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新たな門出

「う~ん、やっぱり一夫一妻は無理なのかなぁ」

和泉修介は監視部屋から呟く。

「そりゃそうですよ。ずっとラブラブであれば浮気したいなんて思わないんですから」

監視員の一人が呟く。

「確かに、三人と一緒に居ればいるほど皆を好きになる。彼女の様に」

それは愛子の事。

そして和泉修介は決める。

この日本特区は一妻多夫にしようと。

そしてそのモデルケースは、勿論愛子達だ。

それから年月が経った。

「ご卒業おめでとうございます」

和泉修介は愛子の自宅で笑顔で言う。

その場には愛子、留美、愛子の母の他にも、将生、渉、一年前に卒業した透が居た。

「愛子様達も来月からは大学生ですか…」

しみじみと和泉修介は言うが、その大学も高校と系列で、透が通っている大学でもある。

「で、話は何ですか?」

愛子は冷淡に問う。

すると、和泉修介が考えていた事を告げる。

「愛子様、結婚してください」

その言葉に皆キョトンとする。

「いえ、実は一妻多夫のモデルケースにしようと思いまして、愛子様と守護騎士のお三方に結婚していただきたいんです」

和泉修介は笑顔だった。

「皆さん嫌ですか?もしそうなら他の方を探さなければならなくなりますねぇ」

困ったフリをしてチラリと三人を見る。

「とりあえず、一晩差し上げます。4人で話し合って下さい。ちなみに、第二候補は宇野さんとそのお友達です」

その言葉に皆驚くのだった。

4人は話し合う。

というよりも、三人は結婚してもいいと思っていた。

まさか皆一緒とは思っていなかったが。

一方愛子は困っていた。

まさかこんなに早く結婚を考える事になるとは思っていなかったのだ。

三人の事は好きだ。

だが、結婚してしまったら更に巻き込んでしまう。

だが、自分達が結婚しなければ留美が餌食になるとも思った。

だから、結婚したら完全に巻き込まれる事を伝えた上で三人に結婚しても構わないか聞いた。

「私は構いません。愛子様と共に歩んでいこうと思います」

「それは俺も同じ。守護騎士になった時点で守る事を決めたんだ。一生守るよ」

「愛子様がいいなら、嬉しい。いじめっ子だった俺を結局は受け入れてくれたんだから」

三人の心には自分だけを選んで欲しかったという思いがあったが、それは隠して言った。

結局、四人はモデルケースとして結婚する事を決めた。

それから一週間後、結婚パレードをした。

愛子と三人はオープンカーに乗り、手を振る。

それから、三人は愛子と共に幸せに暮らしたのだった。

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