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日常
いつもの様に、雅子の送り出しで愛子と留美はソーラー車に乗って登校する。
創設式から3ヶ月経ち、皆この生活に馴れてくる。
その間に町は更に整備され、研究施設が出来、人も増えた。
「天ノ宮様、おはようございます」
「おはようございます」
学生の挨拶に、愛子は笑顔で返す。
今の生活は、前とちっとも変わらなかった。
神皇として高貴な笑顔を振りまかなければならない。
和泉修介は、愛子が神皇として確立する為に特別扱いしていた。
研究施設の創設式にも出た。
研究施設は色々なジャンルの優秀な研究者が若い者を中心に集められていた。
「皆さん、研究に励んでください」
月並みな言葉でも、神皇である愛子が言えばありがたみが出る。
そしてそうなる様に和泉修介は万全に期していた。
「天ノ宮様超可愛い!」
「母親も美人だよな」
ビジュアルも神皇崇拝に後押ししていた。
ビジョンではニュースで神皇として取り上げられ、知名度も上がる。
愛子は、こうした日常を送っていた。




