58話
この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。
オリジナルの妖怪が登場することもあります。
素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。
志乃は樹霧之介の家で真琴の術の練習に付き合っていると急に何かに気付いて2号の幻で姿を隠してしまった。
訳も分からずにいると樹霧之介の家の扉が叩かれる。
樹霧之介が扉を開けるとそこにはハラミを連れた陽葵がいた。
樹霧之介「陽葵さん?どうやってここに入れたんですか?」
妖ノ郷には妖力が使えないと入ることはできず、人間である陽葵に妖力があるわけがないのだ。
陽葵「私、猫又と契約したの。浜名瀬さんがここに管狐で入っているから私もハラミに頼んだら入れたの。」
真琴「そう言えば前に電話で話した時そんな事話したわね。」
黒根「それで用は志乃の事かの?」
陽葵「そう。2日間も休むなんて何があったのかなって、いつもまこ姉に電話で聞いてもごまかされるし直接聞きに来たの。」
真琴「言って良いか分からないから濁してるのよ。」
黒根「そういう事か。おい、志乃出てこい。」
陽葵「え。浜名瀬さんここにいるの?」
樹霧之介「父さんいいんですか?」
黒根「こうした方が次から無茶する事が減るじゃろ。」
陽葵「浜名瀬さんがどうしたんですか?」
黒根「詳しい事は言えんが代償を払う事になってな。あと1,2日くらいで元に戻るだろうが今は声が出せんのじゃ。」
陽葵「それを見られたくなくて隠れているの?」
黒根「そうじゃ。」
黒根にバラされた志乃は諦めて姿を現す。
陽葵「浜名瀬さん。」
志乃はスマホに文字を打ち込み陽葵に見せる。
※今回も志乃はまだ喋れないのでしばらく志乃のセリフは何かに書いた内容になります。
志乃「こんな事ならハラミとの契約しなきゃよかった。」
陽葵「そんなことないよ。弱いところ見せたくないのは分かるけど理由も分からず待つだけのこっちの気持ちも考えてよ。」
志乃「どうしろと?」
陽葵「スマホでメッセージ送れるんだから何でも言ってよ。確かに私じゃ頼りないだろうし何もできないかもしれないけど聞くことはできるよ。」
黒根「そうじゃ。話すだけでも楽になる事はある。話せる事だけでも話したらどうじゃ?」
志乃「話せることが無い。」
陽葵「何かあるでしょ。ほら、学校での事とか。」
志乃「帰り道に付き纏ってくる奴の事で困ってはいる。」
陽葵「それって私の事?」
志乃「自覚はあるみたいで良かったよ。」
陽葵「だって浜名瀬さん声かけないと1人でさっさと帰るじゃん。」
志乃「別にいいだろ。」
その時扉が開いて雫も入って来た。
雫「浜名瀬さん、そろそろ熱吸い取った方が良いと、、何で陽葵もいるの?」
陽葵「浜名瀬さん熱もあるの?」
陽葵は志乃の顔に手を伸ばすので志乃はそれを後ろに下がって避ける。
陽葵「何で逃げるの。」
雫「あまり動くと熱が上がるわよ。」
黒根「そうじゃ。病人は大人しく寝ておれ。」
志乃「誰のせいでこうなっていると思っているんだ?」
黒根「こうなる事を考えずに猫又との契約を手伝った奴のせいかの。」
志乃「後で覚えてろよ。」
陽葵「浜名瀬さん。熱があるなら寝た方が良いよ。私も昔はよく熱出してたけどその度に辛かったもん。あの時はお父さんいなくて、お母さんも働きに出ていたから1人だったせいもあってより辛くて不安だったの。」
