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6話

この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。

オリジナルの妖怪が登場することもあります。

素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。

あれから陽葵(ひまり)志乃(しの)の教室へ来ることはなかった。

入学当時と同じ静かで平和な1日が過ぎる。

求めていたはずなのに何か物足りない。

志乃(しの)「あ、黒丸(くろまる)と情報交換しないと。」

帰りに独り言を言いながら妖ノ郷へと向かう。

樹霧之介(きりのすけ)の家に着くと樹霧之介(きりのすけ)が迎えてくれた。

志乃(しの)「こんにちは。」

樹霧之介(きりのすけ)「あ、いらっしゃい。父に御用ですか?」

志乃(しの)「そうだけど、先客がいるのなら大丈夫。」

家の中には複数の気配を感じる。

樹霧之介(きりのすけ)浜名瀬(はまなせ)さんが良ければ入ってくれませんか?ちょっと話したい事があるので。」

志乃(しの)「時間はあるから大丈夫だけど。」

樹霧之介(きりのすけ)「良かった。」

黒根(くろね)「やっぱり来たな。」

志乃(しの)黒丸(くろまる)、これは?」

そこには樹霧之介(きりのすけ)黒根(くろね)の他に真琴(まこと)(しずく)(ほむら)風見(かざみ)茂蔵(もぞう)がいた。

黒根(くろね)真琴(まこと)陽葵(ひまり)から連絡をもらったみたいでな。」

志乃(しの)「何て来たんだ?」

黒根(くろね)「お前、陽葵(ひまり)と喧嘩したんだってな?」

志乃(しの)「別に、あっちが一方的に怒鳴ってきただけだ。」

黒根(くろね)「で、喧嘩の理由なんだが。」

志乃(しの)「今はもう無いぞ。」

そう言って足を見せるがもう跡も消えていた。

黒根(くろね)「3日かかったのか?」

志乃(しの)「跡が中々消えなかっただけだ。」

(ほむら)「俺のせいです。お願いします。罪を償わさせて下さい!」

人型を保っていた(ほむら)は猫の姿になって志乃(しの)の前でひっくり返りお腹を見せる。

志乃(しの)「ほら、こんなこと蒸し返すから。」

そんなことを言いながらも片手は(ほむら)のお腹を撫でている。

(しずく)「いえ、これは当然の事です。この馬鹿のせいであなたは怪我をしたうえにそれが喧嘩の原因になったのでしょう?」

志乃(しの)「もう治っているうえに自らつけた傷だぞ?」

(しずく)「こいつが暴れなければこんな事にはなってはいません。」

真琴(まこと)「それに昨日は陽葵(ひまり)からあなたに修行してもらえるって凄く嬉しそうに電話してきたんです。」

志乃(しの)「課題を1ヶ月こなせれば修行はするつもりだ。」

黒根(くろね)志乃(しの)、謝りに行かないか?」

志乃(しの)「何を?私は謝る事はしていない。」

(ほむら)「俺は謝りたい。」

志乃(しの)「あいつと関係無いお前が何で謝る。」

(しずく)(ほむら)は迷惑かけた全員に謝るべき。」

志乃(しの)「あいつに心配させたのは私なんだからお前らは関係ないだろ。」

黒根(くろね)「謝る理由ができたな。」

志乃(しの)「あ。くそ、計算済か?」

樹霧之介(きりのすけ)「僕も謝ります。仲直りして下さい。」

志乃(しの)「あーもう、わかったよ。」

志乃(しの)は仕方なく黒根(くろね)以外の全員で陽葵(ひまり)の家へ向かい、チャイムを押すと陽葵(ひまり)の母親が出てくる。

陽葵(ひまり)母「あら?お友達?」

志乃(しの)「はい。陽葵(ひまり)はいますか?」

陽葵(ひまり)母「あら、丁度いないのよ。」

志乃(しの)「どこに行ったかわかりますか?」

陽葵(ひまり)母「最近SNSで噂になっているエナジードリンクを買いに行くって言って出て行ったけど。」

志乃(しの)「エナジードリンク?聞いた事ありませんがどこで売っているとか聞いていませんか?」

陽葵(ひまり)母「さぁ、コンビニかスーパーかなと思って聞かなかったけど。」

志乃(しの)「そうですか。ありがとうございます。」

陽葵(ひまり)母「何か伝える事あれば聞くけど。」

志乃(しの)「いえ、明日また来ます。」

陽葵(ひまり)母「そうなの?大勢で来てくれたのに悪いわね。」

志乃(しの)「え?」

陽葵(ひまり)母「あれ?よく見たらあなた1人だったわね。何で大勢いるって思ったのかしら。」

そしてドアが閉まる。

茂蔵(もぞう)「霊力ありそうな人だったな。」

(しずく)「だけど完全には見えてはなさそうね。」

志乃(しの)「まぁ、いないのだったら明日出直そう。」

真琴(まこと)「ねえ、気になってちょっと調べてみたんだけど陽葵(ひまり)が買いに行ったエナジードリンクってこれかな?」

真琴(まこと)が見せてきたスマホの画面には「高校生におすすめ」「深夜まで集中力を高める」「勉強のお供にヴァイパースピリット」と書いてある派手な広告が表示されていた。

