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死後も現世で働きます!?  作者: 儚井 陽


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4/4

幽霊警察はいつも忙しい

心霊スポット部署での現場管理が終わった直後。


「次、警察入ります。」


先輩幽霊が何でもないことのように言った。


「……警察?」


「はい。幽霊警察」


嫌な予感しかしない。


「幽霊なのに警察なんて要るんですか?」


「いるに決まってるでしょ!」


心霊スポット部署の幽霊が返す。


「俺ら結構捕まってるし。」


「なんで!?」


「すんません!いつもお世話になってます!」


――おいおい…


 ***


ごく普通の公園。


昼間は子どもが遊ぶ普通の場所だが、

夜になると幽霊が溜まりやすいらしい。


「驚衣さんストップ!ここ見回りポイントです。」


先輩幽霊が言う。


「普通の公園ですよ?」


「こういうところにこそ幽霊が溜まります。」


そうなんだ…


すると。


「どーもどーも、ちょっとそこの君いいかな?」


ベンチの影から、

腕章をつけた幽霊が出てきた。


帽子。

無線。

手錠っぽいもの。


全部、幽霊仕様。


「うわっ!警察だ!」


「逃げろ!」


周囲にいた幽霊たちが一斉に散る。


「深夜徘徊してる子供か…」


「幽霊になっても変わらないんですよ。こういうのは…」


警察幽霊は慣れた様子で言った。


「まあ逃げるってことはだいたい何かやってますから。」


「それは偏見じゃないですか?」


「経験則ですが、放っておくのもよくないんでね。

よっと、はい一人目。」


――強っ。速っ。


「登録証出してください。」


「持ってません…」


「はい未登録ね。

2時13分、未登録幽霊確保」


――即アウトなんだ…


「死んでから三日以上現世にいる場合、登録義務があります。」


警察幽霊が淡々と説明する。


「知らなかったんです!」


「はぁ、君この前補導されて登録するって言ってた子でしょ?

素直に登録しに行けばよかったじゃん。」


ぐうの音も出ない。


「この方どこに送られるんですか?」


恐る恐る聞くと、


「講習です」


「……講習?」


「幽霊としての正しい生き方講座」


幽霊が生き方講座…?。


次の瞬間。


「はい確保!!」


警察幽霊が別の幽霊を捕まえた。


「君もしかして生者に取りついてました?」


「ちょっとだけです!」


「ちょっとでもダメ!

2時22分、おっゾロ目じゃん君ツイてるね。」


――どちらかというとツイてないでしょ。


「憑依は重大違反です。」


「え、でもホラーでは定番……」


「ここでは犯罪です。」


――そりゃそう。


「……あの」


 私は小声で聞いた。


「覗きとかも……」


「もちろん捕まえます。」


警察幽霊は即答した。


「銭湯、着替え、風呂場」


指を折りながら続ける。


「生者でも幽霊でも、プライベート空間を覗くのは完全アウトです。」


「……幽霊って着替えたりするもんなんですか?」


「幽霊もおしゃれしてる人いますよ?」


すると後ろから。


「いやー、バレないと思ったんだけどなぁ」


軽いノリで言った幽霊が、

即座に取り押さえられた。


「反省の色が見えないですね。」


警察幽霊が言う。


「こういう変態は欲に負けて調子に乗るんです。」


「……最低ですね」


警察幽霊は続ける。


「ちなみに心霊スポットや誰も寄り付かない場所の見回りも我々の仕事ですよ。」


「心霊スポット部署と被りません?」


「被りますが役割が違うんでねぇ」


「なるほど?」


「そこでよく揉めるのであそこの部署とは仲悪いです」


さらっと内部事情。


「向こうはやりたい放題。

我々はやり過ぎを止めたい。」


「あー、お察しします…」


そのとき。


「ひゃああああ!!」


突然、幽霊警察の一人が悲鳴を上げた。


「な、何事ですか!?」


「今、後ろから気配が…!」


全員が振り向く。


そこにはただの猫がいた。


「……」


「……」


「……あの」


私が言う。


「猫ですよ?」


「なんだぁ、脅かさないでよも~」


全員が幽霊警察をジーっと見つめる。


「しょうがないじゃないですか!!」


「私怖がりなんですもん!!」


「幽霊になったからとか関係ないです!」


――私と同じ匂いを感じる…


近くを通りがかった心霊スポット部署の幽霊が笑う。


「あれあれぇ?警察がビビりって大丈夫ですかぁ??」


「うるさい!あなたたちは驚かせるのを控えなさい!」


「それが仕事だろ!」


公園で幽霊同士が言い争っている。


私は頭を抱えた。


――死んでもなおこんな組織社会が続いているなんて。


「驚衣さん」


先輩幽霊が言った。


「これが幽霊警察です。」


「想像以上でした…

どっちの意味でも。」


「慣れますよ」


――慣れたくない。でも…


ちゃんとルールがあって。

ちゃんと取り締まっていて。

意外といいバランスで回っている。


その一端に私も組み込まれてしまったらしい。


「だいたいあなたたちは許可なくポルターガイストも起こしてるでしょ!!」


「あれはどんだけ脅かしても生者が危険区域に入ろうとしてたからで…!!」


ツッコミが追いつかない。

今日はもう疲れた、諦めよう。

ご愛読ありがとうございます!

世の中いろんな人がいるので怖がりな幽霊がいてもおかしくはないですよね?

これからも幽霊社会の日常を楽しみにお待ちください!

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