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62話

この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。

オリジナルの妖怪が登場することもあります。

素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。

2日の朝に志乃(しの)が住んでいるアパートの部屋のチャイムが鳴ったので志乃(しの)が出るとハラミを連れた陽葵(ひまり)が立っていた。

ハラミは妖視帯(ようしたい)を外していて普通の人には見えないようになっている。

志乃(しの)は知り合いに会う可能性を考えて高校生の姿で陽葵(ひまり)と初売りへと出かけた。

志乃(しの)「ハラミも行くのか。」

ハラミ「なんか面白そうじゃん。」

行く場所は陽葵(ひまり)が決めていて駅直結の大型商業施設だそうだ。

なので少し乗り継いで電車で向かい、駅から出ると大勢の人が建物に出入りするのが見える。

陽葵(ひまり)「あそこだよ。」

志乃(しの)「何の店なんだ?」

陽葵(ひまり)「色んなお店があるんだ。まずは見て回ろう。」

志乃(しの)陽葵(ひまり)も中に入ると吹き抜けの中央に大きな門松や紅白の垂れ幕などが飾られていて賑わっている。

陽葵(ひまり)「はぐれそうだね。」

そう言って差し出された手を志乃(しの)は握って色んなお店を回る。

志乃(しの)にとっては物珍しい物が多く、目を奪われていると陽葵(ひまり)は進んでそのお店に入って色々見せてくる。

途中飲み物やクレープなどを買って食べたりしていると陽葵(ひまり)がトイレへ行きたいと言い出し、志乃(しの)はハラミとトイレの前で待つことになった。

志乃(しの)が待っていると子供の泣き声が聞こえてそっちを見ると風船を飛ばしてしまい高い天井に付いているのが見える。

係の人も新しい風船を渡そうとするが何かあの風船にこだわりがあるらしく泣き止まない。

志乃(しの)は2号で見えないようにしている竹筒から10号を出して風を起こして風船をその子供の元に運ぶと周りの人は不思議そうな顔をしていたが子供だけは喜んでいる。

志乃(しの)は上の方からその様子を見ていると後ろから飛びつかれそうになったのでそれを避けるとその飛び付いてきたものはそこから落ちそうになる。

野々香(ののか)「避けないでよ。危ないな。」

志乃(しの)「飛びついて来る方が危ない。」

野々香(ののか)「あれ?その子志乃(しの)の新しい式神?」

野々香(ののか)志乃(しの)の頭に乗っているハラミを指差す。

ハラミ「何だ?烏ごときが俺を指差すな。」

野々香(ののか)「地面這いまわるしか能のない奴に言われたくない。」

志乃(しの)「そう言えば猫は烏と仲が悪かったな。」

野々香(ののか)「そうだよ志乃(しの)は何でこんな奴式神にしたの?」

志乃(しの)「こいつは陽葵(ひまり)の式神だ。」

野々香(ののか)「え。陽葵(ひまり)の?良かったの?」

志乃(しの)「あいつも妖怪の事が分かってきていたからな。」

野々香(ののか)「まあ、志乃(しの)が良いって言うなら良いか。それにしても志乃(しの)もこういう所に来るんだね。」

志乃(しの)「私は陽葵(ひまり)の付き添いだ。お前こそ受験だろ。こんな所で遊んでいていいのか?」

野々香(ののか)「私も母上の付き添いだよ。母上が見る場所あまり興味ないからつまんないなって思ってたら不自然な風が吹いて、そっちの方を見たら管狐(くだぎつね)がいたから走って来ちゃった。」

