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メリィの住む村

「うむ、このへんでいいだろう」


パンティハンターは、村の近くで、止まる


「送ってくれて、ありがとう~」

「森には、気をつけるんだぞ、では、さらばだ」


パンティハンターは、ジャンプすると、木の枝を足場にしながら、森に帰っていった

少女は、その後ろ姿を見ながら、手を振った


「よし、帰ろう」


パンティハンターが見えなくなると、自分の村まで、走る

村には、7件の家があり、どこも裕福な家では、ない

少女が、止まった先には、狭そうな、ボロい家、ここが、少女の家だ


「ただいま~」

「おかえりい」


ベットから、上半身を起こし、少女の帰りを出迎える、一人の女性

少し痩せており、起きあがるのも,やっとだ


「ああ、お母さんは、寝ててよ、薬草採ってきたから、今調合して、飲ませてあげるね」

「薬草って、あんた、また森に行ったのかい?あれだけ、だめって言ったのに……」


その瞬間、玄関のドアが開く


「あんまお母さんに心配かけるんじゃないよ」


声をかけながら、ボロボロの服だが、メリィに似た、美しい女性が、入ってきた


「あっお姉ちゃん」

「メリィ、またあんた勝手に、森に入ったて、聞こえたけど?」


少女を叱る、お姉さん


「だって、だって」

「薬草なら、村の大人達がなんとかしてくれるって言ったでしょうが」

「うん……」

目蓋に涙を貯めて、泣くのをがまんする少女

その姿を見て、ため息をつくお姉ちゃん


「まあパン作ってきたから、冷めないうちに、いただこうか」

「パン……パンだあああああ」


パンの言葉を聞いて、元気を取り戻す少女


「ふふ、リリィが、いれば、わたしが、いなくてもメリィは、安心ね」


お母さんが、苦笑する


「もうお母さん、馬鹿なこと言わずに、早くご飯食べて元気なってね」


布に包んだ3つのパンを自分と妹とお母さんに一つずつ配る

メリィは、水が入った器を3人分もってくる


「今日は、一人一つずつパンが、あるんだからね」

「わぁーい」


3人は、パンをちぎって、食べる


「そうだ、あんた森で、危ない目なんかに、あわなかった?」

「あったよ、蝶に食べられそうになったり、魔女に襲われたり」


驚いた様子で、リリィとお母さんの食事が止まる


「メリィあんた生きてるの?幽霊とかじゃない?」

「うっうっ……メリィ、お母さんを置いていかないで、おくれ」


リリィは、妹の体に実体が、あるかどうか、さわり調べる

お母さんは、メリィを悲しい目で見つめる


「生きてるよ、だって、パンティハンターさんっていう人に助けてもらったもん」


二人は、それを聞いて、メリィが生きてることに安心した

だが、リリィは、その助けてもらった人の名前を口に手をあてて、考える


「パンティハンター、聞いたことないね、騎士団の生き残り?魔女と戦って、騎士なんて残ってないはずだけど」

「パンティハンターは、パンティハンターだよ、森の中に住んでいて、女性のパンツを集めるために、生きてる人なんだ」

「フッフフ……森に住んでて、魔女や魔物から守ってくれなんて、まるで、本の世界にでてくる、光の妖精さんみたいね」


お母さんは、笑いながら、そう答える

だが、お姉ちゃんのリリィは、驚いた様子だった


「いやいやいや、パンツって、女性の下着でしょ? 女性のパンツ取るために生きてるって、ただの変態じゃない」


納得するお母さんだったが、リリィのほうは、だまされないぞとばかりに、反論する

ただの変態と言われ、メリィも反論する


「変態じゃないもん、パンティハンターだもん」

「いいや、ただの変態じゃあああ」


姉妹のやりとりをニコニコと眺めるお母さん



「いやあああああ」


その外から聞こえた悲鳴は、家族の会話を止まらせた

それに素早く対応したのは、お姉ちゃんのリリィだった


「静かに」


メリィと母親にそう言うと、りりィは、玄関のドアを少し開けて、外の様子を伺った

村の入り口近くの民家に、馬車と馬2頭と2人の見かけない格好の人がいた

2人とも女性で、黒いマントに赤いスカーフに、へそだしの身軽な格好している

他の民家の人も玄関を開けて、その様子を見ていた

