彼女は拡散する
脳に埋め込まれたチップを通じて人間を管理する社会で、
「僕」が出会ったハッカーと、ウィルスを拡散する彼女の話。
この世は音と光で溢れている。
祝福に包まれてこの世に生を受けた赤ん坊の僕らを取り上げて、医者が最初にすることは、僕らの身体に生体チップを埋め込むことだ。ちょうどこの辺、右のこめかみの奥。
チップには個体識別番号が振られていて、僕らは生まれた瞬間から社会の管理の枠組みに組み込まれる。生まれた命をひとつのネジに置き換える作業。新しい部品を社会という大きな機械に組み込むドクターという名のエンジニア。
生体チップは僕らを識別し、管理する。どこで暮らすのか。どこで働き、学ぶのか。家の扉の鍵も、銀行ATMや店舗のレジスターですら、チップの持つ個体識別番号を読み取って通信処理を行うため、僕らは鍵も財布も持たずに身体ひとつでどこへでも行ける。どこへでも行けるし、どこまで行っても社会の部品のひとつのままだ。窮屈と安心感は同義である。僕らはこの世に生を受けながら、未だ大いなる母の子宮の中で守られている。
*
「チップで精算しておくれよ」
不愛想な店主はミネラルウォーターの代金をコインで受け取るのを嫌がった。最近はこの店のように現金を受け付けてくれない店舗が増えている。
「現金をわざわざ拒否する理由はなんだい」
興味本位で食い下がる僕に、店主はしかめ面で応じた。
「あんたがチップを使うと、そのデータは本社に送られる。本社はこの店の客層やら売れ筋を分析して商品展開を決める。あんたが現金を使えば、そいつは俺の仕事になる」
「つまり」
店主の意を汲んで僕はコインをポケットにしまう。
「チップ精算は、怠惰な店舗オーナーにとってもオーナーを信用しない会社にとっても有益なわけだ」
店主は、チッとひとつ舌打ちをしてレジのチップリーダーを僕に向けた。
ショッピングの履歴は企業側にデータとして保存され、マーケティングのための基礎データとなる。僕が街を歩けば、広告塔のチップリーダーが僕の個体識別番号を読み取って購買履歴を参照し、僕専用にカスタマイズされたコマーシャル音声を指向性スピーカーで僕の耳に直接届ける。音声に釣られて顔を上げると、今まさに僕の欲しかったあれやそれやのホログラム画像が、僕に向けて発信されている。
だから街はとても賑やかだ。
僕の物欲と自己顕示欲を刺激する魅力的な商品が、常に僕の目の前に並べられている。そして、それらが如何に僕の人生を豊かにするかを機械音声が滔々と謳いあげる。僕らはまんまと欲望を刺激され、欲望を満たすために頑張って働く。社会のネジはネジとしてその機能を全うする。そうして社会は滑らかに、まわっていくのだ。
合理的なムダに溢れた世界。音と光に溢れた世界。
*
「混ざるってのは、クスリなんかより余程効率が良い」
モディフィケーターは僕の後輩の女の子を施術用の椅子に案内しながら言った。薄暗い店舗。僕の行きつけの店の一つだ。椅子の周りにはタトゥーマシンや小型のタブレット端末が乱雑に置かれている。
「必要なのは初期投資のみ。俺らモディフィケーターがあんたのチップを混じれる位置まで引っ張り出してやるんだ」
そう言ってトントン、と自分の右のこめかみを得意げに軽く叩く。初めての客を連れていくといつもこうだ。彼お得意の講釈は処置の間、延々と続く。
チップは右の内耳に、蝸牛内の生体電位を電力に変換する回路を持っている。しかし通常時はチップリーダー側の電磁誘導によって電流を生じさせるため、自発的に発電することはない。チップが自身の電力を使うのは、唯一チップ同士の超近距離無線通信機能を使う場合に限られる。これは、チップが故障した場合に新たなチップへとデータ移行を行うための同期に用いられる機能で、医療機関で行われる外科手術の一つだ。
