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ライトアップ
一日中遊べるテーマパークも、いつしか夕方になっていた。
アトラクションや街灯に光が灯る。
勿論メリーゴーランドも同様だった。
それは、昼とは違う味わいがあった。
「綺麗」
「素敵」
留美と愛子は口々に言う。
それは二人だけでなく、透達や他の来場者も同感だった。
「行きましょう」
愛子は微笑む。
それは、ライトの光に照らされ更に美しく見えた。
メリーゴーランドには愛子と留美が乗った。
男子達は恥ずかしく、そして好きな子を見つめたいと思ったからだ。
廻る度に手を振り、手を振り返す。
しばらくすると音楽は止み、終わった。
「じゃあ、最後に観覧車行ってかえろうか」
将生は愛子に微笑み言った。
七人はぞろぞろと歩く。
観覧車までライトアップされた景色を見ながら楽しんでいた。
「本日、特別に花火を打ち上げます。どうぞお楽しみ下さい」
突然放送案内が鳴る。
そのアナウンスに偶然来ていた一般客は浮き足立つ。
皆も予想外の出来事に驚いていた。
「花火だそうですよ!もし観覧車の中から見れたら幸せですね!」
留美は嬉しそうだった。