(ほむら)「美味しそうに思えないが何でこんなもの飲もうと思うんだ?」

(しずく)「本当にこれを買おうと思っているの?」

茂蔵(もぞう)「人間ってたまに変なもの欲しがるよな。」

志乃(しの)「一応、私の出した課題をやろうと思ってくれていたみたいだな。」

志乃(しの)はフォローを入れる。

真琴(まこと)「ねぇ、近くのコンビニ行ってみない?」

志乃(しの)「、、そうだな。」

志乃(しの)は勉強嫌いの陽葵(ひまり)が自分から勉強しようとしていると分かって少し手助けしてもいいと思い賛成する。

コンビニへ移動中。

風見(かざみ)「おい、何か嫌な感じがする。」

風見(かざみ)が何かを感知する。

風見(かざみ)が指さす方向には目的地であるコンビニがある。

そのコンビニには新発売のエナジードリンクの広告が出ている。

真琴(まこと)が見せてくれたあの広告と同じものだ。

志乃(しの)「このコンビニ、こんな外装だったか?」

真琴(まこと)「外で買い物あんまりしないからよく分からないけど、妖気が出ているお店は普通じゃないよね。」

風見(かざみ)「この扉、何処かの隠里(かくれざと)に繋がってる。」

誰かが何かの目的で作った空間、又は作り変えた空間の事を隠里と呼び、妖ノ郷も隠里の一種である。

志乃(しの)「つまりこの扉は罠だという事だろ。」

風見(かざみ)「そうだよ。誰が何の為に仕掛けているかは分からないけど。」

真琴(まこと)「もしもこの中に陽葵(ひまり)が入っていたら。」

志乃(しの)「12号。」

志乃(しの)は1匹の管狐(くだぎつね)を呼び出す。

志乃(しの)「こいつは私限定で索敵能力が高い。」

そう言って樹霧之介(きりのすけ)に渡す。

樹霧之介(きりのすけ)浜名瀬(はまなせ)さん限定ですか?」

志乃(しの)「そう、私を探し出す能力だけなら他の管狐(くだぎつね)達より高い。だからそいつを預けておく。」

樹霧之介(きりのすけ)「それって。」

置いていかれそうな事を察知して12号はキューキュー鳴き出す。

樹霧之介(きりのすけ)「離れるの嫌がってますが?」

志乃(しの)「そいつの事を頼む。」

そう言って志乃(しの)はコンビニの中へ入って行く。

するとコンビニの外観が見慣れた外観へと変わり隠里への入り口も消える。

樹霧之介(きりのすけ)達は急いで追いかけたが志乃(しの)の姿は無く、誰もいないのに自動ドアが開くという現象で店員を驚かせただけだった。

真琴(まこと)「私達は足手纏いだって思われたのかな?」

樹霧之介(きりのすけ)「それなら大切な式神を預けたりはしません。」

茂蔵(もぞう)「なら何でおいら達を置いてったのさ。」

樹霧之介(きりのすけ)「確実に人質か黒幕の場所へ行く為じゃないですか?」

(しずく)「だけど隠里は別空間よ。私達はどうやって行けばいいの?」

樹霧之介(きりのすけ)「別空間に入る為にはその空間を把握しているものが繋げた場所か、元々ある歪みから入る必要があります。」

茂蔵(もぞう)「ならどうするんだ?」

樹霧之介(きりのすけ)「歪みを見つけるか、浜名瀬(はまなせ)さんが空間を把握して繋げてくれるか、どちらにしてもこの管狐(くだぎつね)が見つけてくれるはずです。」

茂蔵(もぞう)「だけどこいつピクリともしないぜ。」

12号は置いていかれた事にショックを受けている様で項垂れている。