志乃「分かったよ。私は寝るからお前は帰れ。」
陽葵「えー。私も浜名瀬さんの看病する。」
志乃「お前がいたら休めないんだ。帰れ。」
陽葵「なら明日休みだからまた来るね。」
志乃「来るな。」
陽葵「お見舞い持って来るから。」
志乃「いらないから来るな。」
陽葵はそれらを無視して樹霧之介の家から出て行った。
雫「騒がしかったわね。」
志乃「明日も騒がしくなりそうだ。」
雫「まあ、いいわ。浜名瀬さん、座って手を出して。」
雫は志乃の熱を吸い取ると帰って行き、志乃は布団に入る。
樹霧之介「それにしても陽葵さん。猫又と契約していたんですね。」
真琴「そうね。浜名瀬さん反対していたんじゃないの?」
志乃「妖怪がどういうものか分かってきていたからな。たまたま猫の国に行った時に付いてきたから契約したんだ。」
黒根「ハチベエは元気だったか?」
志乃「相変わらずだった。また鬼ごっこさせられたよ。」
黒根「ああ。あれか。」
志乃「黒丸の所には猫団子できていたよな。」
黒根「お主は結界の足場で猫達の届かない所に逃げていたじゃろ。」
志乃「攻撃禁止なのに手を出そうとした奴よりかはいいんじゃないか?」
黒根「あいつらわしを爪とぎにしようとしたんじゃぞ。仕方なかろう。」
真琴「猫に攻撃したの?」
黒根「木の根を使い引き剥がしだけじゃ。それより志乃は何でそんなところに行ったんじゃ。」
志乃「花火を見ないかと同級生に呼ばれたんだ。深渚の巫女が海を荒らす妖怪を封印したのがその時期だったからその祭りだろうな。」
黒根「そうか。」
樹霧之介「そんな巫女がいたんですね。」
黒根「その巫女がハチベエじゃがな。」
真琴「え。巫女って雄の猫だったの?」
黒根「ハチベエは雌じゃ。」
どこかでやった事のあるやり取りをしているうちに夜になり、志乃は寝て樹霧之介達は妖ノ郷の出入り口を設置できる場所を朝まで探して眠りについた。
昨日までは昼過ぎまでは静かだったのに今日は朝から騒がしい声が聞こえる。
陽葵「浜名瀬さん、来たよ。」
志乃「帰れ。」
志乃はまだ声が出せずスマホに打ち込んだ文字を枕元まで走って来た陽葵に見せる。
陽葵「まだ声出せないの?やっぱりまだ安静にしなきゃだめだよ。」
志乃「なら安静にさせろ。」
陽葵「樹霧之介とまこ姉は?」
志乃「いつも昼過ぎに起きてくる。」
陽葵「え?だけど朝にも活動していた事あったよね。」
志乃「何もなければこの時間寝ているんだ。裏で樹霧之介と黒丸が寝ているんだから静かにしてやれ。」
陽葵「色々持ってきたから出すね。」
志乃「喋れないからって無視するな!」
陽葵「大丈夫。静かにするから。それでスポーツドリンクでしょ、ゼリーでしょ。それに甘酒。私が熱を出した時遠いところからおばあちゃんが来てくれて作ってくれた甘酒がすごくおいしかったの。だから昨日おばあちゃんに電話して作り方教えてもらったんだよ。」
志乃「余計な事はしてないだろうな?」
陽葵「大丈夫。今回は絶対成功させたかったからおばあちゃんに教えてもらった事以外の事はしていないよ。炊飯器を使うレシピで調理はほぼ炊飯器がしてくれたんだから。」
そう言って陽葵は志乃に水筒に入った甘酒を差し出し、志乃はそれを受け取る。
志乃「味見はしたのか?」
陽葵「急いでここに来たからしてない。だけどおばあちゃんが言った通りに作ったから大丈夫だよ。」
志乃は恐る恐る水筒の蓋を開けて匂いを嗅ぐと酸っぱい匂いがして水筒の蓋に注いでみると泡が立ち、明らかに腐っている事が分かる。
