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留美の召喚
「和泉さん、どうするんですか?」
監視員は、和泉修介に問う。
電話を切るとため息をついた。
「会わせるよ。南里君さえ解放できれば真壁君は自力でどうにかできるだろうからね。実際、既に行動を起こしてる」
それは、将生がロープを自力で切った事を示していた。
「勿論、宇野君も近藤昌也も外に出すつもりも無いけどね」
和泉修介は自信満々だった。
「じゃあ、麻生留依さんを連れてこようか。あと、宇野君を連れておいで、交渉の為に必要だからね」
和泉修介が言うと、連絡を取らせた。
「あの……?」
BARの前に留美は連れて来られていた。
勿論、和泉修介も居る。
「近藤君、ご要望通り宇野君を連れてきたよ」
和泉修介は通信電話で伝える。
電話が切れると、眠る光を抱え近藤昌也は出てきた。
「南里…!どういう事ですか?」
光が和泉修介の部下に渡ると、状況がわからず問う。
「君の仕事は彼、近藤昌也に自分の思いと現状を伝える事だよ」
和泉修介は言うと、訳の分からない留美の背中を押した。




