竜宮
ここは本当にどこなんだろう……
そんなことを考えながら歩いているうちに、とても大きな鳥居の前に着いた。
輝「ここは?」
伊吹「竜宮への入口だよ」
輝「入口? 鳥居の向こうには何もないじゃないか」
伊吹「鳥居をくぐってみればわかるよ」
伊吹はニッコリと俺に微笑んで鳥居に向かって歩き出した。
わけがわからなかったが、鳥居をくぐってみると…………
輝「うわぁ……!!」
そこにはとても栄えている平安京によく似た町が現れた。
伊吹「どうだい? これが結界によって守られてる鬼の町だよ」
輝は驚きのあまり言葉を失ってしまった
伊吹「輝! とりあえず大将のところに挨拶に行こう」
輝「ちょっと待って 君はなんで俺の名前を知っているの?俺は君に名前を教えた覚えはないよ」
伊吹「知らないはずないじゃないか 君はスサノオノミコトの子孫なんだよ?」
輝「どういうことなのかわかんないよ! スサノオノミコトの子孫? 俺が?」
伊吹「そうだよ 信じられないかい?」
輝「信じられるはずないだろ!」
その時!
「人間だ! 人間が攻めてきたぞ!!」
町の人の叫び声が聞こえた。
伊吹「こんなときに! 輝! 僕の後ろにいて!必ず守るから!」
そう言うと同時に、伊吹は刀を構えて俺の前に立っていた。 (続く)