志乃「お前は私に止めでも刺しに来たのか?」
志乃はこれが異常だということを分かってほしくて陽葵に注いだ甘酒を渡す。
陽葵「え?確かに何か違うような臭いはするけど大丈夫でしょ?」
陽葵は匂いを嗅いで1口飲んでみる。
陽葵「酸っぱ、にっが。何これ。」
志乃「雑菌が入ったんだろう。手洗いを怠ったり、古い麴を使っていないか?」
陽葵「えっと、甘酒作ろうと思ったのは棚を見てたら麹を見つけたからなの。お母さんもいつ買ったか覚えてなかったんだけど封も開いてなかったし、綺麗に見えたから使いました。」
志乃「賞味期限は?」
陽葵「見ていません。」
志乃「もったいないがこれは飲めない。捨てろ。」
陽葵「はい。」
ハラミ「だから変な匂いがするって言っただろ。」
陽葵「だって、おばあちゃんの言った通りに作ったから大丈夫だと思ったの。」
志乃「お前の祖母もまさかそんな麴を使うとは思っていなかったんだろ。」
ハラミ「こいつの両親もハラハラしながら見ててさ。これでスポーツドリンクを買うようにお金を渡してたぜ。」
志乃「陽葵の親はお前が料理するのを何故止めない。」
ハラミ「俺も聞いたんだけどさ。結婚して夫を殺さないようにしたいから今経験を積ませたいんだって。」
志乃「私はいいのか?」
ハラミ「代わりに謝っておいてって言われたぞ。」
陽葵「皆して私の何が駄目なの?」
志乃「その理由はお前の手の中にあるだろ。」
陽葵「次は上手くいくから。」
志乃「その次はいつやって来るんだ?」
陽葵「次は次だよ。」
陽葵の声が徐々に大きくなっていてそれを聞いた眠そうな樹霧之介が扉を開けて入って来た。
樹霧之介「陽葵さん。来ていたんですね。出迎えも無しにすみません。」
陽葵「ごめん。起こしちゃった?」
樹霧之介「それはいいです。志乃さんのお見舞いですか?」
志乃「いや、暗殺だ。」
樹霧之介「どういうことですか?」
陽葵「違うもん。少し失敗しただけだもん。」
樹霧之介「失敗?」
不思議そうにしている樹霧之介に陽葵は持っていた水筒の蓋を渡し、樹霧之介は中に入っている液体の匂いを嗅ぐと何かを察する。
陽葵「確かに飲めないけど暗殺は言い過ぎだと思わない?」
樹霧之介「だけど、志乃さんが冗談言うのって陽葵さんの前だけですよね。」
陽葵「そうなの?」
志乃「お前の調子に合わせているだけだ。用事が終わったんだから周りにも迷惑だからさっさと帰れ。」
陽葵「分かったよ。また来るから。」
志乃「もう来るな。」
陽葵が少し嬉しそうに帰って行くと沈黙の時間が流れる。
志乃「うるさくして悪かった。朝に戻ってあまり寝てないだろ。」
樹霧之介「気付いていたんですか?」
志乃「寝てても周りに反応してしまうんだ。」
樹霧之介「なら志乃さんが寝た時は僕も寝た方が良いですか?」
志乃「癖みたいなものだ。そんな気を遣わなくていい。私のせいでお前らのやる事を邪魔する方が嫌だからな。」
樹霧之介「それなら今日もまた少し行きますが気にしないでくださいね。」
志乃「別に昼から行ってもいいんだぞ。」
樹霧之介「志乃さんの看病するって言いましたから。」
志乃「寝てるだけで良いんだ。」
樹霧之介「それでも何かしたいんです。」
志乃「分かった。だけどそれで体調崩されたら嫌だから今はお前も寝ろ。」
樹霧之介「はい。おやすみなさい。」
志乃「おやすみ。」