「ところが、モディフィケーターってのはとことん変態でな。この近距離無線で、他人のチップと同期してみようなんて考えた馬鹿がいるのさ」
チップ間にリンクを確立するには、一定の秒数、2cm以内の距離にチップ同士を隣接させる必要がある。チップの本体は右のこめかみの奥の大脳皮質に埋め込まれているため、通常他人のチップとリンクする距離に隣接することはない。それを、モディフィケーターは改造によって5cmまで延長させる。辛うじて身体の外側に届く距離。互いの頭部をぴたりとくっつけることで、僕らは他人のチップと同期することが可能になったのだ。
「試してみりゃあ、これがやばかった。言うなればニューラルセックスだ。ただのセックスなんか目じゃない。クスリなんかよりずっとトンじまうよ」
チップ同士を同期させて、互いに生きてきた時間のログをやり取りする。僕らはそれを、混ぜる、と言う。
僕らの脳内に深く根付いたチップは、混ざる際に過負荷状態となり熱を放つ。熱のせいなのか、それとも際限なく流れ込んでくる他人のライフログのせいなのか、混ざる行為は僕らの意識を混濁させる。僕らはイベントログというデータの海に放り投げられて、電気信号の波に呑まれる。二人の人間の生きてきた時間が混ざり合い、その境界が曖昧になっていく。童話の虎がバターになるように。その中を僕らは時間感覚を失くして揺蕩う。時間も空間も全部が溶け合ってひとつの海になる。僕らがいるのは今であり、過去であり、ここであって、ここではない何処でもある。きっと五次元存在ってこんな感じだ。知らないけど。
「あんたは混ざりすぎだ」
モディフィケーターが不意に会話の矛先を僕に向けた。僕は夢想を中断して現実に戻る。
「何か問題が?」
「混ざること自体に問題はねぇよ」
モディフィケーターの視線は下方に固定されている。視線を辿ると、彼女のチップに接続するための小さな端末が見える。モディフィケーターの作業はまさしくハッカーのそれだ。人体へのハッキング。肉体改造を自分たちの俗称に据えるだけあって、モディフィケーターの額には角状の突起が埋め込まれ、薄暗い店内にも関わらず、彼の瞳孔は猫のように縦に細く狭まっている。あの瞳孔は、この薄闇の中で充分な視界を確保出来るのだろうかと、僕の思考は脇道に逸れていく。彼らは貪欲に自らの肉体をアップデートしていく。改造の欲求は際限を知らず、今のモディフィケーター達の主たる興味はチップの改造と用途拡大にある。
「同期したって、実際に他人のデータログがあんたの頭に残るわけじゃない。同期して混ぜっ返して要らねぇデータは破棄されて仕舞いだ。だからどんだけ混ざったって、それでチップもあんたの脳ミソもパンクする訳じゃあない」
「なら良いじゃないか」
「ただ混ぜてる分にはな」
モディフィケーターの冗長な言い回しに僕は苛ついた気分になる。彼はこういう話し方を好んでする。否定するための回答を誘導するような。無言を決め込んだ僕をちらりと見やって、モディフィケーターは言葉を続ける。
「俺ら以外にも、チップに手を加えようなんて奴はいくらでもいる。中には悪質な奴もな。あんたみたいに警戒心が薄くて好奇心ばかり旺盛なタイプは気を付けた方が良い」
もちろんチップのセキュリティは重要な課題だ。だからこそ僕らは慎重にモディフィケーターを選ぶ。僕だって猫の目を持つこの男の腕を信用しているからこそ、こうして恋人と混ざりたい後輩を紹介したりするのだ。
「心配しなくても、君以外にチップを弄らせるつもりはないよ」
僕の答えは随分と熱烈な愛の告白みたいに響いて、施術用椅子で大人しくしていた彼女がフフ、と声を漏らした。
