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ジェットコースター

「既に並んでるな……」

将生は呟く。

他もそうだが、既に長い列が出来ていた。

「これは遠慮させてもらうよ」

いきなり透は言う。

本当はテーマパークに愛子を連れて行く事自体反対だった。

安全第一主義の透にとって、危険極まりないのだ。

「じゃあ、透抜きで行こうか」

将生の言葉に頷き、並ぶ。

「あれ、守護騎士様!しかも二人も!」

一つ前の女子二人組は騒ぎ出す。

「お休みですか?」

「え?まぁ…」

将生は話しかけられ、困惑する。

「良かったらどうぞ!」

「いいの?」

「はい!」

将生達はその言葉に甘え、二人と入れ替わる。

「あの子超可愛い!」

「美男美女カップルね!」

などの言葉の後皆順番を譲り、結果予定よりも早く辿り着いた。

「良かったのかしら」

愛子は呟く。

それ程までに早かった。

六人は二人づつ座る。

多少争奪戦はあったものの、留美と愛子が隣同士座る事で落ち着いた。

「髪、大丈夫なんですか?」

「しっかり固定してるから平気よ」

こっそり喋り、発進した。

ジェットコースターが発進すると、ドキドキと悲鳴が聞こえる。

怖がる者や楽しむ者、それぞれだが皆楽しんだ。

「風見君大丈夫?」

留美が声をかける。

恭平は青ざめていた。

「大丈夫」

格好付けてそう答えるものの、明らかに覇気が無い。

「とりあえず、休んだら?」

「ごめん、ありがとう」

恭平はそう答えたのだった。

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