真琴(まこと)「そうだ。茂蔵(もぞう)陽葵(ひまり)がここに来ていたら陽葵(ひまり)の両親が心配するかもしれない。」

茂蔵(もぞう)「俺が陽葵(ひまり)に化けて代役すればいいのか?」

真琴(まこと)「そう、お願い。」

茂蔵(もぞう)「頼まれた。」

そして茂蔵(もぞう)陽葵(ひまり)に化けて家へと向かう。

一方、志乃(しの)は扉に入ると普通のコンビニの内装がされている場所に出た。

レジには1人の店員がいて静かに立っている。

志乃(しの)は広告のエナジードリンクを一本レジに持って行くと店員が受け取りレジに通します。

店員「お客さん、高校生かい?」

志乃(しの)「はい。何か問題が?」

店員「いや、問題は無いよ。勉強とか頑張っているのかなと思ってね。」

志乃(しの)「そうですね。中学とは違って難しくなったから追いつくのが大変ですよ。」

店員「そう、頑張っているんだ。そんな君にもう一本サービスするよ。」

そう言って店員はレジの横にも置いてあるエナジードリンクを志乃(しの)に手渡す。

志乃(しの)「ありがとう。それで聞きたい事が、、」

そう言いかけるともらったエナジードリンクは急に蛇に変わり、持っていた手を噛まれる。

手にはくっきりと歯型が残り、視界がぼやけていく。

体の力が抜けてその場に座り込んでしまう。

すると裏からもう1人店員が出て来て元からいた店員と共に志乃(しの)をどこかへ運ぶ。

担がれる時首裏が見え、そこには小さな蛇が噛み付いていた。

しばらくすると目的地に着いたのか降ろされ、声が聞こえる。

???「今回の奴は霊力が高そうだな。これで封印が解けそうだ。」

そんなだみ声が聞こえてくる。

しばらくすると痺れはあるが周りが見える様になってきて、自分の他に2人いる事に気がつく。

1人は陽葵(ひまり)ともう1人は知らないが、同い年位の女性でどちらも意識は無く、床に転がっている。

薄暗いが周りを見渡すと、土が掘られた地下の様な所にある木製の檻に入れられていた。

少し離れた所に松明の灯りがついているのが見えて、その方向から話し声が聞こえている。

しばらくすると2人分の足音と何かを引きずる様な音が近づいてきた。

志乃(しの)は意識の無いふりをして床に寝ていると音は檻の前で止まる。

???「本当、最近の人間は霊力を持っていても使えない奴が殆どだからな、わしが有効に使ってやるんだ。感謝しな。」

本当にこいつはベラベラと喋る。

聞く相手は自分で操っている人間の2人しかいないのに。

だがそのおかげで大体の目的と正体がわかった。

後はこの空間を把握して人間界と繋げるだけだ。

奴の正体は夜刀神(やとのかみ)、蛇の姿をした妖怪で執念深く、昔人間に封印された力を解放しようとしているらしい。

その封印は人の持つ霊力でしか解けないので霊力の多い人間を誘拐していたのだろう。

夜刀神(やとのかみ)「眷属が倒された時は焦ったがこれで封印を解く事ができる。さぁ、霊力が強い奴を持って来い。」

夜刀神(やとのかみ)は2人に命令すると先にどこかへ行ってしまった。

志乃(しの)「9号。」

志乃(しの)はスカートに隠していた竹筒から管狐(くだぎつね)を呼び出し、短剣を受け取ると近づいてきた人の首に噛み付いている蛇を斬る。

すると2人はバタバタと倒れて気を失った。

志乃(しの)はとある準備をすると檻から出て夜刀神(やとのかみ)を追う。

夜刀神(やとのかみ)「遅い。何をしている。」

痺れをきたした夜刀神(やとのかみ)が檻の方に戻ってくる。

