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61話

この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。

オリジナルの妖怪が登場することもあります。

素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。

犬神(いぬがみ)の事件からたまに志乃(しの)のアパートの部屋の隣の部屋に陽葵(ひまり)が来るようになった。

志乃(しの)の秘密が隣に住んでいる悠真(ゆうま)にバレたことから話しやすくなったようだ。

大学生活についての話しがほとんどだがたまに妖怪についてやハラミも連れてきて話す事もある。

冬休みに入ってまた陽葵(ひまり)が隣の部屋にやって来て悠真(ゆうま)と話をしている。

しばらくすると部屋から出てきて志乃(しの)の部屋のチャイムが鳴り、志乃(しの)が渋々出てみると陽葵(ひまり)悠真(ゆうま)が扉の前に立っていた。

志乃(しの)「何だ?」

陽葵(ひまり)「明日、悠真(ゆうま)先輩の部屋でクリスマスパーティーする事になったの。浜名瀬(はまなせ)さんも来て。」

志乃(しの)「断る。」

陽葵(ひまり)「隣でするんだから来てくれてもいいじゃん。」

志乃(しの)「ならしばらくは隠里(かくれざと)にでも避難しておくか。」

陽葵(ひまり)「避難ってなにさ。」

悠真(ゆうま)「明日は陽介(ようすけ)も来るんだ。良かったら会ってくれないか?」

志乃(しの)「その他には誰か来るのか?」

悠真(ゆうま)「今のところはいない。準備は全てこちらでするけどプレゼント交換はするからそれだけ用意してほしい。」

志乃(しの)「いや、行かないぞ。」

陽葵(ひまり)「来年になったら私達3年生じゃん。遊べるのは今年しかないんだから少しくらいいいでしょ。」

志乃(しの)「、、分かったよ。」

陽葵(ひまり)「やったー。」

悠真(ゆうま)「そう言えば浜名瀬(はまなせ)さんは高校を卒業したらどうするんだ?高校には今の知識を学ぶために入ったとは聞いたけど大学でも何か学ぶのか?」

志乃(しの)「まだ考えてはいない。」

陽葵(ひまり)「それなら私と一緒の大学行こうよ。」

志乃(しの)「お前が大学に入学できるのか?」

陽葵(ひまり)「それってどういう事?私だって勉強頑張ればそのくらいできるよ。」

志乃(しの)「まあ、頑張れ。」

陽葵(ひまり)「見ていてよ。私だってできるっていうところ見せてやるんだから。」

志乃(しの)「はいはい。」

陽葵(ひまり)「それで今から明日のプレゼント買おうと思っているんだけど浜名瀬(はまなせ)さんも来る?」

志乃(しの)「作ろうと思っていたが買った方が良いならそうする。」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんの手作り欲しいけど浜名瀬(はまなせ)さんと買い物にも行きたい。」

悠真(ゆうま)「プレゼント交換はランダムだよ。」

陽葵(ひまり)「それでも貰える可能性はあるよ。」

志乃(しの)「私は作る事にする。買い物はお前らだけで行ってくれ。」

そう言って志乃(しの)は扉と鍵を閉めた。

陽葵(ひまり)「あ。えっと、一緒にプレゼント買いに行きますか?」

悠真(ゆうま)「僕は明日、ケーキとかも取に行きたいからその時に買うよ。」

陽葵(ひまり)「そうなんですね。」

その日、陽葵(ひまり)は父親にショッピングモールに連れて行ってもらい買い物をした。

次の日、お昼過ぎに悠真(ゆうま)の部屋に集まってクリスマスパーティーが始まる。

特に飾りは無く、テーブルにはジュースや軽食やお菓子が並んでいるだけだった。

悠真(ゆうま)「メリークリスマス!」

全員集まるとサンタ姿の悠真(ゆうま)が掛け声をかける。

陽介(ようすけ)「クリスマス要素お前のサンタしかないじゃないか。」

悠真(ゆうま)「後でケーキもあるから。」

志乃(しの)「それで何するんだ?」

悠真(ゆうま)「まずは初対面の人もいるから自己紹介からしようか。」

陽介(ようすけ)「なら俺から。俺は野中(なかの) 陽介(ようすけ)清澄大学(せいちょうだいがく)に通っている。悠真(ゆうま)と同じ映像サークルで活動中の1年だ。」

