなったら有頂天だけど、そんな『のりちゃん』は変質した『のりちゃん』だから、今、『のりちゃん』がしたい事をサポートするのが僕の愛の示し方だと思っている。

 のりちゃん、早く大きくなってよ。僕いつまでも気長に待てないよ。今、のりちゃんにいなりから貰った不老長寿の桃を食べさせたらカハクちゃんとチコちゃんにロリコン認定されるだろう。

 全く失礼だ。僕の『のりちゃん』は、幼くても老いていても何も変わらず輝いているのに。そんな苦々しい思いを抱えながらものりちゃんと台所に立つ。スモックを持ってバンザイしていたのりちゃんが、自分でエプロンをするようになっただけは成長しているんだ。

 のりちゃんは、フードプロセッサーで玉ねぎと人参をみじん切りにして、ハムも細かく切る。溶き卵にスガキヤ中華スープの素とご飯を加えて混ぜたら、フライパンにごま油を敷いて、具を炒める。具に火が通ったら、先ほどの溶き卵ご飯を加えて炒め、フライパンの縁に醤油を垂らしたら、醤油の香りが香ばしく漂うまで炒めて完成。

 僕はそれを傍で見ながらクリームコーンの中華スープを作っていた。


「ただいま〜。」

「にぃにお帰り〜。」

「翔お帰り。」


 玄関まで出迎えると、翔の後ろにもう一人少年が心もとなげに立っていた。


「わらしさま、としあき君のお母さん赤ちゃんが生まれそうになって病院に運ばれちゃったんだ。としあき君家の鍵持ってないんだって。だから、としあき君のお父さんが迎えに来るまでボクと一緒に待っててもいいよね。」


 僕はのりちゃんが生まれた日の事を思い出していた。


「翔、としあき君、こんな日はスイカを食べなくちゃ。とりあえず昼ごはん食べよう。のりちゃんと僕が作ったんだよ。食べてから後の事は考えよう。」

「お世話になります。」


 としあき君は、神妙な顔で靴を脱いだ。


「にぃに。私にぃにの為にチャーハン作ったよ。コーキは、にぃにの大好きなクリームコーンの中華スープ作ったんだよ。コーキの作るご飯は本当に美味しいからとしあき君期待してね。」


 そう言うと、手を洗いに行く二人を置いてテーブルセッティングにのりちゃんは向かった。


「「「「いただきます。」」」」


 休日の定番お昼ご飯のチャーハンとスープを4人で食べていると、としあき君が、


「何でこんなにチャーハンがパラパラなの?」

「え?だってチャーハン作る時はこの粉使うんだよってコーキが言ったもん。コーキどうして?」


 僕だって、前世『のりちゃん』にはプロに勝てない技は科学力を駆使するしかないんだよと懇々と説明されて今に至るから分かんないよ。


 前世『のりちゃん』のカミノミソシルを発動してもいいかなぁ?

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