それから昼過ぎにまた昨日と同じように過ごして朝、起きると熱も下がり声が出るようになっていた。
志乃は陽葵が突撃して来る事を警戒していたが朝に来ることはなく、布団を片付けたりして過ごしていると真琴が来る少し前のお昼頃に勢いよく扉が開く。
陽葵「浜名瀬さん、来たよ。」
志乃「静かにしろ。」
陽葵「声戻ったんだ。」
志乃「黒丸も1,2日くらいで治ると言っていただろ。」
陽葵の声で樹霧之介と黒根も部屋に入って来る。
樹霧之介「陽葵さんいらっしゃい。」
陽葵「お邪魔してます。」
志乃「昨日もだが不法侵入だろ、少しは考えて行動しろ。」
樹霧之介「志乃さん声が戻ったんですね。良かったです。」
志乃「熱も引いている。心配かけたな。」
樹霧之介「いえ、回復して良かったです。」
そこに真琴と雫が来る。
雫は志乃に熱が無い事を確かめると帰って行き、志乃は真琴と新しい術の練習を始める。
陽葵「何するの?」
志乃「お前はいつまで居るつもりだ?」
真琴「いいじゃない。今、浜名瀬さんに言霊を参考に私の新しい術を練習していたの。」
陽葵「言霊?」
志乃「言霊は言葉で相手の真名を縛り簡単な命令を聞かせる術だ。」
陽葵「何それ使ってみたい。」
志乃「教えないぞ。相手の方が上だったり名前を間違えれば返ってくる事もある危ない術だ。」
陽葵「なら見せてよ。」
樹霧之介「ですが霊力使うんですよね?」
志乃「相手が抵抗しなければそこまで消費は無い。それに名の無い無機物なら簡単に使える。」
陽葵「無機物にも使えるの?」
陽葵はキラキラした目で志乃を見て、これは何かしないと満足しないなと思い実演することにした。
志乃はビー玉を取り出して陽葵に転がしてもらい、志乃が「止まれ」と一言言うとビー玉はピタリと止まった。
陽葵「、、なんか地味だね。」
志乃「どんなのを想像していたんだ。」
陽葵「ハラミの念力みたいに自由に操れるのかなと。」
志乃「短い言葉で伝えられる事でないと使えないぞ。」
陽葵「なら浮けとかは?」
志乃「命令した物体が浮ける物ならできるだろうな。」
陽葵「他にはないの?」
志乃「他って同じような事しかできないぞ。」
陽葵「なら私に使えないの?」
志乃「いいが後悔するなよ。」
陽葵「大丈夫。ほらやって。」
志乃「陽葵の名、我が名に伏し、言に従え。」
陽葵「何か変わった?」
志乃「黙れ。」
陽葵「ん!?」
志乃がそう言うと陽葵は口が開かなくなり唸っている。
志乃「動くな。」
次は陽葵は指一本動かせなくなった。
志乃「もういいだろ。解くぞ。」
志乃は陽葵の頭に手を置き「解」と唱えると陽葵は動けるようになって口も開くようになった。
陽葵「びっくりした。」
志乃「地味だが真名さえ分かれば強力な技だ。」
陽葵「何で浜名瀬さんは使わないの?」
志乃「真名が分からない事が多いのと名前が知られている奴は大体強い奴ばかりだから使うこと自体が少ないんだ。直接攻撃した方が早いし確実だから好んで使う奴もあまりいない。」
真琴「ねえ、私にもできる?」
志乃「何でだ?」
真琴「ほら、今練習している術に役立てないかなって思って。」
志乃「まあいいか。真琴の名、我が名に伏し、言に従え。」
真琴「さっきとは別の命令できる?」
志乃「できるが何で少し楽しそうなんだ?」
真琴「いいから。」
志乃「なら。立て。後ろを向け。」
座っていた真琴は立ち上がり後ろの壁の方を向く。
真琴「体が勝手に動くの少し怖いわね。」
志乃「もう止めておくか?」
