55話
この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。
オリジナルの妖怪が登場することもあります。
素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。
志乃達は志乃が住んでいるアパートへ到着する。
陽葵「言って良いのか分からないけど、ボロボロな所だね。こんな所住んでいたの?」
志乃「周りにあまり人がいないから都合が良いんだ。」
陽葵「そっか。」
志乃はアパートの鍵を開けて陽葵を中に入れる。
陽葵「中も何も無いね。」
志乃「黙ってついて来い。」
志乃は押し入れの入り口から隠里へ入って行く。
陽葵「あ、待ってよ。」
陽葵も志乃の後を追い隠里へ入って行く。
志乃は倉庫の近くの縁側に陽葵を座らせると9号を呼ぶ。
志乃「ここから動くなよ。動いたら9号が私を呼びに来るから。」
陽葵「良いじゃん。探索したい。」
志乃「するな。アパートの方で待つか?」
陽葵「分かったよ。大人しくするけどここから周りを見るくらいなら良いでしょ。」
志乃「そのくらいなら許す。私は探し物があるから大人しくしてろよ。」
陽葵「信用無い、、」
志乃が倉庫へ行ってしばらくすると1本の帯を持って来る。
陽葵「それは?」
志乃「妖視帯だ。これを体の何処かに着ければ霊感が無くても見えるようになる。」
陽葵「へー。」
志乃「ただこれは着けた妖怪の妖力を使うから少し調整しないとぼやけたり着けた妖怪の妖力を取りすぎたりするからもう少し時間は掛かる。」
陽葵「だけど他の人が見ても大丈夫なの?」
志乃「大体の猫又は尻尾を隠せる。人間界に興味があるならそのくらいはこいつもできるだろうが、、」
志乃が猫又の方を見るがまだ寝息を立てて寝ている。
志乃「念の為確かめるか。」
志乃は猫又の尻尾を掴むと猫又は驚いて飛び起きた。
猫又「何するんだ。尻尾は敏感なんだぞ。」
志乃「お前、尻尾を1本にするのは得意か?」
猫又「あん。そのくらい朝飯前だ。」
そう言って猫又は尻尾を1本にしたり、途中まで2本にしたりしてみせる。
志乃「なら大丈夫そうだな。」
猫又「何の話をしていたんだ?」
陽葵「浜名瀬さんが君を霊感が無い人にも見れるように呪具を探してくれてたんだよ。」
猫又「何でわざわざそんな事するんだ?」
陽葵「私の両親に紹介したいからだよ。多分君を飼うとなると私の両親に頼む事になるから。」
猫又「それなら仕方ないな。」
志乃は陽葵と猫又が話している間に妖視帯を猫又に合うよう調整して出来上がった物を猫又に着ける。
志乃「うん。大丈夫そうだな。」
猫又「なあ、この鈴いるのか?」
志乃「それはお前と関わりを持っても妖怪との繋がりを作らないようにするための物だ。そこまで大きい物じゃ無いんだから慣れるまで我慢しろ。」
猫又「何でわざわざそんな事するんだ。」
志乃「妖怪との繋がりを作れば他の妖怪も見れるようになる。そうなると事件に巻き込まれやすくなるからそれを避けるためだ。嫌なら猫の国に帰ってもらうがどうする?」
猫又「分かったよ。我慢する。」
志乃「それじゃ陽葵の家に向かうか。」
陽葵「え。もう?もう少しあっちの方にある建物も見たいな。なんて。」
志乃「行くぞ。」
志乃は渋る陽葵を無理矢理引っ張って陽葵の家へと向かう。
すると陽葵の母親である美和が出迎えてくれた。
美和「陽葵おかえり。浜名瀬さんもお久しぶりです。この前は夫がまた迷惑かけてすみません。」
志乃「あの時はたまたま見つけただけだ。」
陽葵「ただいま。お母さん、お願いがあるんだけどいい?」
美和「もしかしてその抱いている猫の事?」
陽葵「うん。この子を私の式神にしたいの飼っても良い?」
美和「飼うは予想してたけど式神?」
猫又は陽葵に抱かれているため尻尾は影になって見えていなかったらしい。
猫又「人間の街には美味しい物が沢山あるんだろ?そういう物を食わせてくれたら手伝っても良いぜ。」
美和「喋った!?これって妖怪?私、まだ見えているんですか?」