悠真(ゆうま)「皆分かっているかもしれないけど僕は三枝(さえぐさ) 悠真(ゆうま)。同じく清澄大学(せいちょうだいがく)の1年です。」

陽介(ようすけ)「次は誰がする?」

陽葵(ひまり)「なら私から私は桜庭(さくらば) 陽葵(ひまり)翠嶺高校(すいれいこうこう)の2年生です。部活は帰宅部です。」

志乃(しの)「私は浜名瀬(はまなせ) 志乃(しの)。以下同文だ。」

陽葵(ひまり)「省略しないでよ。」

志乃(しの)「同じことを言っても面白くないだろ。」

陽葵(ひまり)「自己紹介に面白さなんていらないよ。」

陽介(ようすけ)「う。」

陽葵(ひまり)「どうしたの?」

悠真(ゆうま)「気にしないでくれ。大学の自己紹介でやらかしただけだ。」

陽葵(ひまり)「あ、ああ。」

陽介(ようすけ)「それで浜名瀬(はまなせ)さんだっけ?犬神(いぬがみ)を祓ってくれてありがとう。」

志乃(しの)「次は無いと思っておけ。」

陽介(ようすけ)「気を付けるけどそんな事言わないでよ。」

志乃(しの)「今回は何とかなったが次は助けれないかもしれないんだ。」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんが助けれないなんてあるの?」

志乃(しの)「即死させる妖怪だっているんだ。私だって流石に死んだ人間を生き返らせる方法は知らない。それに私がいつでも助けに行けるわけでもないんだ。」

陽介(ようすけ)「分かったよ。」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんが助けに来れない時ってあるの?」

志乃(しの)「あるかもしれないだろ。」

悠真(ゆうま)「まあまあ、今日はクリスマスパーティーに来たんだろ。ケーキ取って来るから食べながら楽しい話を話そう。」

悠真(ゆうま)は冷蔵庫からケーキを持って来て切り分け席に着く。

悠真(ゆうま)「それでみんなこの後プレゼント交換するけどどんな物持って来た?」

陽葵(ひまり)「私は一応誰に渡ってもいいような物を考えたんだけど大学生の人が欲しがる物って分からないからよく使いそうな物にした。」

悠真(ゆうま)「僕もそんな感じだから仲間がいて良かったよ。」

陽介(ようすけ)「俺は浜名瀬(はまなせ)さんが持って来た物が気になるな。」

志乃(しの)「中身を言ってもいいのか?」

悠真(ゆうま)「それは開けてからのお楽しみって事でヒントとかない?」

志乃(しの)「、、身につけるもの、か?」

陽介(ようすけ)「アクセサリーとかかな。」

志乃(しの)「お前らは何持って来たんだ?」

悠真(ゆうま)「僕は食器だよ。」

陽介(ようすけ)「ならどうせ湯吞だろ。俺も誕生日に貰った。」

悠真(ゆうま)「それとは違う湯呑だから。そういうお前はさぞセンスの良いものを持って来たんだろ。」

陽介(ようすけ)「俺は無難に食べ物だ。」

悠真(ゆうま)「それでよく人のプレゼント馬鹿にできたな。」

陽介(ようすけ)「馬鹿にはしてないだろ。」

志乃(しの)「それで陽葵(ひまり)は何持って来たんだ?」

陽葵(ひまり)「私はまあ、見れば分かるよ。」

それからしばらく話をしながらケーキや軽食を食べてプレゼント交換になった。

陽介(ようすけ)「普通に交換するのも面白くないからゲームしようぜ。」

陽葵(ひまり)「どうするの?」

陽介(ようすけ)「1人1つお題を用意してそのお題をクリアした人がそのお題を用意した人のプレゼントを貰えるっていうのはどうだ?」

悠真(ゆうま)「それだと複数貰える人が出ないか?」

陽介(ようすけ)「だから最初に誰のプレゼントが欲しいか投票して1番多かった人の課題をするんだ。そこで課題をクリアした人は次の課題をクリアしてもプレゼントは無しって事で。」