すると15才前後の少女にナイフを突きつけながら、出てくる他の2人の人達

村人の人間じゃなく、外に出いてた2人と同じ格好をしている、女性だ


「娘を返してください」


その娘の父親が、ナイフをだしている人に頼んでいる


「うるさいよ」


そういうと父親の顔に蹴りを入れる

蹴りを入れられたことで、歯は、折れ、地面に這いつくばる

父親は、歯と血を吐き出す


「お父さん……いやあああああああ」


娘の悲鳴が、響きわたる


「おっさん、魔物の餌として、まだ生かしといてやるよ」

「よし、この村の少女は、我々が、もらっていく」


そう言うと、2人の人さらいは、他の民家のほうに向かった

ドアを閉め、リリィは、お母さんとメリィのほうに向く


「メリィあんたは、自分のパンと器を持ったまま、棚に隠れなさい」

「えっえっ……どうしたのお姉ちゃん」

「いい、落ち着いて聞いて、人さらいが来ている、狙いは、たぶん、あんたと私が狙われてるのよ」


メリィは、その言葉を聞いて、目を点にする

それを聞いて、お母さんも状況に、気づく


「メリィ、お姉ちゃんの言うこと聞きなさい……」


そう言うと、母親の目には、涙がこぼれていた

詳しい状況は、理解できなくとも、まずい状況なのは、理解できた、メリィ

リリィは、棚の戸をあける


「メリィ、早くしなさい」


妹に小声で、強く言う

メリィは、その言葉に従い、棚の中に入る

小さい棚だが、棚の中は、なにもなく、メリィが、一人が入るには、ちょうどいい大きさだった


「いい私達になにが、あっても、声をあげたり、出てきたら、だめだからね」


そう言って、棚の戸を閉めるリリィ

お母さんとリリィは、無言で、手を繋ぎ祈る

家の外では、村人達の悲鳴が、鳴り響く

それから、数分後、近づいてくる複数の足音

玄関で、その足音が、止まると、ドアが蹴り開けられる

入ってきたのは、盗賊の2人組

その盗賊の一人が、リリィに指をさす


「おい、そこの娘、こっちにこい」

「あなた達なんなんですか?」


反論するリリィだったが、一人の盗賊が、置いてあった、パンを踏みつぶす


「こっちにこいって、言ってんだ、口答えするんじゃねえ」

「早くしないと、森の魔女の魔力が戻っちゃうし、シャーロット様に怒られるう」

「あんま聞きわけないと、そっちの、おばはん、殺しちゃうよ」


盗賊は、ナイフをちらつかせながら、脅す

強く手を握っていた、リリィだったが、その言葉を聞いて、手を解く


「わかりました」

「よしよし、聞き分けのいい子で、お姉さん達、助かっちゃう」


リリィの手には、縄をくくられ、2人の人さらいに連行される

お母さんは、涙を流しながら、その様子を見届けることしか、できない

村の様子を確認は、抵抗した家は、さんざん荒らされ、血を流している男の人もいた

捕まった少女は、村の真ん中に、集められていて、目隠しをされている

リリィも同じように、布で、目を縛られる

目隠しされていても、捕まった少女達のすすり泣く声で、泣いているのが、わかった

そして、2人の盗賊達が、リリィを連れて、盗賊達と合流した


「ようし、これで、全員かい」

「全件回ってきました」

「撤収」


捕まえた少女達5人を馬車に担いで乗せると、馬車と馬は、村の出口まで、駆けて行く

お母さんは、その様子をみて、メリィに声をかける


「もういったみたいだよ、出ておいで、リリィ」


そう優しくいうと、棚のドアが、ゆっくり開く


「お姉ちゃん……」

「メリィ、お姉ちゃんは、もう……うっうっ……」


お母さんは、泣き崩れる

メリィは、おそるおそる外の様子を伺う

外は、いつも見てる村では、なかった

血を流している村人や半壊している家

メリィは、その様子をみたら、強い眼差しをお母さんのほうに、向けた


「お母さん、お姉ちゃんや村の人助けに行ってくる」

「待ちなさいメリィ、お姉ちゃんは、あなたを守るために……」


お母さんは、手を伸ばすが、メリィは、家を飛び出していった


「ごめん、お母さん」


村の人達を横目に、森のほうへ、と向かっていく

みんなを助けるために


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