「そうかい、ありがてえな」
冷めたモディフィケーターの返事で、おそらく僕の回答が彼の期待したものと違うのであろうことは察した。だからと言って彼の期待する答えを探す熱意の無い僕は、「そうとも」と、会話を打ち切った。
*
僕は定期的にクラブを訪れる。
トランスを大音量で聴かせる昔ながらのクラブ。電子音が刻む一定のリズムはその名の通り容易く僕らをトランス状態へ誘う。
情報が月のように常に僕らを追いかけてまわるこの世界で、データの洪水に溺れてしまわないように、僕らは波に身を委ねる術を身につける。これは自己防衛手段だ。それはクスリであったり、セックスであったり、トランスミュージックであったりする。スポーツに取り組む人も多い。ハイになることが、この世界でサバイバルするコツなのだ。ハイになれない者は、「人間は考えるネジである」なんてことを言いだして、その思考を深淵に落ち込ませていく。弁証法は危険だ。高次に向かうフリをして、深く深く穴を掘る。蟻地獄のように、深淵はその淵にいるものを飲み込んでいく。僕らは深い穴に落ちないように、トランスやドラッグというサーフボードで波に乗り、高くジャンプする。70キログラムの肉体から解き放ってしまえば、意識はいとも簡単に空へと舞い上がる。こうして僕らは、アイデンティティ喪失の罠から僕ら自身を守っている。
繁華街の外れの古いクラブで、僕は彼女と出会った。僕らをトばす音楽に耳を潰されそうなその場所で、彼女のまわりだけ音も光も失われてしまったかのように、彼女は静謐な雰囲気を湛えていた。彼女に近づくと、水の中にいるかのように爆音のトランスは遠く感じられた。
まるでブラックホールだ。彼女の周囲に薄い膜を張るイベントホライゾン。彼女に群がる愚か者の目からは、彼女の内側は観測出来ない。僕は彼女に夢中になった。
長いストレートの黒い髪を時折掻き上げて、彼女はその美しく尖った顎のラインを露わにする。髪に見え隠れする彼女の小さな耳は、秘部を覗き見ているかのように僕を背徳的な気分にさせた。他愛のない会話が、彼女の囁くような喋り方によってまるで睦言のように感じられる。僕は彼女の気を引こうと必死で話をする。しかし僕の口にする言葉は、唇を離れた端から彼女の黒い瞳の奥底に飲み込まれて無かったことにされていくようだった。手応えのまるで無い一人芝居。やがて言葉を失ったピエロの僕に、カウンターのスツールに浅くかけた腰を少し浮かせて、彼女が顔を寄せる。チップの近距離無線通信機能が、互いの存在を認識してポロン、とこめかみの奥で電子音を鳴らす。
彼女は僕の右の耳元に薄い唇を寄せて囁く。
「ねぇ、混ざろう?」
僕は彼女の手を取ってクラブの奥のプライベートルームへ向かった。ホテルへのチェックインは購入履歴としてデータログに残るため、僕らはこういうクラブやバーのプライベートルームを好んで利用する。クラブ側もそうした匿名性への需要を考慮してルーム利用の現金決済を許容している。僕たち「考えるネジ」の、ささやかな抵抗。このようなささやかな抵抗の積み重ねで裏社会は形成されていくのだと身近に学ぶことの出来る、ごく簡単な例示。
プライベートルームは、黒い壁とダウンライト、そして壁の向こうで流れる爆音のトランスが相俟って、非日常的な空間を演出している。彼女の態度は、その静謐な佇まいに反して積極的だった。部屋に入ると同時に僕に口付けて、彼女の右のこめかみと僕の右のこめかみをそっと重ね合わせた。再び耳の奥でポロンと電子音がする。チップがリンクを確立するために必要なのはおよそ10秒。この間、隣接距離を維持することで僕のチップは彼女のチップとデータ同期を開始する。同期の開始を待ちながら僕たちはベッドへと向かう。