そこを奇襲するが鱗は硬く短剣が通らない。

夜刀神(やとのかみ)「お前、起きていたのか。」

そう言って睨みつけられると体が痺れて動きが鈍くなる。

志乃(しの)「蛇にらみか。」

まだ動けるがこの狭い通路では不利になる。

志乃(しの)は檻とは反対の方向へ走る。

夜刀神(やとのかみ)は狭い通路でUターンするのに手こずり、少し遅れて志乃(しの)を追う。

走って行くと広い場所へ出る。

そこは丸く大きな広場というよりは大穴の底のような場所で、上を見れば空と森が見えるが壁は高く上れそうにはない。

隅には小さな祠のようなものがあり、札が貼ってある。

ここなら戦えると思い8号を呼んで変化を解いた後すぐに戻して3号と10号を呼び、夜刀神(やとのかみ)を待ち受ける。

夜刀神(やとのかみ)「お前、陰陽師か。私の計画を邪魔する憎いやつ!」

そう襲い掛かって来たので10号の風で動かない体を補助しながら躱して3号に攻撃の指示をする。

3号は炎を放ち攻撃して、それに怯んだ隙に短剣での攻撃を試みる。

鱗の無い場所への攻撃なら少しは効くだろうと目に向かって短剣を突き立てようとするが死角から人が飛び出してきた。

その人に短剣が当たらないようにしようとして体制を崩してしまい、そこを夜刀神(やとのかみ)は見逃さずに尻尾で振り払ってくる。

それにあたって飛ばされてしまい、短剣も遠くへ飛ばされてしまう。

飛ばされ態勢が崩され、痺れた体のせいで起き上がれずにいると飛び出してきた人が近づいてくる。

志乃(しの)「まだいたのか。」

飛び出してきた人はさっき解放した2人とは違う3人目の操られた人だったのだ。

夜刀神(やとのかみ)「陰陽師、丁度いいお前なら確実に封印を解けるだろう?」

そう言うと操られている人は志乃(しの)の腕を掴み無理矢理立たせて祠の前に連れていこうとする。

志乃(しの)「3号!10号!」

すると3号の炎を10号の風が威力とスピードを上げて夜刀神(やとのかみ)に当てる。

それは少し効いたみたいで鱗が少し焦げる。

夜刀神(やとのかみ)は振り向き、管狐(くだぎつね)の方を向いた隙に呪滅符(じゅめつふ)を取り出して操られている人にかみついている蛇に張り付けると蛇は消え、その人は力なく倒れる。

それに気づいた夜刀神(やとのかみ)志乃(しの)の方に対象を変えて向かってくるが真っすぐな攻撃は当たらずそれを横に避けた志乃(しの)霊縛符(れいばくふ)夜刀神(やとのかみ)に数枚張り付けると発動させて動きを封じる。

夜刀神(やとのかみ)は無理矢理体を動かし霊縛符(れいばくふ)を振り払う。

夜刀神(やとのかみ)「こんなもの効かん。」

志乃(しの)はその間に何とか体制を立て直したがそこに何かが勢いよく突っ込んでくる。

それには何とか耐えて突っ込んできたものを確かめるとそれは樹霧之介(きりのすけ)に預けた12号だった。

その後に樹霧之介(きりのすけ)達と陽葵(ひまり)が続いて来る。

夜刀神(やとのかみ)と戦う前に志乃(しの)は気絶している陽葵(ひまり)を起こしてから4号の薬を飲ませて毒を抜き、頼みごとをしていた。

出入り口をつなげるために空間を把握するのには時間がかかるので陽葵(ひまり)に任せていた。

数日だけだが訓練をしていた陽葵(ひまり)志乃(しの)にもらった霊門符(れいもんふ)を使い、人間界との壁が薄くなっているところを探知し、そこに霊門符(れいもんふ)を貼り、空間を繋げることに成功したのだ。