陽葵(ひまり)「それって欲しくないプレゼントでも強制参加なの?」

陽介(ようすけ)「そうしないと面白くないだろ。もし、要らないものでも最後に交換タイムを設けるから全部本気でやってほしい。」

陽葵(ひまり)「分かった。」

陽介(ようすけ)「他の人もそれでいい?」

悠真(ゆうま)「4つゲームできるって事だから僕はいいよ。」

志乃(しの)「課題っていうのは何を出してもいいのか?」

陽介(ようすけ)「そこまで時間がかからなくてこの部屋の中でできるものなら。」

志乃(しの)「分かった。」

陽介(ようすけ)「ならそれぞれ欲しいと思ったプレゼントを用意した人を指差して。」

それで陽葵(ひまり)悠真(ゆうま)志乃(しの)志乃(しの)悠真(ゆうま)陽介(ようすけ)陽葵(ひまり)を指差した。

悠真(ゆうま)「それぞれどうしてその人を指差したか聞いても良い?」

陽葵(ひまり)「そうだよ。何で浜名瀬(はまなせ)さんは私じゃないの?」

志乃(しの)「お前のは少し怖いんだよ。確実に湯呑って分かっている方が良い。」

陽葵(ひまり)「ちゃんとお父さんと選んだんだよ。」

志乃(しの)「余計に怖い。それでお前は何で私のが欲しいんだ?」

陽葵(ひまり)「そりゃ。浜名瀬(はまなせ)さんの手作りでしょ?欲しいよ。」

悠真(ゆうま)「僕も何を作ったか気になるな。それにしても陽介(ようすけ)陽葵(ひまり)ちゃんだったのは意外だったな。てっきりお前も浜名瀬(はまなせ)さんだと思っていた。」

陽介(ようすけ)「確かに気になるけど身に着ける物だと自分のファッションに合わない事があるから陽葵(ひまり)ちゃんを選んだんだ。」

悠真(ゆうま)「そうか。でも一番票が多い浜名瀬(はまなせ)さんの課題からやって行こうか。」

志乃(しの)「課題か、あのトランプを借りても良いか?」

悠真(ゆうま)「いいよ。何するんだ?」

志乃(しの)はマークごとに分けるとその2つを持つ。

志乃(しの)「ここに1〜Kまでの数字が2枚ずつある。私がこの中から適当な数字を選ぶからそれを当ててくれ。最初に3回当てた奴が勝ちだ。」

陽介(ようすけ)「それはマークも当てないといけないのか?」

志乃(しの)「数字だけで良い。」

陽葵(ひまり)「ヒントは出るの?」

志乃(しの)「ヒントは無い。だが一度出したトランプはもう出さない。」

悠真(ゆうま)「つまり出したトランプを覚えて当てろって事か。」

志乃(しの)「そうだ。最初は当てずっぽうになるが最後の方は覚えていないと不利になる。」

陽葵(ひまり)「出した数字は見れないの?」

志乃(しの)「答え合わせ以外は見れないと思ってくれ。」

陽葵(ひまり)「えー。私不利じゃない?」

志乃(しの)「受験頑張るんだろ。このくらいやれ。」

陽葵(ひまり)「分かったよ。」

志乃(しの)「それじゃ、始めるぞ。」

志乃(しの)は1枚のトランプを裏返しに出す。

志乃(しの)「これの数字は?」

陽葵(ひまり)「6。」

悠真(ゆうま)「5。」

陽介(ようすけ)「12。」

志乃(しの)がトランプを返すとそれはダイヤの7だった。

陽葵(ひまり)「あー惜しい。」

志乃(しの)「次いくぞ。」

陽葵(ひまり)「9。」

悠真(ゆうま)「3。」

陽介(ようすけ)「8。」

今回はハートの9で陽葵(ひまり)が当たる。

陽葵(ひまり)「やった。」

志乃(しの)「まだだぞ。次だ。」

それから次は陽葵(ひまり)が4、悠真(ゆうま)が6、陽介(ようすけ)が1を選択し、志乃(しの)のトランプはダイヤの7で正解者無し。

その次も正解者無しで1点リードしている陽葵(ひまり)が余裕そうな顔をしていたが次は陽介(ようすけ)が正解して次すぐに悠真(ゆうま)が1点取って全員が同点になると陽葵(ひまり)が焦りだす。