志乃(しの)「なら篁音(たかね)も来ているのか。」

野々香(ののか)「そうだけど折角なら一緒に回ろうよ。」

その時トイレから戻って来た陽葵(ひまり)も合流する。

陽葵(ひまり)「あ、野々香(ののか)だ。どうしたの?」

野々香(ののか)「やっほ、陽葵(ひまり)。母上に付き合わされたんだ。つまんないからこっち来ちゃった。」

陽葵(ひまり)「え、あの人来てるの?」

野々香(ののか)「そう言えば陽葵(ひまり)、母上苦手だっけ?」

篁音(たかね)「あら、志乃(しの)さんだけじゃなく陽葵(ひまり)さんもいたんですね。」

陽葵(ひまり)「ひっ。」

篁音(たかね)の声を聞いて陽葵(ひまり)志乃(しの)の後ろに隠れる。

篁音(たかね)「最後にはそこそこ慣れてくれたと思っていたんですがまた怖がられてしまいました。」

陽葵(ひまり)「こ、こんにちは。」

篁音(たかね)の少し残念そうな言い方に罪悪感を覚え、陽葵(ひまり)志乃(しの)の後ろから挨拶をする。

篁音(たかね)「はい、こんにちは。それにしても志乃(しの)さんこういう場所には興味ないと思っていたんですが来ていたんですね。」

志乃(しの)陽葵(ひまり)に連れてこられたんだ。お前こそ何で来たんだ?」

篁音(たかね)「私は数量限定の福袋を買いに来たんです。1人1つなので野々香(ののか)も連れて来たんですがあなた達も一緒に並んでくれませんか?後でお礼はしますから。」

志乃(しの)「部下は使わないのか?」

篁音(たかね)「転売ヤーじゃないんです。他にも買いたい人はいるんですからそんな事しませんよ。」

志乃(しの)「それならせめて玄羽(くろは)だけでも連れてくればよかったんじゃないのか?」

篁音(たかね)「あの子は察しが良くて逃げられました。」

志乃(しの)「そうか。」

野々香(ののか)「そうだよ。お兄ちゃん妹置いて逃げるなんてひどいよ。」

篁音(たかね)「後10分で整理券が配られます。行きましょう。」

篁音(たかね)野々香(ののか)の腕を掴んで行こうとする。

野々香(ののか)「えー。志乃(しの)陽葵(ひまり)も一緒じゃなきゃヤダ。」

篁音(たかね)「、、志乃(しの)さん、陽葵(ひまり)さんも来てくれますよね?」

篁音(たかね)の圧に負けて志乃(しの)陽葵(ひまり)も福袋の整理券を貰いに行き、最終的に無事に4つの福袋をゲットできたので篁音(たかね)はそのお礼にお昼を奢るために全員で少しお高めのレストランに入る。