真琴「霊力が無いならもういいけど。」
志乃「いや、抵抗されてないから霊力には余裕がある。」
真琴「ならもう少し続けてくれる?」
志乃「分かったが次は何するか。」
陽葵「回れ、とか?」
志乃「、、歩け。」
志乃は少し考えて命令を出すと真琴は歩きだし壁にぶつかるがその場で歩き続ける。
陽葵「ゲームで見る光景だ。」
志乃「ゲーム?私は命令されたら逆らえない事を知ってほしくてこれにしたんだが。」
真琴「前に進めないのに歩き続けなきゃいけないのね。」
陽葵「ねえ、これがもし前へ進めだったらどうなるの?」
志乃「その時は壁を壊して進む。怪我しようと体が動くならその命令に従い続ける。」
陽葵「何それゾンビみたいで怖い。」
志乃「だが相手より力の差があることが条件だ。誰にでも使えるものではない。」
真琴「それは良いんだけどそろそろ解いてもらっても良い?」
志乃「もういいのか?」
真琴「ええ。」
志乃は真琴の術も解き、真琴はまたちゃぶ台を前にして座る。
志乃「知りたいことは知れたか?」
真琴「ええ。何となくだけど。」
陽葵「まこ姉は何を練習しているの?」
真琴「紙に文字を書いて強化してるの。」
陽葵「文字で?」
真琴「そうよ。浜名瀬さんに手伝ってもらって少しできるようになったから見ている?」
陽葵「うん。」
真琴は紙を1枚出し、そこに「硬い」と妖力を注ぎながら書くとするとペラペラだった紙は鉄板のように硬くなった。
陽葵「凄い。」
真琴「これが一番妖力使わなくて簡単なんだけど問題があるのよね。」
陽葵「何が問題なの?盾とかに良さそうなのに。」
真琴「私も浜名瀬さんから指摘されるまで分からなかったんだけど戦闘に使えないの。」
志乃「体調も戻ったから実演した方が早いか?」
真琴「そうね。」
志乃「なら外に行くか。」
真琴「あんまり本気出さないでね。」
志乃「しばらく寝てたから体を動かしたいんだ。」
真琴「答えになってないわよ。」
それでも真琴は外に行ってさっきの硬くした紙を構えて志乃の攻撃を待ち構える。
最初に志乃が紙を蹴り飛ばすと紙は衝撃を吸収せずに真琴の方にも衝撃が伝わる。
柔軟性が無くなった分衝撃はより伝わっているようだ。
次に志乃は短刀を9号に持って来てもらうとそれで紙を切り裂く。
志乃「衝撃を吸収するなら硬くしない方が良いし、斬りにくくはなったが切れないわけじゃない。それに紙だから炎で燃える。利点と言ったら水に濡れても破れないことくらいか?」
陽葵「なら切れないとか衝撃吸収とかは書けないの?」
真琴「曖昧だったり複雑な物だと妖力を消費して1回使ったらそれ以外使えなくなるのよ。」
陽葵「なら2つは書けないの?例えば硬いと動かないだったらさっきの蹴りも止めれるんじゃないの?」
真琴「いいわね。それ。やってみましょう。」
真琴は硬いと書いた紙を浮かせたまま固定と書く。
真琴「浜名瀬さんもう一度お願い。」
志乃「分かった。」
志乃がその紙に蹴りを入れるが今度は紙は動かず真琴まで衝撃がいかない。
真琴「やった。成功じゃない?」
志乃「妖力消費の少ない物の組み合わせか、他にも色々できそうだな。」
真琴「陽葵ありがとう。これでさきに進めそうだわ。」
陽葵「まこ姉の役に立ったのなら良かった。」
志乃「だが一度固定したら動かせないんだろ。もっと他に書けるものはないか?」
真琴「それが問題なのよね。妖力の消費が少ないと言っても使い捨てにしてたら妖力が無くなるわ。」
