私の身体知りませんか?
意識はあるのですが、身体がありません…。
何処にいってしまったのでしょうか?
雑木林の中を探しても見つかりません。
「私の身体何処ですか!」叫んだところで返事はないですね。
誰かがあんなことやこんなことに使わなければよいのですが、見つかったら、使用済みとか勘弁してください。
色んな事を想像していたら、イヤーな予感がします。
急いで捜しましょう。
「身体や〜い。どこいった!」
「何処だ!出てこい!」
「隠れてないで、でておいで!」
「マイ、ハニー、ボディー、カムひや〜」
「出てこいべらんめ〜」
「出てこい…や〜」
雑木林も近くの田畑もくまなく捜しましたが、逝けませんじゃなくて、いけません、完全に見つかりません。
まだ、逝くつもりはありませんが、このままででは、本格的に三途の川に行きそうです。
おもいっきり意気消沈してしまいました。
ふと、もう一つの問題に気がついてしまいました。
今の私は、意識だけの存在なので、見られることはないと思いますが、淡いレースのような薄衣しか着ていません。
正直申しますと、恥ずかしいです。
せめて、ジャージとか、スエット、いやいやいけません、ベロア地のプリーツスカートにサテンのブラウスとか、ウェッジソールのブーティとか、やはりそれらしい格好はしたいです。
どうしましょう。恥ずかしさが急上昇してきました。
東の青い空に、上弦の月が浅く白く輝いていました。