篁音(たかね)「何でも好きな物頼んでも良いですよ。」

ハラミ「烏からの施しは受けない。」

野々香(ののか)「別にあんたは何もしてないでしょ。」

陽葵(ひまり)「いつもはあんなに食べ物に貪欲なのにどうしたの?」

志乃(しの)「元野良猫だからな。烏と何かあったんだろ。」

陽葵(ひまり)「猫って烏と敵対するの?」

篁音(たかね)「そうですね。野良だと餌場の取り合いがありますし、烏は子猫や弱った猫を狙う事もあります。」

志乃(しの)「だが今はそんな事ないだろ。」

ハラミ「子猫の時烏に襲われたんだ。母さんが来てくれなかったら死んでたかもしれないんだぞ。」

陽葵(ひまり)「だけど野々香(ののか)達は関係ないでしょ。」

ハラミ「そうだけど本能が拒否するんだよ。」

志乃(しの)「仕方ない。私は食べなくてもいいからハラミと外で待っている。」

野々香(ののか)「駄目だよ。これは志乃(しの)陽葵(ひまり)へのお礼なんだから。外行くならその猫又だけが出てってよ。」

志乃(しの)「人が多いんだから踏まれるかもしれないだろ。」

篁音(たかね)「そうなると志乃(しの)さんへのお礼はどうしましょうか。」

志乃(しの)「なら篁音(たかね)に聞きたいことがあるんだが良いか?」

篁音(たかね)「分かりました。2人でですか?」

志乃(しの)「いや、1つだけ聞きたいことがあるだけだ。」

篁音(たかね)「今聞いてもいいやつですか?」

志乃(しの)「ああ。きよのという多分名前なんだが聞き覚えは無いか?」

篁音(たかね)「きよのですか、私は知りませんね。」

志乃(しの)「そうかならいい。」

篁音(たかね)「なぜ私が知っていると思ったのですか?その名前を知った経緯を知ればもう少し何か分かるかもしれないですよ。」

志乃(しの)「いや、いい。そこまでの物じゃないから。」

篁音(たかね)「そうですか。」

それだけ聞くと志乃(しの)はハラミを連れてレストランを出て行ってしまった。

陽葵(ひまり)「あ。浜名瀬(はまなせ)さん出て行ったら私、、」

篁音(たかね)「どうしました?」

陽葵(ひまり)「何でもないです。」

それから食事を終えた陽葵(ひまり)達が志乃(しの)とハラミを探しているとペットショップの目立たない場所にいるところを見つける。

陽葵(ひまり)「あ、いた。」

志乃(しの)「ああ、どうだった?」

陽葵(ひまり)「緊張で味しなかったよ。」

篁音(たかね)「そうだったんですか?」

陽葵(ひまり)「あ、いえ。美味しかったです。」

志乃(しの)「そんな事しているから子供から嫌われるんだろ。」

篁音(たかね)「すみません。可愛い物を見るとついいじめたくなるんです。」

野々香(ののか)「それで志乃(しの)は何してたの?」

志乃(しの)「歩いていたらハラミがおやつが欲しいと言い出して見てたら管狐(くだぎつね)達も興味持ったみたいで少し買ってみてたんだ。」

ハラミは猫用の液状おやつを念力で器用に中身を出しながら舐めていて、竹筒から出ている数匹の管狐(くだぎつね)達は犬用のおやつの入った袋に興味津々だ。

陽葵(ひまり)「ちょっとハラミ。また浜名瀬(はまなせ)さんに奢ってもらったの?」

ハラミ「お前から貰っているおやつについて少し話しただけだ。」

陽葵(ひまり)「お礼は言ったの?」

ハラミ「言ったもん。」

志乃(しの)「1人で見ていてもつまらなかったからな。管狐(くだぎつね)達も喜んでいるからいいだろ。」

ハラミ「ほら本人が良いって言ってるんだからいいだろ。」

志乃(しの)「だが運動するという約束は守ってもらうぞ。」

ハラミ「う。」

陽葵(ひまり)「そんな約束してたんだ。なら明日のランニング一緒に走ろっか。」

ハラミ「こんな寒い中、運動のためだけに外出るのか?」

陽葵(ひまり)「外でなきゃ運動できないでしょ。それに走れば暖かくなるよ。」

ハラミ「えー。」

野々香(ののか)「ねえ、これからもう少し回らない?私、母上の付き合いで見たい所見れなかったの。」

陽葵(ひまり)「いいね。」

志乃(しの)「私はそろそろ帰りたい。」

篁音(たかね)「目的は達成しましたので私も帰りましょうか。」

野々香(ののか)「母上はいいけど志乃(しの)も帰るの?」

陽葵(ひまり)「そうだよ。浜名瀬(はまなせ)さん今日は付き合ってくれるって言ったじゃん。」