彼女と混ざるのは、今まで感じたこともないような経験だった。ただ曖昧に混ざり合い溶け合うのではなく、彼女が僕の中に侵入してきて、僕の中に彼女の欠片を置いていくような感覚。これ程までにはっきりとした自己を持ったまま混ざってくる相手は初めてだった。砂浜に混じるガラスの破片がキラキラと光に反射して瞬くように、彼女の欠片は僕のライフログの中に、居たことのない彼女の記憶を植え付けていった。ライフログが『組み替えられている』。そう気付いた瞬間、僕の中に恐怖と快感が同時に押し寄せてきて、僕はたまらず彼女の中に射精した。
「また会える?」
服を整える彼女の後姿に語りかける。彼女は肩越しに僕を振り返り、目だけで笑ってみせる。回答はない。おそらく彼女が再び僕の前に姿を現すことはないだろう。そんな予感を抱きながら、それでも尚、この稀有な経験を僕が再び望むであろうことは想像に難くなかった。僕の中には彼女の欠片が刻まれている。それを僕はこの先何度でも反芻するだろう。
「君の名前を教えてよ」
彼女を思い出すためのキーが必要だ。この思い出を記憶の引き出しから呼び出すための入力コード。彼女は僕に向き直り、薄い唇を僕の耳元に近づけた。再びリンクしないように、今度は左の耳元に。
「シノン。もし貴方がここではない何処かへ行きたくなったなら、その時は私の名前を呼んで」
*
彼女は二度と僕の前に姿を現わすことはなかった。
僕の中に彼女との記憶という偽物のログファイルをたくさん残して。
僕はそのログファイルをまだ開いていない。開いてしまえば、僕の世界はひっくり返ってしまいそうな気がした。ただそのファイルの存在だけを何度も噛み締めて確かめる。あの夜が、トリップした僕の脳が生んだ幻想ではないことを繰り返し確認する。これを恋と呼ぶのだろうか。今までとめどなく溢れていた物欲が減退し、日がな一日彼女のことばかり考えている。購買活動の変化を感知した広告塔は、僕に医療機関への受診を勧め、抗うつ剤のコマーシャルを放つ。こんなにも僕の欲しいものと薦められるものがマッチしないことは初めてだ。今の僕が欲しいものはただ一つ。見当はずれの画像を繰り出す広告塔に向かって、僕はそれを伝える。
「シノン」
その言葉がキーだった。ファイルを開くための入力コード。彼女が僕の中に刻んだログファイルが、彼女の名前をキーに次々と開き始めた。フラッシュバックのように繰り出される、経験したことのない僕と彼女の「過去」。走馬灯のように流れる記憶は僕を飲み込んだ。混濁した意識の中で僕はぼんやりと理解する。彼女は何故僕と寝たのか。彼女は僕に何を残したのか。彼女はシノンだ。トロイアの木馬を領内に引き込ませるための使者。そして、彼女が僕の中に残したこのログファイルは。
僕のチップは、彼女の残したファイル内のプログラムによって書き換えられ、個体識別番号を喪失した。個体識別番号の喪失は、すなわちこの社会でのアイデンティティの喪失だった。僕は自分の家の鍵を開くことも、店舗で自由に買い物することもできなくなってしまった。大家に頭を下げながら鍵屋を呼んでもらい、銀行口座を解約して現金を手に入れた。そして僕は、社会のネットワークから切り離された世界の静けさを生まれて初めて知る。音と光に溢れていると思っていた街は、本当は酷く色褪せていて、静かだった。人々はたくさん行き交っていても、互いに自分にしか見えない何かを見て、自分にしか聞こえない何かを聞いている。誰も僕を見ない。広告塔は僕のチップを読み取ろうとするが、そこに僕は居ない。僕は見えざる者になってしまったのだ。生まれて初めて知る孤独。そして、自由。僕はもはやネジとしての機能を失っていた。