志乃「いや、そうだ。真琴お前文字浮かせられただろ。」
真琴「そうか。固定の文字を動かす間浮かせて無効化すればいいのね。」
志乃「私は素手だけで攻撃するから止めてみてくれないか?」
真琴「お、お手柔らかにお願いします。」
真琴は最初文字を付けるタイミングがズレたり文字を浮かせれずに紙の移動が間に合わなかったりしていたが徐々に志乃の動きに付いて行けるようになった。
志乃「いいじゃないか。もう少し本気出してもいいか?」
真琴「勘弁してそろそろ私の妖力が尽きるわ。」
志乃「仕方ない。」
真琴「本当に昨日まで熱出して寝込んでた人なの?」
模擬戦に気づいてその場にいなかった他の仲間達も集まって来た。
雫「病み上がりなのにそんなに動いてもいいの?」
焔「楽しそうな事してるじゃん。混ぜてくれよ。」
ハラミ「ヒッ!」
陽葵「ハラミどうしたの?」
志乃「猫は縄張り意識が強いからな。格上の縄張りに入ったとでも思ったか?」
陽葵「縄張り?だけど猫の国は色々な猫がいたでしょ?」
志乃「だからハチベエみたいに管理する奴がいるんだ。」
焔「お、猫又じゃん。そいつ陽葵の式神なのか?」
陽葵「そうだよ。」
焔「なら仲良くしようぜ。」
焔は笑顔で近づくがハラミは怖がっている。
雫「怖がらせないの。」
焔「何だよ。勝手に怖がっているだけだろ。何で俺が叱られなきゃいけないんだ。」
風見「お前はもう大丈夫なのか?」
志乃「見ての通りだ。」
茂蔵「良かったな。」
志乃「ああ。」
茂蔵「それで常闇を使っているっていう屋敷ってどんな所なんだ?」
志乃「茂蔵は呼んだことなかったか。」
真琴「それなら私も行った事ないわね。」
志乃「機会があったらな。」
真琴「用事がないと行ったら駄目?」
志乃「誰かを呼ぶような場所ではないからな。」
風見「いや、結構立派な場所だろ。色んな施設もあった。」
志乃「ほとんどが陰陽師に関わる場所だ。お前達が行ってもつまらないだろ。それに危ない物も置いてある。」
茂蔵「危ないもの?」
志乃「常闇の封印とか。」
風見「それは危ないな。」
志乃「この前の物より大きいからあれの封印が無くなれば今の私じゃ片腕ではすまない。」
真琴「それなら行くの止めとこうかな。」
焔「なあ、志乃!お前はどっちが好きだ?」
いつの間にか猫の姿になっている焔が志乃に質問をする。
志乃「何の話だ。」
雫「焔。浜名瀬さんを困らせるのは止めなさい。」
焔「だけど、このままじゃ勝負がつかない。」
ハラミ「そうだ。俺の方が可愛いだろ。」
志乃「愛嬌があるのはハラミだと思うが、、」
ハラミ「そうだろ。」
志乃「焔にも可愛いところはあるぞ。」
焔「志乃ならそう言ってくれると思ったぜ。」
志乃「仲良くなったのはいいが何でそんな話しになったんだ?」
焔「俺が優しくしたら調子に乗りやがって、俺よりも人から好かれるとか言い出したんだ。」
ハラミ「それくらいしか勝てそうなものなかったんだ。」
焔「可愛いのも俺だ。」
志乃「くだらない。」
雫「ほらやっぱり浜名瀬さんも同じこと言うって言ったじゃない。」
焔「俺らにとっては大事な事だ。」
志乃「もういいだろ。私は帰る。」
焔「元気になったのなら俺とも遊んでくれてもいいだろ。」
志乃「仕方ないな。」
陽葵「なら全員でできる遊びしない?」
焔「何するんだ?」
陽葵「どうしようか?」
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