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憂鬱
「ねぇ宇野さん、部活動何にしたの?」
愛子は憂い、問う。
留美は使用人だがクラスメートだ。
そして、愛子と違い部活動にも出られる。
留美はそんな愛子を見て言うか迷った。
だが、彼女は絶対だ。
質問されれば答えるしかない。
「私は、漫画部です」
留美は答えた。
「部活動ができるのね」
愛子は告げた。
クラブ活動は最初から決まっている。
そして、プリントで配られたのでクラス全員の分がわかるのだ。
ちなみに愛子のクラブ活動は自由、で留美も同じだ。
一人でできるものなら趣味でも勉学でも構わない。
校門へ向かう途中に担任からそう聞き、愛子は複雑だった。
「羨ましいな……」
愛子は呟く。
髪を解いてもらいながら、憂鬱になる。
「あなたは何故ここへ来たの?使用人になったの?」
愛子は気分を変える為に問う。
留美はその質問に苦笑いした。
「家族と離れる為です。家族と居たらもっと駄目になる。ここに入る事自体は資格が足りなかったけど、使用人になるという条件でここに入ったんです」
留美は言うと、シュシュで軽く二つに結ぶ。
「出来ました。ではおやすみなさいませ」
留美はそう言うと、愛子の部屋を出た。