それからもう1回正解者が無かったが悠真(ゆうま)が1点取ってその後に陽介(ようすけ)も1点を取った。

陽葵(ひまり)「待って。もう数字覚えてないよ。」

志乃(しの)「それはお前が悪い。次いくぞ。」

陽葵(ひまり)「えー。」

それから悠真(ゆうま)が1点取って3点取った悠真(ゆうま)志乃(しの)からプレゼントを貰う。

陽葵(ひまり)「ずーるーいー。」

悠真(ゆうま)「実力だ。」

陽介(ようすけ)「それで何が入っているんだ?」

悠真(ゆうま)「最後に全員で開けないか?」

陽葵(ひまり)「1人ずつプレゼントの説明があった方が良いし、今開けようよ。」

悠真(ゆうま)「それなら開けようかな。」

悠真(ゆうま)が巾着袋から中身を取り出すと中には木製の勾玉が1つと木製の丸玉を麻の紐で輪にしたブレスレットが入っていた。

悠真(ゆうま)「これは?」

志乃(しの)朽護(くちもり)(たま)だ。着けていれば何かあれば一度だけ身代わりとなってくれる。それが割れたらその場所には近づかないようにしろ。」

陽葵(ひまり)「何それ私もほしいんだけど。」

志乃(しの)「特殊な材料がいるんだ。本当は首から下げる物だが材料が無くて腕輪になった。それでも他の術も込めたから一度だけなら守ってくれる。」

悠真(ゆうま)「ありがとう。ずっと着けておくよ。」

志乃(しの)「それが割れたらすぐにその場から逃げろよ。面白がって突っ込んでも私は助けないからな。」

悠真(ゆうま)「わざわざそんなことしないよ。」

志乃(しの)「割れないことが一番なんだ。」

悠真(ゆうま)「危ないところにも近づかないって。」

志乃(しの)「分かっているならいい。」

陽介(ようすけ)「そんな物なら俺もほしかったな。後で交換しない?」

悠真(ゆうま)「これは僕が貰ったものだからしない。」

志乃(しの)「次は誰がするんだ?」

陽介(ようすけ)「残った人でせーので指差そうか。せーの。」

それで志乃(しの)悠真(ゆうま)陽葵(ひまり)陽介(ようすけ)陽介(ようすけ)陽葵(ひまり)で決まらなかったのでじゃんけんで決めると陽葵(ひまり)になったので陽葵(ひまり)はクイズを出すことにしたようだ。