志乃「こいつの首に巻いてある帯で見えない人間にも見えるようになっている。他の妖怪は見えないだろうから安心しろ。」
陽葵「お世話は私がするからお願い。ここにおいてあげて。」
美和「詳しい話は中でしましょう。浜名瀬さんも中に入ってください。」
志乃「お邪魔します。」
志乃がリビングに通されるとそこには陽葵の父親である晴臣がソファで寛いでいた。
晴臣「お、浜名瀬さん。いらっしゃい。」
陽葵「ねえ、お父さん猫又飼いたい!」
晴臣「面白そうな話しだけど何の話だい?」
陽葵「あのね、、」
志乃「今日あった事から順に話す。お前は少し黙っていろ。」
猫又「何でそんな面倒な事するんだ?」
晴臣「もしかしてその子が猫又?どこから来たんだ?何で見えるんだ?」
志乃「お前も黙っていろ。」
晴臣「はい。」
それから志乃達は椅子に座り、志乃は猫の国であった事から今までの事を話した。
晴臣「娘を手伝ってくれる式神が出来るんだろ。お父さんは大歓迎だよ。」
陽葵「だよね。」
美和「だけど妖怪の飼い方なんて知らないわよ。」
志乃「それは普通の猫と同じだ。喋れるし、体が丈夫な分飼いやすいだろう。」
美和「病院とかは行った方が良いのかしら。」
志乃「今の飼い方とか分からないが不調になる事はある。念のために行った方が良いかもな。」
美和「それならそのお金も掛かるわね。」
美和は晴臣の方をチラッと見る。
志乃「もしかしてまだ仕事が見つかっていないのか?」
美和「13年も理由無く行方不明だった人間の信用が無くてね。」
晴臣「理由はあるけど話せないだけじゃないか。」
美和「話せないなら同じことでしょ。やっぱりお義兄さんから紹介された仕事を受けるべきよ。」
晴臣「いや、工場の仕事はちょっと、、」
志乃「それなら居候が増えるのは厳しいな。やっぱり猫の国に返してくるか。」
晴臣「それなら3ヶ月、いや1ヶ月でいいから待ってくれ。それで仕事が決まらなかったら兄さんの仕事をするから。」
美和「1ヶ月で働いてくれるのならその間は私が何とかするわ。」
陽葵「それなら。」
美和「いいわよ。」
陽葵「やったー。」
美和「いつまで家でグダグダやっているのか悩んでいたから丁度良かったわ。」
晴臣「ウェッ。」
志乃「それじゃ式神の契約をするか。」
陽葵「何すればいいの?」
志乃「丁度名前が無いと言っていたからな。名前を付けろ。」
陽葵「それだけ?」
志乃「この時に契約内容も決める。今回は陽葵が猫又のお世話をする事、猫又はその恩恵に値する命令を聞く事にするか。」
猫又「俺こいつの命令聞かないといけないのか?」
志乃「ご飯を食べさせてくれるのであればそれに報いる行いはしなくてはいけない。それ以上の命令には逆らうことはできるから嫌なら無視すればいい。」
猫又「その基準はどうするんだ?」
志乃「基準はお前が決めろ。ただしここで暮すための規則は守れよ。」
猫又「分かった。」
陽葵「だけどそれだと言う事を聞かない事があるって事?」
猫又「俺はそんなに恩知らずじゃない。」
志乃「お前が一生懸命世話すれば聞いてくれるだろ。」
陽葵「分かったよ。」
志乃「名前は考えたか?」
陽葵「候補は考えてるよ。さっき焼肉食べたじゃん。その時にハラミが一番気に入っていたみたいだったんだよね。」
猫又「ハラミ!俺それ好き!」
志乃「あ。」
陽葵「浜名瀬さんどうしたの?」
志乃「魂銘ノ儀を準備していたんだがそれは術者が決めた名前を妖怪が受け入れる事で契約が完了する儀式なんだ。」
陽葵「それで?」
志乃「今ので契約が完了したみたいだ。」
陽葵「それじゃあ、猫又の名前はハラミになったの?」
ハラミ「俺はハラミなのか?もう変えれないのか?」
志乃「一度受け入れた名前は契約を破棄するまで続く。やり直すか?」
陽葵「私は最初から名前ハラミにしようと思っていたから特に問題ないよ。」
ハラミ「これからハラミって呼ばれるんだよな。好物で呼ばれるのは別に悪くない。」
志乃「お前らが良いならいいが、念のため契約の解除方法教えておくぞ。」
陽葵「うん。それで浜名瀬さん。」
志乃「何だ?」
陽葵「口寄せの術って私にもできる?」
志乃「いきなりなんだ?お前は霊媒師にでもなりたいのか?」
