ーーースカイ&サンーーー
カランカラン
蓮「マスター!また来たよ!いつものブラックコーヒー
2つ!」
新開「おー、蓮いらっしゃい。翔もいるのか!翔も
いらっしゃい。」
新開-しんかい-さんは俺と蓮が14歳の頃に見つけたカフェ&バー「スカイ&サン」のマスター。
大通りから二本道を外した裏通りに店を構えていて、
店内は2メートル近くある零戦の模型やマスターが大好きなマリリンモンローのポスターが壁一面に飾ってあり、
当時14歳だった自分達の独特な感性を大きく刺激する理想的なお店にすっかり心を奪われ、
今では通い始めてから5年目となった。
マスターはどう考えているかを抜きにして、自分達の中では、「スカイ&サン」の常連の一員になっていた。
また、通い始めて5年目という年月が更に思春期の俺達の心を撫でるようにくすぐっていた。
新開「はいどうぞ。今日も自慢のコーヒーを頂いてくだ
さい。」
蓮、翔「いただきまーす!」
新開「そういえば、今日は水曜日でしょう。翔はアル
バイトの日ぢゃないかな?」
翔「はい!バイトの日なんですけど、蓮に誘われてら
来ちゃいました!」
新開「あらあら、蓮は相変わらず強引だなぁ。翔はバイ
トなんだから、連れまわすのは控えないと。」
蓮「いやいやマスター、翔は4月から自衛官になっちゃ
うんだから、今の内に連れまわさなきゃダメなん
ですよー!」
新開「うーん。翔がいなくなった時のために今の内に翔
の居ない生活に慣れといた方が良いんぢゃない
か。それにしても、翔と蓮が離れ離れになるなん
て、考えられないなー。2人はポテトとハンバーガ
ーみたいなもんだからねー。何か物足りなくなっ
てしまうねー。」
翔「ポテトとハンバーガーって。マスターはいつも何
かに例える時食べ物にしますよね。」
こんなたわいもない会話が続き、時間となり、
俺はアルバイトに向かう事となった。
翔「時間だから帰るね!マスター!ご馳走様!」
新開、蓮「行ってらっしゃい!」