そこを12号が探知し、樹霧之介(きりのすけ)達を連れてきたというわけだ。

夜刀神(やとのかみ)「お前ら、私の時間をかけて育てた眷属を倒した奴か。」

夜刀神(やとのかみ)の言う眷属とは蟒蛇(うわばみ)の事だろう、樹霧之介(きりのすけ)達を見た夜刀神(やとのかみ)が標的を変える。

突っ込む夜刀神(やとのかみ)樹霧之介(きりのすけ)が地面から植物を生やして止める。

志乃(しの)「あそこの人を連れて戦えない奴は外に出てくれ。」

真琴(まこと)「私が回収する。」

真琴(まこと)は紙を使って倒れている操られていた人を乗せて運ぶ。

樹霧之介(きりのすけ)真琴(まこと)風見(かざみ)と一緒にその人達と外に出てくれ。」

真琴(まこと)「わかった。」

風見(かざみ)「無理すんなよ。」

真琴(まこと)達が戻ろうとするが陽葵(ひまり)は動かない。

真琴(まこと)陽葵(ひまり)も行くよ。」

陽葵(ひまり)「え、でも。」

志乃(しの)陽葵(ひまり)!」

陽葵(ひまり)「はい。」

志乃(しの)「空間を繋げてくれて助かった。外で会おう。」

陽葵(ひまり)「わ、分かった。」

志乃(しの)に認めてもらえたことが嬉しかったのか陽葵(ひまり)は素直に真琴(まこと)の指示に従って他の人達と外に出る。

離れたことを確認して夜刀神(やとのかみ)の方に向き直る。

志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)。あいつをそこの祠にぶつけることはできるか?」

樹霧之介(きりのすけ)「やってみます。」

そう言って夜刀神(やとのかみ)の動きを縛っていた植物を引っ込めて木の根を生やし攻撃するがかわされる。

志乃(しの)(ほむら)、当てなくてもいい。炎の壁か柱であいつが動ける範囲を限定することはできるか?」

(ほむら)「やってみる。」

(ほむら)は炎の柱を地面から何本か出して夜刀神(やとのかみ)の行先を塞ぐ。

炎の勢いは強く夜刀神(やとのかみ)も近づけないようだ。

だが柱の間隔は空いていてその隙間から出ようとしている。

志乃(しの)「もう少し高さを下げて横に広げて。」

(ほむら)「わかった。」

(ほむら)が指示通り炎を動かすと隙間は閉じて夜刀神(やとのかみ)は出れなくなり動ける範囲が狭くなった。

そこをすかさず樹霧之介(きりのすけ)が生やした木の根で掴み、祠へと投げつける。

すると電撃みたいなものが発生し、夜刀神(やとのかみ)にダメージを与える。

それで夜刀神(やとのかみ)は動く体力もなくなりその場に倒れこむ。

樹霧之介(きりのすけ)「え?何が起きたんですか?」

志乃(しの)「封印を簡単に解かせないために触れば痛手を受けるように細工してあるのは普通の事だろう?わかっていて指示に従っていると思っていたんだが。」

樹霧之介(きりのすけ)「あ、いえあの祠を壊すためかと思っていました。」

志乃(しの)「それなら普通に壊すように言うよ。」

夜刀神(やとのかみ)「お前、破魔凪(はまなぎ)の関係者か?」

樹霧之介(きりのすけ)「何のことですか?」

志乃(しの)「耳を貸さなくていい。」

そう言って志乃(しの)が弱った夜刀神(やとのかみ)呪滅符(じゅめつふ)を貼ると煙となり消え、祠も自壊する。

この空間を作ったものが消えたので不安定になり崩れだす。

(しずく)「早く外に出ましょう。」

(しずく)は出口を指して誘導する。

10号が志乃(しの)の落とした短剣を持って戻ってくる。

志乃(しの)は10号を短剣ごと竹筒に戻し、再会後ずっと体に張り付いている12号も戻そうとするが動きそうにないのでそのまま脱出する。

最後に志乃(しの)が出ると繋がっていた所が閉じる。

外はすでに朝になっていた。

帰って来た志乃(しの)を見て陽葵(ひまり)が抱きついてきた。

元々付いていた12号がつぶれそうになる。

陽葵(ひまり)「怪我してないよね。無理してないよね。私のせいだよね。ごめんね。」

泣きじゃくる陽葵(ひまり)をなだめながら状況を確認する。