陽葵「え、ほら遠くにいても契約している妖怪をその場に呼び寄せる術だよ。浜名瀬さんも大百足とか呼び出しているじゃん。」
志乃「大百足が地面から現れるのはあいつの能力だ。そんな術があるならわざわざ管狐の竹筒は用意していない。」
陽葵「そうなの?なら口寄せの術って無いの?」
志乃「口寄せは自身の体に霊を憑依させる術だ。式神との繋がりが強くなれば遠くにいてもいる場所やしている事が分かるようになるがそういう能力が無い限り瞬間的に術者の前に現れることは無い。」
陽葵「ならハラミと一緒にいたい時はどうするの?」
志乃「妖視帯を外せば普通の人には見えなくなるし、普通の猫になりきってもらえればペットが入れない場所以外は一緒にいれるだろ。」
陽葵「常に一緒にいないといけないのか。」
志乃「別に家においていてもいいだろ。」
陽葵「だけど用がある時にいなかったら意味ないじゃん。」
志乃「用のある事なんてあまり無いと思うぞ。それに何してもらうつもりだ?」
陽葵「うーん、何だろう?」
晴臣「ならハラミは何ができるんだい?」
ハラミ「何ができるかなんていきなり言われてもな。」
陽葵「ねえ、浜名瀬さん。猫又の能力って何があるの?」
志乃「猫又の能力は変化、幻覚、念力、天気の予想、鬼火を出す、死者の魂を操る、呪いや祟りが使えるとかある。後は特殊な能力で言えば夢に入り込んだり時間を操る奴にもあった事があるな。」
陽葵「へー。色々あるんだね。」
志乃「個性の強い妖怪だからな。能力にも個性が出るんだ。」
ハラミ「その中なら念力と鬼火なら使える。」
陽葵「見せて見せて。」
晴臣「お父さんも見たい。」
そう言われてハラミは自分の目の前に小さな鬼火を出す。
晴臣「凄い。何もないところから炎が出たぞ。」
美和「ちょっと、家の中で火は止めて。」
晴臣「だけどこれ熱くないよ。」
晴臣は興味津々でハラミの出した鬼火に手を近づけている。
ハラミ「あ。だけどこんな事もできるぞ。」
ハラミは机にあったコップを念力で持ち上げる。
晴臣「凄い。もっと重い物も持ち上げれるかい?」
ハラミ「え、あ。ごめん。俺猫又になったばかりで力が弱いんだ。」
陽葵「そうだったの?」
ハラミ「戦力にならないかもしれないけどできる事はするから契約を解除しないでくれ。もっと美味しい物を食べたいんだ。」
陽葵「え。私は戦わないよ。それにせっかく初の式神なのにそんな事で契約解除するわけないじゃん。」
ハラミ「そうなのか?あの鱓を退治したって聞いたから俺はてっきりそういうことしているものかと思ってた。」
陽葵「それは浜名瀬さんがしてくれたんだよ。ハラミって戦いたいの?」
ハラミ「いや、できるだけのんびりと暮らしたい。」
志乃「なら何でついてきたんだ?」
ハラミ「あの時はお肉が食べられると思って、それ以外は何も考えてなかった。」
志乃「考え無しなところは陽葵と同じだな。気が合うんじゃないか?」
陽葵「それってどういう意味?」
ハラミ「そうだ。俺はちゃんと考えて行動する時もあるぞ。」
陽葵「私だってちゃんと考える時は考えてるよ。」
ハラミ「本当か?最初見た時から鈍臭そうな奴だと思っていたんだ。」
陽葵「否定はできないけど主人にそんなこと言う?」
ハラミ「主人っぽい事してから言え。あの肉だってこいつの奢りだろ。」
志乃「仲は良さそうだな。」
陽葵「どこが!?」
ハラミ「どこがだ!?」
陽葵とハラミの息はぴったりだ。
それから志乃は契約の解除法を教えて立ち上がる。
志乃「用は終わったから私は帰る。」
陽葵「もう少しゆっくりして行っても良いんだよ。」
晴臣「そうだ。君にもう少し聞きたいこともある。」
志乃「それは何だ?」
晴臣「今陽葵と君が書いた妖怪の本を読んでいてそのときに陽葵にチラッと聞いたんだけど、呪具や薬を書いた本もあるんだろう?」
志乃「読んでもお前では材料を揃える事もできない。そんな事考えるより先に仕事を探せ。」
晴臣「う。」
志乃「陽葵、お前もハラミの世話をするなら道具は必要だろ。買い物に行かなくて良いのか?」
陽葵「今から?」
