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私の彼はギャンブル好き ~ある意味最強・七菜子ちゃん~

作者: 深水晶

タイトル変更しました。

 友人美夏に「それはマズイよ」と言われた。

 私、岸川七菜子は短大一年生。基本月・水・金は二時間、土曜日は六時間バイトで、日曜日は彼氏とデート。だけど暇さえあればバイトに行ってる。その理由が、彼氏に余分にお金を渡すため。

「月に二〜三万円、多い時で五万渡してる? それってヤバイよ。金目当てになっちゃうよ。そんなことしてたら、男も女もダメになっちゃうって。ちゃんと付き合いたいならやめときなよ」

「だって」

 私は弁明する。

「いつも金欠で、お腹空かせてて、煙草代も苦労してるんだもの。私毎日ご飯作ってあげられないから、せめて出来る事がしてあげたくて」

「だからって金を渡すのはマズイでしょ。健全じゃないよ。七菜子は本気で好きなんでしょう?」

「うん」

 まだキスしかしたことないけど。デートは最初の告白時の遊園地一回きりだけど。その時「迷子になるといけないから」って手を繋いで、それがすごく嬉しくて、だから付き合おうって言われて舞い上がって、即OKした。

「ゆるすぎるのよ、七菜子。あんた本当、恋愛経験値低すぎ。あんた小学生じゃないんだから。相手があんたを騙して利用する気満々だったらどうすんのよ」

「長瀬くんはそんな人じゃないよ。誠実で繊細ないい人なの。ただ、人よりちょっとギャンブル好きなだけで」

「だからさ、七菜子。そんなヤツのどこがいい人なのよ。そんな生活費にも困るくらいギャンブルにハマってるってだけで最低じゃん。あんたが世間知らずのお人好しなのは判ってるけど、あまりにもひどくない?」

「だけど、優しい素敵な人なの。私を大事にしたいんだって、すごく壊れ物みたいに扱ってくれるの。優しく微笑んで愛してるって言ってくれるの」

「だいたいさ、向こうから連絡ほとんど来ないんでしょ? こっちからかけても留守電で。メールでのやり取りが主なんでしょ? 会っても必ずしもデートするわけじゃないんでしょ?」

「デートはしてるよ。ただ、連れて行かれる先がパチンコ屋や雀荘や競馬場だったりするだけで」

「本っ当、ダメ男じゃん! あんた、そんな所へ連れて行かれて楽しいの?」

「ううん、全然。だけど、長瀬くんが楽しそうだから、側で見てるの。時折、側で見られると落ち着かないからって言われて仕方ないから一人でブラブラする事もあるけど」

「……あんたソレ、絶対デートじゃないわ。っていうか、そんな男とは今すぐ別れなさい」

「え? なんで?」

 私は全然納得できなかった。



 その半年後、クリスマス一ヶ月前に、私は長瀬くんに振られてしまった。

「ごめん。他に好きな人できたから」

 私はびっくりして泣いてしまったけれど、長瀬くんが、

「七菜子は悪くない。俺が全部悪いんだ。七菜子には、俺よりずっとふさわしい相手がいる。七菜子はとても魅力的な女の子だから。そんな君に泣き顔は似合わない。俺は最後に七菜子の笑顔を見て別れたい。七菜子の笑顔が好きなんだ」

 と、言われて、無理矢理微笑んだ。

「可愛いよ、七菜子。本当にごめんね」

 そう言われて、悲しかったけど、お別れした。



 友人にその経緯を話したら、

「もうツッコミどころ満載で、何処から突っ込んでいいか判らないわ」

 と言って、暫くテーブルに突っ伏してしまった。

「あのね、私、長瀬くんとお別れして、すごく悲しくて淋しいけど、私の笑顔が好きって言ってくれたから、なるべく笑っていようと思うの。だけど、時折どうしても泣いちゃうの。ねぇ、美夏。私、どうしたら良いかな? どうしたら泣かずにいられるかなぁ」

「……新しい恋をしなさいよ。できれば、今度はもっと上等な男とね」

 美夏はそう言ってため息をついてから、

「だけど次はもうちょっと慎重にね。絶対に男に貢いじゃダメよ?」

 私はきょとんとした。

「何言ってるの、美夏。私、別に貢いでなんかいないよ?」

 私がそう言うと、美夏は眉間に皺寄せ、絶叫した。

「あんた、男に現金渡してるでしょうが!! それが貢いでるって言うのよ、スカポンタンっ!!」

 私はびっくりした。マジマジと美夏を暫く見つめて、

「……スカポンタンってどういう意味?」

 と、尋ねたら、美夏は深いため息をついた。



The End.


半分実話(苦笑)。

付き合ってる間ずっと友人に別れろと言われました(歴代の恋人ほぼ全員)。

マジでデートにパチンコ屋三時間はキツイです。

いや、デートじゃないのか?(汗)


まともなデートしたのは旦那が初めてかも。

というわけで、デートにパチンコ屋その他はやめてあげて下さい。


なお、この物語はフィクションであり、アレンジ・デフォルメされているため、事実とは異なります。

ご了承下さい。

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