志乃(しの)「時間は指定されてない。」

陽葵(ひまり)「そうだけど最後まで付き合ってくれてもいいじゃん。」

志乃(しの)「他に何するんだ?」

野々香(ののか)「ならゲーセン行かない?」

陽葵(ひまり)「いいね。今度こそぬいぐるみ取りたい。」

野々香(ののか)「クレーンゲームもいいけど音ゲーもいいよ。私志乃(しの)とやってみたい。点数競おうよ。」

陽葵(ひまり)「それならまず私とやって点数高い方が浜名瀬(はまなせ)さんとするっていうのは?」

野々香(ののか)「いいよ。やろう。」

志乃(しの)「おい、勝手に進めるな。」

そう言いながらも志乃(しの)陽葵(ひまり)野々香(ののか)に連れられてゲームセンターの音ゲーコーナーへ行く。

そこに篁音(たかね)も付いてきたがすぐに1人でどこかに行ってしまった。

野々香(ののか)「負けないよ。」

陽葵(ひまり)「私だって。」

陽葵(ひまり)野々香(ののか)は同じ曲を入れて同時に始め、それを志乃(しの)はハラミと後ろで見ている。

しばらくすると野々香(ののか)が勝ったみたいで小さくガッツポーズし、その横で陽葵(ひまり)が落ち込んでいる。

野々香(ののか)「ほら約束だよ。志乃(しの)と代わって。」

陽葵(ひまり)「うう、浜名瀬(はまなせ)さん。私の仇を取ってください。」

志乃(しの)「後ろから見ていて大体分かったが私は初めてなんだぞ。」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんならいけるって。」

野々香(ののか)「なら一番難しいのにしよう。」

野々香(ののか)志乃(しの)がプレイする台の設定を操作する。

野々香(ののか)「ここ押したら始まるからせーので押して始めよう。」

志乃(しの)「分かった。」

志乃(しの)野々香(ののか)がプレイを始めてしばらくすると陽葵(ひまり)はクレーンゲームの方で野次馬が集まっている事に気が付きよくみてみるとその中心には篁音(たかね)がいて取った戦利品を足元に積み上げていた。

陽葵(ひまり)はそっちに気を取られていたが野々香(ののか)の声で志乃(しの)野々香(ののか)の勝負に目を向ける。

野々香(ののか)「負けたー。志乃(しの)本当に初めてなの?」

その言葉に陽葵(ひまり)志乃(しの)の台を見てみるとそこには「FULL COMBO!」の文字が出ている。

野々香(ののか)「私だってフルコンプしたことないのに。」

志乃(しの)「このくらいできないとすぐに怪我するぞ。」

野々香(ののか)「うう。志乃(しの)の反射神経に勝てる人なんていないよ。」

野々香(ののか)が落ち込んでいると両手に袋を持った篁音(たかね)が店員を連れて戻ってくる。

篁音(たかね)「あら、流石志乃(しの)さんですね。」

志乃(しの)「そっちはどうだったんだ?」

篁音(たかね)「全勝です。」

野々香(ののか)「またですか母上。今回も出禁にされますよ。」

篁音(たかね)「もうされました。子供達がまだ遊んでいるので迎えに行っても良いですかと聞いてここに来たんです。」

野々香(ののか)「それで店員さんもいるんですね。」

篁音(たかね)「店員さんの時間をこれ以上奪うわけにもいかないので切りが良いのであれば帰りましょうか。ほら、野々香(ののか)も持ってください。」

野々香(ののか)「荷物持ちですか?」

陽葵(ひまり)「あ。これ私が欲しかった奴。」

篁音(たかね)「あら。欲しい物があれば持って行っても良いですよ。」

陽葵(ひまり)「いいの?」

篁音(たかね)「はい。荷物も減りますし。あなたの恐怖心が少しでも無くなるなら。」

陽葵(ひまり)「あ。」

それから志乃(しの)達は4人で大荷物を抱えながら電車に乗って帰った。

人気のない場所に着くと荷物は部下の烏天狗がまたかという顔をして持ち帰る。

陽葵(ひまり)「今日は、ありがとうございました。」

陽葵(ひまり)篁音(たかね)から貰ったぬいぐるみを抱えながらお礼を言う。

篁音(たかね)「いいえ。これからも野々香(ののか)と仲良くしてやってくださいね。」

陽葵(ひまり)「はい。」

志乃(しの)「丸く収まったな。それじゃ私はこっちだから。」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さん途中まで一緒に行こう。」

