目的
「そいつ、大丈夫なのか?」
透は話を聞いて不安そうにする。
今、渉は守護騎士の使命で屋敷に居るので二人だった。
今頃彼等もコンビニスイーツを食べているだろう。
「大丈夫、南里に近づかない様釘を刺すだけだから」
「ならいいが……」
透は不安が払拭しきれないものの将生の言葉を信じる事にした。
後日、将生はBAR、Evilへ向かう。
店の前では光が待っていた。
「南里、何で居るの?」
「何でって、呼ばれたからだよ?」
光は将生の心配を余所にケロッとしている。
将生はため息をつくと一緒に入った。
BARは夜間営業、店内は薄暗く椅子は逆さにされている。
「いらっしゃい」
近藤昌也は笑顔で出迎える。
来慣れた感じで光は奥へ向かった。
将生もそれに倣い奥へ入る。
奥は質素な住居スペースになっていた。
「材料は多めに入れてるからどれでも使って」
近藤昌也の言う通り、野菜、肉、魚、調味料が沢山入っていた。
「わかりました」
将生は言うと、料理を作り始める事にした。
光が居るので、将生は釘を刺せないでいた。
炊飯器に予めご飯は炊かれている。
将生は簡単に献立を組み立てると作り始めた。
「手慣れてるね。普段から作ってるのかな?」
「まあ、自炊してますから」
将生は冷たく答える。
「留美ちゃんは元気?」
「はぁ……」
将生は生返事の直後に、質問の内容に驚く。
それは光も同じだった。
「君達を利用させてもらうよ」
近藤昌也はマスクを被ると睡眠ガスを発生させた。




