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創設式
「愛子、今日から学校ね」
「はい」
母は我が子を抱きしめる。
二人が入院している間にも和泉修介は着々と準備をし、人選をして呼び入れていた。
「いってらっしゃいませ」
使用人達が雅子の後ろで頭を下げると、ソーラー車は発車する。
学校に着くと、同乗者が車のドアを開けた。
彼女は同じ学生服を着ており、愛子が降りると後ろに下がる。
始まったばかりの学校は、建物の大きさに反して人は疎らだった。
国立秀光学園、この学校で創設式があり、皆体育館に集まる。
創設式は着々と進む。
教師の紹介、校長、理事長の紹介がある。
理事長は和泉修介だった。
「皆さんは、認められた者達です。将来何かしらで成功する事を望みます」
和泉修介は言うと指を鳴らす。
その瞬間スポットライトが愛子に当たる。
愛子は整形手術で美少女になっていた。
「彼女はこの国のシンボル、象徴です。そしてこの学園の生徒でもあります」
普通の人として暮らせる。
そう思っていた愛子には寝耳に水だった。
「それでは皆さん、学園を満喫して下さい」
和泉修介は言うと壇上から下りた。
その後着々と創設式は進んだ。