美和「今日はもう遅いし、明日は祝日だからゆっくり買い物しましょう。」
陽葵「やった。」
美和「浜名瀬さんも来ませんか?今日は陽葵が何か奢ってもらったようで、この前のお礼もできていませんし。」
志乃「いい。前のは偶然だったし、今日のはこいつへのご褒美だ。」
陽葵「えー。浜名瀬さん甘いの好きなんでしょ?カフェとか一緒に行きたいよ。」
晴臣「それでこの前は樹霧之介って妖怪にカップケーキ貰っていたのかい?」
陽葵「え、何それ聞いてない。」
志乃「修学旅行でお土産を持って行った時のお礼だったんだ。特にお前に言う事でも無いだろ。」
陽葵「言ってよ。まこ姉達にお土産渡せるなら私も何か買って行ったのに。」
志乃「それなら真琴にスマホで連絡すれば良かっただろ。」
陽葵「そうじゃん。忘れてた。」
ハラミ「ほらドジじゃねえか。」
陽葵「ちょっとド忘れしただけでしょ。」
ハラミ「それをドジと言うんだ。」
陽葵「こんなの誰にでもあるもん。」
志乃「喧嘩もほどほどにしろよ。」
そう言って志乃は玄関の方へ歩き出す。
陽葵「あ。また来てよね。」
志乃「用があればな。」
陽葵「用が無くても遊びに来ても良いんだよ。」
晴臣「そうだよ。いつでも歓迎するよ。」
美和「そうね。また泊まりに来ても良いのよ。」
晴臣「そんな事があったのか?」
陽葵「あ、あの時は私が危ない妖怪を呼んじゃったから、、」
晴臣「降霊術ができたのか?」
志乃「もう一度やったらその時は助けないぞ。」
陽葵「えー。」
志乃「まだ教育が足りないようだな。」
陽葵「大人しくします。」
志乃「またやったら本当に再教育するからな。」
陽葵「しないって!」
志乃「本当か?」
陽葵「信用無い!」
それから2日後の登校日。
その日の休み時間に校門の方で人だかりができていた。
その中心にはハラミがいて、ハラミは陽葵の近くで待機する事にしたようだ。
ハラミは上手く普通の猫に成り切っていて、学生からご飯やおやつを貰って喜んでいる。
志乃はそれを窓から眺めていると澄花に話しかけられる。
澄花「ねえ、浜名瀬さん。」
志乃「何だ?」
澄花「浜名瀬さんも陽葵と同じ師匠に習っていたんだよね。」
志乃「ああ。」
澄花「なら師匠の事について何か知ってるんじゃない?」
志乃「あの人は自分の事を知られるのを嫌う。」
澄花「それでも知っていることはあるんでしょう?」
志乃「人の嫌がる事はするな。」
澄花「そうかも知れないけどあの人の事は小さい事でも知りたいの。」
志乃「好きなら余計に我慢した方が良いんじゃないか?」
澄花「なら浜名瀬さんの事なら良いでしょ。何で弟子入りしたの?」
志乃「色々あったんだ。」
澄花「そ、それじゃ浜名瀬さんも式神いるの?今朝、陽葵が猫又を式神にしたって報告してきたよ。」
志乃「いるが見せる気は無いし見えないだろ。」
澄花「だけど陽葵の猫又は見れたよ。」
志乃「呪具を使っているんだ。私の式神には着けていない。」
澄花「そうなんだ。」
志乃「他にはあるか?」
澄花「あ、えーと。師匠の事は言いたくないんだよね?」
志乃「ああ。」
澄花「それじゃ、えっと、、」
志乃「無いなら向こうに行ってくれ。」
澄花「うん。ごめん。」
それから特に何もなく放課後、志乃と陽葵とハラミは途中まで一緒に帰っている。
志乃「調子に乗り過ぎじゃないか?」
陽葵「そうだよね。愛嬌ふりまいて色々と貰ってたもんね。」
ハラミ「あれは俺の実力だ。」
志乃「それもだがお前もだ。」
陽葵「私も?」
志乃「澄花達にハラミを見せたんだろ。」
陽葵「あの3人はもう妖怪見てるからいいじゃん。」
志乃「妖視帯を着けたのは陽葵の両親も世話する可能性があったからだ。周りを巻き込むようなら家以外は外すことにするか?」
ハラミ「嫌だ。俺は妖力が少ないからあまり人前に姿を現せないんだ。今日は久しぶりに人に可愛いって言われて撫でられて、ご飯いっぱい貰えたんだぞ。」
志乃「、、なら今週見てどうするか決めるか。」
ハラミ「分かった。おい陽葵、余計な事はするなよ。」
陽葵「それはこっちのセリフだよ。」
それから陽葵とハラミは喧嘩はするが特に問題を起こす事はなく、妖視帯の事は保留となった。