志乃(しの)「途中までだからな。」

陽葵(ひまり)野々香(ののか)野々香(ののか)のお母さん。またね。」

野々香(ののか)「うん。またね。」

篁音(たかね)「機会があれば。」

志乃(しの)達は手を振りながら別れる。

ハラミ「結局あれからあの烏達ずっと一緒だったな。」

陽葵(ひまり)「いいじゃん。ハラミを襲った烏だって生きるためだったんでしょ?」

ハラミ「分かってはいるけど命を狙われた恐怖心は消えねえよ。」

陽葵(ひまり)「そうだよね。ごめん。」

ハラミ「だけど今の俺は烏なんかにやられねえよ。お前が烏どもと仲良くなりたいなら別にいいぞ。」

陽葵(ひまり)「無理しなくても良いんだよ。」

ハラミ「無理してねぇ。」

陽葵(ひまり)「なら今度学校で会ってもいい?」

ハラミ「え、あいつも学校にいるのか?」

陽葵(ひまり)「やっぱりやせ我慢だ。」

ハラミ「違うし、別に会いに行けばいいだろ。」

陽葵(ひまり)「ありがとう。」

ハラミ「ふん。」

陽葵(ひまり)「素直じゃないね。それで浜名瀬(はまなせ)さん。今日どうだった?」

志乃(しの)「いきなりだな。疲れたよ。」

陽葵(ひまり)「えー。楽しくなかった?」

志乃(しの)「、、退屈はしなかった。」

陽葵(ひまり)「楽しかったんでしょ?」

志乃(しの)「そう言ったらまた連れ出されそうだ。」

陽葵(ひまり)「また遊ぼうよ。」

志乃(しの)「機会があればな。」

陽葵(ひまり)「えー。大学受験が無事に済んだらまた遊びたい。」

志乃(しの)「無事に済んだらな。」

陽葵(ひまり)「頑張るもん。」

志乃(しの)「そうか。」

陽葵(ひまり)「信じてないでしょ。」

志乃(しの)「未来は分からないからな。」

陽葵(ひまり)「むー。」

それから志乃(しの)陽葵(ひまり)と別れてそれぞれの家へ帰った。

冬休みも終わりしばらく経った頃、またスキー合宿の話が出てきた。

その日の帰り道志乃(しの)陽葵(ひまり)はその話題を話し合っていた。

陽葵(ひまり)「今年もスキー合宿行こうよ。」

志乃(しの)「、、そうだな。気になる事もあるし行くか。」

陽葵(ひまり)「気になる事ってもしかして雪爺(ゆきじじい)の事?」

志乃(しの)「ああ。」

陽葵(ひまり)「私もまた会いたい。」

志乃(しの)「また心配されるからあの洞窟には行かないぞ。」

陽葵(ひまり)「だけど(ゆき)()達にも会いたいな。」

志乃(しの)「私達が2年連続で行方不明になったら合宿が無くなるだろ。」

陽葵(ひまり)「それもそうか。なら浜名瀬(はまなせ)さんはどうやって雪爺(ゆきじじい)に会うつもりなの?」

志乃(しの)「去年もだけど近くまでは来ていただろ。」

陽葵(ひまり)「だけど結局スキー場では出てこなかったよ。」

志乃(しの)「人も多かったし、ぶつかると危ないからな。雪爺(ゆきじじい)が出ないように言っていたんだろう。」

陽葵(ひまり)「そうか。」

志乃(しの)「だから私達から会いに行けばいい。」

陽葵(ひまり)「コースから外れて大丈夫かな?注意とかされない?」

志乃(しの)「そうだな。念のため化生(けしょう)(めん)を持って行くか。」

陽葵(ひまり)「うん。」

そしてスキー合宿当日。

志乃(しの)陽葵(ひまり)の他にも凛華(りんか)野々香(ののか)も参加していた。

凛華(りんか)浜名瀬(はまなせ)さん。今年も参加したんですね。」

志乃(しの)「ああ。」

凛華(りんか)「今年は中級・上級者コースですか?」