それで正解した志乃(しの)陽葵(ひまり)のプレゼントを貰う事になって中に入っていたのは百鬼夜行が書かれたタオルだった。

陽葵(ひまり)「タオルなら使うから邪魔にはならないかなって思って。柄は皆妖怪好きならこれで良いかなって思ったの。」

志乃(しの)「悪くないんじゃないか?」

陽葵(ひまり)「本当?良かった。」

陽介(ようすけ)「だけど飼っている猫の名前とか仲良くないと分からない問題は卑怯じゃないか?」

悠真(ゆうま)「お前が決めたルールだろ。」

陽介(ようすけ)「皆が平等に楽しめるを入れるべきだった。」

陽葵(ひまり)「まあまあ、次いこうよ。」

陽介(ようすけ)「だけど俺が貰うプレゼントは湯呑に決まっているんだ。やる気も出ないよ。」

志乃(しの)「全部本気でやるって言ったのはお前だ。」

陽介(ようすけ)「分かったよ。それでどちらが先にお題出す?」

悠真(ゆうま)「順番はどちらでもいいよ。」

陽介(ようすけ)「なら俺からする。俺もトランプを使う。ブラックジャックだ。」

陽葵(ひまり)「ブラックジャック?」

悠真(ゆうま)「簡単に言えばトランプを捲って21の数字を作る遊びだね。」

陽介(ようすけ)「俺がディーラーするし1回目はお試しでやってみよう。」

陽葵(ひまり)「お願いします。」

それからお菓子の中にあった個包装のチョコをチップ代わりに5ラウンドやって一番多かった人が勝ちというルールでやると志乃(しの)が一番だった。

悠真(ゆうま)「本当に初めて?」

志乃(しの)「運が良かっただけだ。」

陽介(ようすけ)「何かしたのか?」

志乃(しの)「そんなことして勝っても嬉しくない。」

陽介(ようすけ)「まあどちらにしろこれは陽葵(ひまり)ちゃんにあげる事になるけどね。」

陽介(ようすけ)陽葵(ひまり)にプレゼントを手渡す。

陽葵(ひまり)「ありがとう。だけど浜名瀬(はまなせ)さんのが良かった。」

陽介(ようすけ)「そんな事言わないで。勉強の合間にでも食べて。」

陽葵(ひまり)がプレゼントの包装を開くと駄菓子の詰め合わせが入っていた。

陽葵(ひまり)「うん。そうする。」

悠真(ゆうま)「じゃあ、最後は僕かな。僕が思い浮かべている物をはいかいいえで答えられる質問で当ててください。質問は順番に、分かったら手を挙げて答えてね。」

陽介(ようすけ)「順番はどうする?」

悠真(ゆうま)「じゃんけんで決めようか。」

じゃんけんをすると志乃(しの)陽葵(ひまり)陽介(ようすけ)の順になったので質問を開始する。

志乃(しの)「それは手に持てますか?」

悠真(ゆうま)「はい。」

陽葵(ひまり)「なら生き物じゃないですよね。」

悠真(ゆうま)「はい。」

陽介(ようすけ)「金属でできている?」

悠真(ゆうま)「大部分ははい。」

志乃(しの)「大きさは片手に収まる?」

悠真(ゆうま)「はい。」

陽葵(ひまり)「壊れやすいですか?」

悠真(ゆうま)「あー。部分的にはい、かな?」

陽介(ようすけ)「それは悠真(ゆうま)は持っているか?」

悠真(ゆうま)「持ってないけど、少し欲しいと思っている。」

陽介(ようすけ)「へー。」

悠真(ゆうま)「あ、今のは無し。忘れて。」

陽介(ようすけ)「だけどそれで分かった。」

悠真(ゆうま)「だよね。前に言った事あったから。」

陽葵(ひまり)「えーそんなのずるいよ。」

陽介(ようすけ)「同じような事しただろ。答えは懐中時計だな。」

悠真(ゆうま)「正解。今度するならヒントに気を付けないとな。」

陽介(ようすけ)悠真(ゆうま)にプレゼントを貰い中を見ると湯呑で、それには可愛い犬の絵が描かれていた。

陽介(ようすけ)「だけどもらえるのは湯呑か、しかも何か可愛い。」

悠真(ゆうま)「女の子も来るから可愛い方が良いかなと思ったんだけど結局は陽介(ようすけ)に渡ったか。」

陽介(ようすけ)「なあ、最初悠真(ゆうま)のプレゼントが良いって言ってただろ。そのタオルと交換しないか?」

陽介(ようすけ)志乃(しの)に話しかけるが間に陽葵(ひまり)が入る。

