花火と観覧車
「サプライズにと用意したけど…流石にバレたかな?」
留美達と違い表情が険しいのを見て和泉修介は呟く。
勿論、監視部屋からだ。
また出かけたと知り、最後に用意した仕掛け。
「帰りが遅いのはよろしくないですが、三人が付いているならいいでしょう」
和泉修介は苦笑いして言った。
観覧車はやはり人が多かった。
カップルや友人同士の若者が乗り込んでゆく。
流石に七人は多い為、半々に分かれる。
結局、昼食と同じ組み合わせとなった。
4人は乗り込み、留美達は次に乗る。
左右に座席があり、透が隣に座る。
「夜景、綺麗ね」
閉鎖された空間、その壁の外を見る。
見渡す限りの森、そして少しだけ海が見える。
バンバン、突然花火がの音が鳴った。
森の向こうから花火の花が開く。
勿論、タイミングは愛子達が観覧車の頂上に近づいた瞬間だ。
地上からでも花火は見れるが、高いところからの花火は更に格別だった。
「皆、ありがとう。大好きよ」
愛子は感謝の意を告げる。
ふわりと優しい笑顔。
その顔に、三人は見とれた。
勿論その間も観覧車は回る。
花火は相変わらず鳴るが、観覧車は地上に近づいた。
「お疲れ様でした」
係員はお決まりのフレーズを告げる。
観覧車から皆出ると、今度は地上から花火を見た。
すぐに留美達も合流する。
そして七人は花火が終わるまで眺めたのだった。