志乃(しの)「ああ。凛華(りんか)もだろ?」

凛華(りんか)「はい。去年浜名瀬(はまなせ)さんのおかげで滑れるようになりましたから。」

志乃(しの)「お前の実力だ。」

野々香(ののか)「あ、志乃(しの)だ。やっぱりいた。」

凛華(りんか)「あ、風牙(ふうが)先輩。」

野々香(ののか)凛華(りんか)も今年は中級・上級者コースでしょ?一緒に行こう。」

凛華(りんか)「あ、はい。」

去年は野々香(ののか)を怖がっていた凛華(りんか)だが滑っているうちに慣れて今では結構仲が良い。

野々香(ののか)陽葵(ひまり)はまだなの?」

志乃(しの)「今年も準備に手間取っている。」

野々香(ののか)「それであの猫又も来ているの?」

志乃(しの)「ハラミは寒いから行きたくないって拒否したらしい。」

野々香(ののか)「猫は寒いの苦手だもんね。」

凛華(りんか)「猫又?」

野々香(ののか)陽葵(ひまり)が式神にしたんだよ。」

凛華(りんか)「式神って浜名瀬(はまなせ)さんの管狐(くだぎつね)みたいな感じですか?」

野々香(ののか)「そうだよ。」

志乃(しの)「たまに昼休みにご飯貰いに来ている猫いるだろ。」

野々香(ののか)「はい。人気で遠くから見た事しかありませんがもしかしてあの子が猫又ですか?」

志乃(しの)「そうだ。」

野々香(ののか)「だけど尻尾は1本でしたし見えてましたよ。」

志乃(しの)「呪具で見えるようにして、尻尾は隠してもらっているんだ。」

野々香(ののか)「へー。」

陽葵(ひまり)「あ。見つけた。浜名瀬(はまなせ)さん何で待ってくれないの?」

志乃(しの)「遅いのが悪い。」

陽葵(ひまり)「少しくらい手伝ってよ。」

志乃(しの)「ほら、さっさと集合場所に行くぞ。」

陽葵(ひまり)「むー。」

午前中のレッスンも終わり、お昼を挟んで自由時間になると志乃(しの)達は中級コースへ移動する。

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さん、雪爺(ゆきじじい)のとこ行くの?」

志乃(しの)「顔を出すだけだけどな。」

凛華(りんか)「どこか行くんですか?」

志乃(しの)「だけどすぐに帰ってくる。」

凛華(りんか)「なら待っています。戻ったら一緒に滑ってください。」

志乃(しの)「分かった。」

野々香(ののか)「もうあっちから来ているみたいだけどそっちの方行くの?」

志乃(しの)「そうだな。上の方だしリフトで登ってから行こうか。」

志乃(しの)達はリフトで上に登ると途中まで滑ってそっちの方へ行こうとしていたら点々と子供の足跡が片方だけ雪の上に付いてそれが志乃(しの)の方に向かって行く。

霊感のある人には女の子が志乃(しの)に向かっているように見えるが、無い人は誰もいないのに足跡だけ付いているように見えている。

雪坊(ゆきんぼ)志乃(しの)のお姉ちゃん。」

志乃(しの)「そっちから来るのか。」

陽葵(ひまり)「その子は?去年いた?」

志乃(しの)「説明する前に移動するぞ。」

志乃(しの)が少し辺りを見渡すと雪爺(ゆきじじい)が手招きしているのを見つけたので凛華(りんか)に軽く説明すると凛華(りんか)はしばらく1人で滑ると言い、志乃(しの)陽葵(ひまり)化生(けしょう)(めん)を被り、野々香(ののか)は妖怪の姿になって雪爺(ゆきじじい)の方へ行き、周りから見えない事を確かめると2人は化生(けしょう)(めん)を外す。