志乃(しの)「捕まっていた人達は?」

真琴(まこと)「全員コンビニに入ってからの記憶が無かったから目が覚めたら疑問に思いながらも帰って行ったわ。」

志乃(しの)「無事なようで良かったよ。」

(ほむら)「なあ、お前。」

(しずく)「お前じゃなく浜名瀬(はまなせ)志乃(しの)さんでしょ。」

(ほむら)「う、なあ志乃(しの)。」

志乃(しの)「何?」

(ほむら)「俺、炎の扱いが苦手なんだが、おま、志乃(しの)の指示通りにしたら上手く扱えたんだ。コツとかあるのか?」

志乃(しの)「そうだね。こういうのはイメージが大事だからな。」

(ほむら)「そういうのを教えてくれないか?」

陽葵(ひまり)「待って。浜名瀬(はまなせ)さんに教えてもらうのは私が先だよ。」

(ほむら)「それは志乃(しの)が決める事だろ。」

志乃(しの)「それはまた考えるよ。それより陽葵(ひまり)は朝帰りとか大丈夫なのか?」

陽葵(ひまり)「それはまこ姉が上手いことしてくれたよ。」

真琴(まこと)「はい。陽葵(ひまり)の家には茂蔵(もぞう)が行っています。」

志乃(しの)「なるほど狸だから変化が得意なんだな。」

陽葵(ひまり)「そう。それよりも体大丈夫なんだよね。」

志乃(しの)「大丈夫。夜刀神(やとのかみ)が消えたことで受けた呪術の効果は無くなっているんだ。」

陽葵(ひまり)「ねえ、今日学校休みだから遊びに行かない?」

志乃(しの)「やめとく。疲れているから休みたい。それより茂蔵(もぞう)を迎えに行くぞ。」

陽葵(ひまり)「そうだよね。」

この後陽葵(ひまり)は帰り、樹霧之介(きりのすけ)達は茂蔵(もぞう)と合流して妖ノ郷へ帰る。

志乃(しの)は帰るふりをして妖ノ郷に行き、樹霧之介(きりのすけ)の家に行くと樹霧之介(きりのすけ)が迎えてくれる。

樹霧之介(きりのすけ)「いらっしゃい。その管狐(くだぎつね)まだ付いているんですね。」

志乃(しの)「ああ、自分から離れるまでこのままでいるよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「今回の事を話すなら他の仲間も呼びますか?」

志乃(しの)「今回はいいよ黒丸(くろまる)だけ呼んでくれるか?」

志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)黒根(くろね)と共にちゃぶ台を囲んで今回の話をする。

黒根(くろね)「そうか、あの時の夜刀神(やとのかみ)は改心していなかったか。」

志乃(しの)「仕方ないから消したよ。静かにしていたのは時間が経てば私達がいなくなると思っていたんだろうね。」

樹霧之介(きりのすけ)「お話し中すみません。夜刀神(やとのかみ)から破魔凪(はまなぎ)という名前が出たのですが知り合いですか?」

黒根(くろね)「ああ、懐かしい名前が出たな。なあ、浜名瀬(はまなせ)。」

そう言って黒根(くろね)志乃(しの)の方を見る。

樹霧之介(きりのすけ)「え?はまなせ、はまなぎ、、まさか?」

志乃(しの)「それは黒歴史だ。」

黒根(くろね)「この話題が出そうだったから真琴(まこと)達を呼ばなかったんじゃろ?」

志乃(しの)「そうだよ。夜刀神(やとのかみ)め、最後に嫌なことを思い出させやがって。」

黒根(くろね)「まあ、いい機会じゃ。例の事件の事も聞きたいし、昔の事を語らんか?」

樹霧之介(きりのすけ)「僕も母の事を聞いてみたいです。」

志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)とは約束もしていたからな。仕方ない。」

そして志乃(しの)は語りだした。

浜名瀬(はまなせ)になる前の破魔凪(はまなぎ)と呼ばれる前からの話を。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

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