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図書館デート

「こんにちは」

愛子と透は挨拶する。

「個室でよろしいですか?」

ソムリエ田中さんはいつも二人がそうなので、頼む前に確認した。

「はい」

透が返事すると、田中さんは直ぐに空いてる個室へ案内した。

「いつも二人一緒で仲がよろしいですね」

田中さんはニコニコと笑顔で言う。

このソムリエの老人も大抵の人と同じ、兄妹か恋人と思っているのだろう。

田中さんは案内を終えると個室を出た。

愛子は個室にあるファイルに目を通す。

本屋で確認していた最新の人気作を探す。

「愛子様、見たい本はありましたか?」

「えぇ」

愛子は頷くと、数冊の本の作品名を読み上げた。

透は個室を出ると、田中さんにその作品を頼む。

「どれも話題作ですね。無かったらおすすめを持ってきましょうか?」

「お願いします」

透は会話を終えると個室へ戻る。

「しばらくお待ちください」

透は言うと椅子に座る。

最初は愛子が本を読む間立っていたが、愛子が椅子に座る様言うので今は座る様になった。

少ししてノックが聞こえる。

透はドアを開け、本を受け取ると閉める。

愛子が本を読む間、透はいつも本を読まない。

「高塚君も本を読んだら?」

愛子は時々言うが、透はいつも首を横に振る。

そしていつも愛子を見ていた。

仕事の為、見張るため、わかっていた。

「高塚君、楽しい?」

それは色々な事に対しての問い。

「えぇ、貴方をこの瞬間は独占できているのですから」

透の答えは、聞いた愛子にとって恥ずかしくなるものだった。

「一番安全なのは良いことです」

透の続きを聞き、愛子はホッとする。

一瞬、愛子は透が自分の事を好きなのではないか?と疑った事を心の中で詫びた。


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