それからは特に何もなく本格的に寒くなってきた頃、志乃がアパートに帰ると扉の前に樹霧之介が待っていた。
志乃「こんな寒い中、何しているんだ?」
樹霧之介「志乃さん。真琴達が帰って来ないんです。」
樹霧之介は寒そうに震えながら泣きそうな顔で志乃を見る。
志乃「とにかく屋敷の方へ行こう。あそこならここより温かいから。」
志乃は急いで樹霧之介を連れて押入れの入り口を通って隠里の屋敷に入って、志乃は温かいお茶を入れて樹霧之介に差し出す。
樹霧之介「ありがとうございます。」
志乃「それで何があったんだ?」
樹霧之介「それが、、」
樹霧之介の話しでは黒根が少しだけだが回復したことにより、妖ノ郷の出入り口を樹霧之介の助けを借りながらならだが作る事ができるようになったので明辻家の事件もあり、より多くの場所の妖怪を助けるためにも出入口を増やそうとなっていた。
その為出入口を作る場所を下見していると山の奥深くで真琴が木造の小屋とそこに住んでいる女の子の妖怪を見つけたらしくしばらくは通って女の子の相手をしていたらしいがいきなり帰って来なくなったんだという。
真琴から女の子の話は聞いていたが場所は知らず、全員で探しに行くと樹霧之介が1人の時にその女の子と真琴が一緒にいるところに出くわしたので真琴を返すように言ったら女の子が怒ると真琴は樹霧之介に対して攻撃してきたんだそう。
その攻撃を防ぐといつの間にか2人は消えていて探したが見つからず、集合の時間になったので集合場所に戻ると雫と風見と茂蔵も帰って来なかったという事だった。
志乃「妖ノ郷の出入口を増やすことは聞いていたが、山の中に住んでいて他の妖怪を操れる女の子か、、」
樹霧之介「父さんも心当たりはあるけど皆が帰ってこない理由が分からないそうです。」
志乃「私もそんな感じだ。女の子の姿をした別の妖怪って可能性もあるからな。樹霧之介はその妖怪と会って何か思ったことは無いか?」
樹霧之介「その時は距離もあったのでよく分かりませんでした。」
志乃「一回行ってみるしかないか。」
樹霧之介「はい。」
志乃「樹霧之介は焔と一緒に妖ノ郷で待っている方が良いかもな。」
樹霧之介「大丈夫です。」
志乃「そんな顔しているのにか?」
樹霧之介「これは、、」
樹霧之介は今にも泣き出しそうな顔をしてそれを指摘された事により志乃とは別の方を向いて手で隠す。
志乃「仲間が敵になったからか?」
樹霧之介「、、そうです。まさか真琴にあんな顔で攻撃されるなんて思っていませんでした。あれは、、敵を見る目でした。初めて会った時ですらあそこまで敵意を向けてきた事なんてないのに、、」
志乃「それでも敵対するのであれば私も攻撃しなくてはいけないかもしれない。」
樹霧之介「分かっています。」
ずっと俯いている樹霧之介を見て志乃は樹霧之介に問いかける。
志乃「後ろ髪が焔に憑いた時はそこまでじゃなかったのにどうしたんだ?」
樹霧之介「あの時は、完全に何かに操られている感じだったから特に何も思わなかったんです。今回は自分の意思で攻撃してきた感じがしたんです。」
志乃「なら洗脳でもされたのか?」
樹霧之介「どうすれば良いんでしょうか?」
志乃「それなら1発殴れば大体は解ける。」
樹霧之介「殴るんですか?」
志乃「それ以外でも衝撃を与えればいい。」
樹霧之介「なら1人でも正気に戻せたら相手の妖怪が分かるかもしれませんね。」
志乃「そうだな。でも念のため焔と黒丸にも話を聞きたい。一度妖ノ郷に行くが動けるか?」
樹霧之介「はい、大丈夫です。行きましょう。」
志乃「その前に少し待ってくれ。」
志乃は屋敷の奥から1つの蓑を取って来て樹霧之介に手渡す。
志乃「これを羽織っていけ。」
樹霧之介「これは?」
志乃「霜返しの稲で編んだ蓑だから温かいだろう。」
樹霧之介「ありがとうございます。あの、志乃さんは大丈夫ですか?」
志乃「このくらいなら平気だ。行くぞ。」
志乃と樹霧之介は焔と黒根の話を聞きに妖ノ郷へ向かった。
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