陽葵(ひまり)「駄目だよ。そのタオルは浜名瀬(はまなせ)さんにあげたんだから。」

志乃(しの)「それ決めるの私だろ。」

陽葵(ひまり)「それでも交換したら駄目!」

陽介(ようすけ)「大丈夫。ちょっと聞いただけだから。」

陽葵(ひまり)が必死に止めるので陽介(ようすけ)は諦めたようだ。

悠真(ゆうま)「プレゼント交換も終わった事だしそろそろお開きにしようか。」

陽介(ようすけ)「そうだな。」

志乃(しの)「後片付け手伝おうか?」

悠真(ゆうま)「良いのか?」

陽葵(ひまり)「なら私も。」

志乃(しの)「お前は帰るか大人しく座ってろ。」

陽葵(ひまり)「えー。」

悠真(ゆうま)「いいじゃないか。何でそんなに、、」

志乃(しの)「怪我をしたくないなら止めておけ。」

悠真(ゆうま)「あ。はい。」

それから片づけを終わらせてそれぞれ帰路に着いた。

そして大晦日になると今年も百鬼夜行が始まる。

沢山の妖気が町に集まって来ると、志乃(しの)のアパートのチャイムが鳴る。

無視するがしつこいのでドアを開けると陽葵(ひまり)がいた。

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さん。今年も行くんだよね?」

志乃(しの)「呼んだ時以外は来るなと言っただろ。」

陽葵(ひまり)「大晦日だけ許してよ。」

志乃(しの)「他の日に来たら本当に引っ越すからな。」

陽葵(ひまり)「だけど初売りとかも行きたいな。受験が始まれば行けないだろうから。」

志乃(しの)「、、分かった。今回だけだぞ。」

陽葵(ひまり)「やったー。なら2日にまた来るね。」

志乃(しの)「それ以外は来るなよ。」

陽葵(ひまり)「うん。浜名瀬(はまなせ)さんの方には来ないよ。」

志乃(しの)は隣に来る事を宣言している陽葵(ひまり)に対してため息をついて9号に押入れから化生(けしょう)(めん)を2枚持って来てもらい1枚を陽葵(ひまり)に渡す。

陽葵(ひまり)「さあ、行こう。」

悠真(ゆうま)「どこに行くの?」

あれだけ騒がしくしていれば流石に聞こえていたようで志乃(しの)が戸締りしていると悠真(ゆうま)が隣から出てきた。

志乃(しの)「お前を連れて行く気は無い。」

悠真(ゆうま)「こんな時間に女性2人で危なくない?」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんがいるから大丈夫だよ。」

悠真(ゆうま)「だよね。せめてどこ行くかだけ教えて、気になって今夜は眠れなくなるよ。」

志乃(しの)「百鬼夜行だ。見えないお前には関係ない。寝ろ。」

悠真(ゆうま)「そんなのがこの町で行われているのか。」

陽葵(ひまり)「うん。去年も行ったけど凄く面白かった。」

悠真(ゆうま)「僕も行きたいって言いたいけど、こういう事に突っ込まないって言ったから。想像だけして寝るよ。」

志乃(しの)「お前、陽葵(ひまり)と違って物分かりが良いんだな。」

陽葵(ひまり)「ちょっと。」

悠真(ゆうま)「これ以上あなたに嫌われたくないからね。」

志乃(しの)「そうか。」

志乃(しの)陽葵(ひまり)化生(けしょう)(めん)を被って妖ノ郷(あやかしのさと)へ向かう。

妖ノ郷(あやかしのさと)へ入ると樹霧之介(きりのすけ)真琴(まこと)を見つける。

陽葵(ひまり)「まこ姉。樹霧之介(きりのすけ)。」

真琴(まこと)「今年も来たのね。」

陽葵(ひまり)「うん。」

志乃(しの)「他の奴らは後で来るのか?」

真琴(まこと)「それが(しずく)(ほむら)風見(かざみ)は来るんだけど茂蔵(もぞう)は熱出しちゃって寝ているの。」

陽葵(ひまり)「妖怪でも病気になるの?」

真琴(まこと)「ええ。特に普通の生き物から妖怪になったものはなりやすいの。」

樹霧之介(きりのすけ)「最近は寒い場所にもよく行ってましたから。」

志乃(しの)「そうか。少し様子を見てきても良いか?」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。お願いします。」