志乃(しの)「久しぶりだな。」

雪爺(ゆきじじい)「おお、すまんのう。雪坊(ゆきんぼ)がお主を見つけて走り出してしまったんじゃ。」

陽葵(ひまり)雪坊(ゆきんぼ)?新しい子だよね。」

志乃(しの)「そうだ。真琴(まこと)が1人でいるところを見つけて雪爺(ゆきじじい)に預かってもらっているんだ。」

陽葵(ひまり)「まこ姉が?」

雪爺(ゆきじじい)「それでこの子がいくらか迷惑かけてな。だが元気になったようで良かったよ。」

志乃(しの)「ああ。氷枕ありがとうな。」

野々香(ののか)「何?志乃(しの)に何かあったの?」

陽葵(ひまり)「もしかしてあの声が出せない時?」

野々香(ののか)「え、もしかして知らないの私だけ?」

志乃(しの)「その話はいいだろ。私は雪坊(ゆきんぼ)の様子を見たかっただけだ。」

雪爺(ゆきじじい)「ならいつでも来てくれ。お主なら歓迎じゃ。」

志乃(しの)「ありがとう。」

雪坊(ゆきんぼ)志乃(しの)のお姉ちゃん。そっちのお姉ちゃん2人は誰?」

陽葵(ひまり)「私は陽葵(ひまり)だよ。」

雪坊(ゆきんぼ)陽葵(ひまり)のお姉ちゃん。」

野々香(ののか)「私は野々香(ののか)。ねえ、志乃(しの)に何があったの?」

雪坊(ゆきんぼ)「えっと、その、、」

志乃(しの)「私が勝手にした事だ。子供に詰め寄るな。」

野々香(ののか)「なら何があったか説明してよ。」

志乃(しの)「終わった事だ。」

雪爺(ゆきじじい)「この子が受けるはずじゃった代償を代わりに受けてくれたんじゃ。熱が出てしまうものじゃったからこの子には重くてな。」

野々香(ののか)「そうだったの。それなら私を呼んでくれれば看病に行ったのに。」

志乃(しの)「お前が来て何するんだ。」

野々香(ののか)「添い寝。」

志乃(しの)(ほむら)と同じこと言うな。」

野々香(ののか)「誰よ、その泥棒猫。」

志乃(しの)「お前のものになった覚えはない。」

陽葵(ひまり)「だけど(ほむら)さん猫にもなるからある意味間違いでもないよ。」

野々香(ののか)陽葵(ひまり)も会ったことあるの?」

志乃(しの)「これ以上騒ぐなら戻れ。」

野々香(ののか)「母上も行ったみたいだし一度私も妖ノ郷(あやかしのさと)に行こうかな。」

陽葵(ひまり)「それなら私が案内するよ。」

志乃(しの)「勝手に行くなって言っただろ。」

陽葵(ひまり)野々香(ののか)と一緒ならいいでしょ。」

志乃(しの)「お前よりは妖怪の知識はあるだろうが妖ノ郷(あやかしのさと)の事を知らないから駄目だ。」

陽葵(ひまり)「えー。」

雪坊(ゆきんぼ)「お姉ちゃん達妖ノ郷(あやかしのさと)に行けないの?」

志乃(しの)「お前を見に来たのにこっちの話ですまないな。」

雪坊(ゆきんぼ)「ううん。志乃(しの)のお姉ちゃん楽しそうで良かった。」

志乃(しの)「楽しそう?」

雪坊(ゆきんぼ)「うん。最初に会った時はなんか悲しそうだった。」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんいっつも同じ顔で感情分かりにくいけど分かるの?」

雪坊(ゆきんぼ)「何となく?だから最初攻撃してきたけどそこまで怖くなかったよ。」

陽葵(ひまり)「え。浜名瀬(はまなせ)さんと戦ったの?」

雪坊(ゆきんぼ)「だけど戦ったのは、、」

志乃(しの)「もういいだろ。顔も見たし私達は戻るよ、あっちに1人置いてきたからな。」

雪爺(ゆきじじい)「そうか。いない時間が増えると心配かけるからの。」

雪坊(ゆきんぼ)「また来てね。」

志乃(しの)は自分と陽葵(ひまり)化生(けしょう)(めん)を着けると黙って雪爺(ゆきじじい)雪坊(ゆきんぼ)に手を振ると陽葵(ひまり)野々香(ののか)の腕を掴んでゲレンデへ戻り、志乃(しの)陽葵(ひまり)化生(けしょう)(めん)を外して野々香(ののか)人化(じんか)(じゅつ)を使う。

待っていた凛華(りんか)と合流した後、スキーを楽しんで次の日も特に何もなく午前中スキーをしてバスで帰った。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

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