平和な日
「大変だったわね」
留美と将生から話を聞き愛子はそう返す。
その後留依の経っての希望で近藤昌也は留依と結婚、少し離れた所に一軒家を構える事になった。
「所で留美、お姉さん夫婦と仲良くなったのはわかったけど、南里君とはどういう関係?友達?それとも恋愛感情あるの?」
神皇とはいえそこは学生、やはり人の恋愛に興味があった。
「友達です。愛子様の使用人です」
「それ、関係無いわよね?」
愛子に言われて留美は詰まった。
愛子は部屋の外の将生を呼ぶ。
「明日、南里君に留美の事どう思ってるか聞いてきてくれる?」
「はいはい」
将生は呆れつつも返事した。
次の日学校、将生はクラスのHR前に問う。
「宇野の事どう思ってる?」
光は突然の質問に咳き込む。
「な、何でそんな事聞くんだよ!」
「愛子様に聞けって言われたから」
光は理解はしたが戸惑う。
だが、愛子からの間接的な質問にどう答えるか迷った。
「部活の友達、だったんだけど……好きかも。宇野には言うなよ!」
光は頬を紅潮させ言う。
将生はそれを留美の居ない時に愛子に伝えた。
愛子はそれを理解すると今度は将生に問う。
「あなたは好きな人は居ないの?」
「それは……」
将生は困る。
愛子だと本人を前に言うのははばかられるからだ。
それに、愛子は好きな人に告白されても断るだろうと思う。
それは巻き込みたくないから。
解ってるだけに誤魔化す事にした。
「皆好きですよ。愛子様も宇野も光も、透も渉もね」
笑顔で将生は言ったのだった。