真琴(まこと)「場所分かる?案内しようか?」

志乃(しの)「頼めるか?」

真琴(まこと)「ええ。」

樹霧之介(きりのすけ)「なら僕は陽葵(ひまり)さんとここで待っていますね。」

陽葵(ひまり)「私も行きたい。」

志乃(しの)「病人の所に大勢で押しかけるつもりか?」

樹霧之介(きりのすけ)「それに茂蔵(もぞう)は洞穴に住んでいますからあまり人が入れないんです。」

陽葵(ひまり)「それなら仕方ないか。」

志乃(しの)真琴(まこと)に案内されて茂蔵(もぞう)の住処に到着する。

そこは茂蔵(もぞう)なら余裕のある大きさだが人の大人だとギリギリの大きさの洞穴なので志乃(しの)は外から話しかける。

志乃(しの)茂蔵(もぞう)、大丈夫か?」

茂蔵(もぞう)浜名瀬(はまなせ)か、体はだるいが寝ていれば大丈夫だぞ。」

志乃(しの)「少し診てもいいか?」

茂蔵(もぞう)「うーん。そうだな今そっちに行くから少し診てもらっても良いか?」

志乃(しの)「いや、そのままでいい。」

茂蔵(もぞう)「ここ狭いぞ。」

志乃(しの)「大丈夫だ。」

志乃(しの)が子供の姿になって入って行くと一番奥で茂蔵(もぞう)が寝ていた。

茂蔵(もぞう)「その姿、あまりなりたくないんじゃなかったのか?」

志乃(しの)「そうだがこういう時は便利だ。少し体に触っても良いか?」

茂蔵(もぞう)「あ、ああ。」

志乃(しの)は4号を出して茂蔵(もぞう)の体を調べる。

志乃(しの)「ん?風邪蚊(かぜ)が憑いているな。」

茂蔵(もぞう)「風邪は引くものだろ。」

志乃(しの)「いや風邪じゃなくて風邪蚊(かぜ)。小さい虫型の妖怪だ。」

茂蔵(もぞう)「これ妖怪のせいなのか?」

志乃(しの)「毛の中に隠れて見難いが取り憑いたら相手の体力を奪う奴だ。取り憑かれた奴は風邪と似た症状を発症するが満足するとすぐに離れるから気付かれる事が少ないんだ。」

茂蔵(もぞう)「そんな奴がいるのか?」

志乃(しの)「ああ。祓えば少しは楽になるだろう。」

志乃(しの)茂蔵(もぞう)に憑いた風邪蚊(かぜ)を取り除き、潰すと小さい白い煙になって消えた。

茂蔵(もぞう)「何か楽になった。」

志乃(しの)「だが無くなった体力はすぐには戻らない。栄養付けて寝ていろ。」

茂蔵(もぞう)「分かった。」

志乃(しの)「何か食べる物はあるか?」

茂蔵(もぞう)風見(かざみ)が持って来てくれた木の実がある。」

志乃(しの)「そうかだけど一応これも置いて行くか。」

志乃(しの)は4号に巾着袋に入った胡桃大の塊を持って来てもらう。

茂蔵(もぞう)「これは?」

志乃(しの)「兵糧丸だ。水でふやかして食べれば栄養は十分にある。」

茂蔵(もぞう)「ありがとう、、」

志乃(しの)「こんなものしか持ち合わせが無くてすまないな。」

茂蔵(もぞう)「いや、十分だ。それにあんたのおかげで楽になった。」

志乃(しの)「まあ、大人しく寝ていろよ。」

茂蔵(もぞう)「ああ。ありがとう。今晩は楽しんで来いよ。」

志乃(しの)「ありがとう。」

志乃(しの)は洞穴から出て真琴(まこと)と合流する。

真琴(まこと)「妖怪の仕業だったのね。」

志乃(しの)「ああ。祓ったから明日には元気になるだろう。」

真琴(まこと)「流石ね。私達は全然分からなかったもの。」

志乃(しの)茂蔵(もぞう)の場合は毛に隠れて余計に見難かったのもあるだろうな。なあ、真琴(まこと)。」

真琴(まこと)「何?」

志乃(しの)「薬について学んでみないか?」

真琴(まこと)「私が?何で?」

志乃(しの)「薬は紙に包んで保存することが多い。それに私がずっと付いているわけにはいかないから自分で本を読んで学んでもらう事になる。読む事は得意だろ。」

真琴(まこと)「そうね。だけど浄化って意味だったら(しずく)の方が適任じゃない?」

志乃(しの)「そうだな、治療は(しずく)の方が向いているかもしれない。だから薬は真琴(まこと)が作って処方を(しずく)に任せても良い。」

真琴(まこと)「そうなると(しずく)にも知識を付けてもらわないといけないわね。」

志乃(しの)「知識があるものが多い分にはいいだろ。(しずく)にも聞いて今度真琴(まこと)用と(しずく)用に本を書いて来るよ。」

真琴(まこと)「そんな事も出来るの?」

志乃(しの)「屋敷に私が書いた薬の本があるんだが、まとまってなくて読みずらいんだ。」

真琴(まこと)「私はそれでもいいわよ。」

志乃(しの)「そうか。なら今度その本を持って来るよ。」

真琴(まこと)「ええ。お願いね。」

それから去年と同じように妖怪達と街を練り歩いて陽葵(ひまり)は途中で志乃(しの)が送り、志乃(しの)は百鬼夜行が終わると朝まで黒根(くろね)達と話をして帰った。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

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