帰属する場所を失った僕の中に芽生えた、心細いような、心もとないような感情は、しかし冒険への好奇心と自由であることの解放感にも通じていた。僕がどこにいても、もはやそれを誰も認識しない。クスリでトリップするよりもずっと、70キログラムのこの肉体で歩く自由意志は、羽根が生えたかのように軽かった。色褪せた街を抜ければ、どこまでも緑の深い森と蒼い宙が続いている。RGBの数値ではない複雑な色の重なりは、今まで目にしたどのようなデザインよりも美しかった。彼女が導いたこの世界は、僕をネジからただの生き物に変えたみたいだ。ドクターの作業の反転。ならば彼女は死神か。
彼女の面影を求めて、僕は彼女と出会ったあのクラブへ赴く。相も変わらず流れる大爆音のトランスミュージック。だが、その音も光も、僕には届かない。体内にブラックホールが生まれたみたいだ。僕のイベントホライゾン。ネジでなくなった僕の内側は静謐だ。
僕の放つ静寂に惹かれたのか、幾人かに声をかけられる。僕は無言で笑みを返しながら、彼女を探す。しかし彼女の姿は見つからない。きっとここにはもう現れないのだろう。だが、この静かな世界を自分の足で歩いていれば、いつかきっと出会えるだろう。焦ることはない、僕は自由なのだ。
ふと気付くと、僕に向かって一生懸命アピールをしている少女が隣にいた。微笑みかけると、頬を赤らめて軽く俯く。可愛らしい少女だ。少女の右耳には小さな星の形のピアスがゆらゆらと揺れている。星の瞬きに興味を惹かれ、よく見ようと顔を近付けると、右のこめかみの奥でポロン、と電子音が鳴る。個体識別番号を失っても、チップの近距離無線通信機能は生きているようだ。途端、僕は了解する。僕の新たなるアイデンティティ。彼女が僕に分け与えた存在意義。
僕はシノン。トロイアの木馬を少女の中に送り込むための使者。少女の右耳に口を近づけて、僕はそっと囁く。
「ねぇ、混ざろう」
*
猫の目を持つ男は、端末を見据えたまま延々と話し続けている。チップの構造、モディフィケーターの信条、そしてオカルトじみたゴシップ。施術用の椅子に深く腰掛けた客の男は、聞いているのかいないのか、時折曖昧な相槌を返す。
「最近じゃ、妙なウィルスをチップに仕込んでる奴らがいるって噂もある。そういう奴と混ざると感染しちまって、チップが使いもんにならなくなるらしい。それどころか、そいつ自身がそのウィルスのホストになっちまうってな。気を付けなよ、素性の知れない相手と混ざるときは特に。あんたの世界を奪われないように」
猫目の男は、混ざる行為に潜む危険を伝えるのはモディフィケーターの責務と考えている。セックスと同じだ。決まった相手と楽しむ分には良い。フリーセックスにはリスクがある。それだけの事だ。相変わらず聞いているのかいないのか、目の前の客は「ああ」としか言わない。ここに来る客は皆そうだ。碌に人の話を聞きやしねぇ。あの男も人の話を聞かない男だったな。新規客を定期的に紹介してくる上客の男。好奇心が強く、興味本位でなんにでも首を突っ込みたがる。不用意に混ざるなと会う度に伝えたが、いつもヘラヘラと適当に躱す、あの男。
「・・・そういや最近は見かけねぇな」
前回あの男が来たのはいつだったか。モディフィケーターは端末から視線を起こして店舗の入り口を見やる。先刻まで夕陽の差し込んでいた路地が、今は夜の闇を湛えていた。夜の闇の中で尚、モディフィケーターの瞳孔は光の中にいる猫のように細く狭められたままだ。この世界は明る過ぎる。揺らめく街のネオンサインを眺めながら、男は小さくひとりごちた。
読んでいただいてありがとうございます!
初めての作品で、星新一賞に応募したものの供養です。
まだまだ未熟者ですが頑張ります。