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カフェ
町は平和だった。
愛子を見て騒ぐ事も無く、近づく事も無い。
留美は遠くから愛子を見守る。
愛子が行方不明になりちょっとした騒ぎにはなってるだろうが、町までは来ないだろう。
「取りあえず、腹ごしらえだな」
将生は喫茶店へ行く。
愛子は辺りをキョロキョロと見回した。
二人は向かい合って座る。
留美はその少し後に店に入った。
「飲み物どうする?」
将生が聞くと、愛子は迷う。
愛子はどれも頼みたいのだ。
「すいません、クリームソーダとアイスティー、それからチョコレートパフェとベリーのパンケーキお願いします」
店員に注文する。
女の子の好きそうなものを選んで頼んだのだ。
しばらくすると頼んだものが来る。「食べたい方を選んでいいよ」
将生は告げた。
愛子は悩んだ末クリームソーダとパフェを選ぶ。
「店員さん、小皿ください」
店員は将生の注文に笑顔で返事した。
店員は皿を置くと会話を試みる。
「デートですか?」
その言葉に愛子は驚き、将生は苦笑いをする。
「彼女は……友人です」
考え倦ね将生はそう答えた。
<そうか、デートに見えるのか……>
パンケーキを小皿に分けながら、将生は考えていた。




