表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
浜名瀬志乃の学び舎日誌  作者: 火乃香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/92

43話

この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。

オリジナルの妖怪が登場することもあります。

素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。

志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)と話したりリストバンドの修理をしていると、しばらくして夕食を終えた陽葵(ひまり)凛華(りんか)も戻って来た。

陽葵(ひまり)「戻ったよ。」

志乃(しの)「おかえり。」

樹霧之介(きりのすけ)「2人共おかえりなさい。」

凛華(りんか)浜名瀬(はまなせ)さん、休めましたか?」

志乃(しの)「ああ。」

陽葵(ひまり)「じゃあ、トランプ持って来たんだ。遊ぼう。」

凛華(りんか)「何します?」

樹霧之介(きりのすけ)「これどうやって遊ぶんですか?」

陽葵(ひまり)樹霧之介(きりのすけ)は初めてなんだ。なら分かりやすい神経衰弱とかどう?」

凛華(りんか)「いいね。」

それから神経衰弱で盛り上がっていると消灯時間になり、見回りの先生が来たがそれからも遊んでいるとばれて先生に怒られたので布団に入る事にした。

陽葵(ひまり)樹霧之介(きりのすけ)、一緒に寝ない?」

樹霧之介(きりのすけ)「いや、僕は、、」

志乃(しの)「外の方が寝やすいなら一緒に行くか?」

樹霧之介(きりのすけ)「いえ、布団で寝ます。」

陽葵(ひまり)「じゃあ、おいで。」

樹霧之介(きりのすけ)「えっと、はい。」

布団に入ってからも話はしていたが最初に陽葵(ひまり)が寝てから静かになったので他も寝て次の日の朝、元気な陽葵(ひまり)の横で眠そうな樹霧之介(きりのすけ)がいた。

志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)大丈夫か?」

樹霧之介(きりのすけ)陽葵(ひまり)さんがずっと僕に抱きついてくるので眠れませんでした。」

陽葵(ひまり)「何か木の良い匂いして寝やすかったんだよね。」

樹霧之介(きりのすけ)「僕は匂い袋じゃないんですよ。」

陽葵(ひまり)「ごめんって。」

凛華(りんか)「今から朝食行きますがまたあいついるんでしょうか。」

志乃(しの)「正直行きたくないがこのままじゃ良くないよな。」

陽葵(ひまり)「それじゃ行くの?」

志乃(しの)「ああ。もし会ったら話してみる。」

陽葵(ひまり)「話通じるのかな?」

志乃(しの)「それだけが心配なんだよな。」

志乃(しの)達が食堂へ行くと、昨日の響吾(きょうご)と名乗っていた男子が志乃(しの)を見つけてやって来た。

響吾(きょうご)「俺、あなたに聞きたい事があるんです。」

志乃(しの)「何だ?」

響吾(きょうご)「あの海から伸びた手は何だったんですか?あなたは何でそれを退治できたんですか?あと、、」

志乃(しの)「それらを聞いてお前は何をしたいんだ?」

響吾(きょうご)「俺、新聞部でこの不思議な体験を記事にしたいんです。」

志乃(しの)「そういう事か。」

響吾(きょうご)「教えてくれますか?」

志乃(しの)「人の居ない場所に移動しても良いか?」

響吾(きょうご)「もちろんです。」

志乃(しの)響吾(きょうご)を連れて人気の無い廊下まで来た。

響吾(きょうご)「2人きりって少しドキドキしますね。俺実は助けてもらった時からあなたの事気になっているんです。」

志乃(しの)「そうか。4号。」

響吾(きょうご)「4号?」

志乃(しの)は2号が見えなくしている竹筒から4号を呼び出すと睡眠薬で響吾(きょうご)を眠らせて霊嚢石(れいのうせき)の霊力を使って昨日の記憶の一部を消してそのまま1人で食堂に戻る。

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さん、大丈夫だった?」

志乃(しの)「ああ、記憶消してきた。」

陽葵(ひまり)「消しちゃったんだ。」

志乃(しの)「このままだとしつこく付き纏ってきそうだったからな。」

陽葵(ひまり)「そうなんだ。」

凛華(りんか)「記憶を消すって何ですか?」

志乃(しの)「気にするな。」

志乃(しの)達は朝食を済ませ今夜は違う場所に泊るので荷物をまとめたり準備をして志乃(しの)達が朝食中に仮眠を取っていた樹霧之介(きりのすけ)とバスに乗り込み水族館へ向かう。

樹霧之介(きりのすけ)はまだ寝たりないみたいで志乃(しの)の膝の上でまた寝ている。

陽葵(ひまり)「今日、友達の班と回っても良い?」

志乃(しの)「あのいつもの3人か。」

陽葵(ひまり)「うん。」

凛華(りんか)「私は大丈夫だよ。」

志乃(しの)「私も構わない。」

陽葵(ひまり)「ありがとう。」

凛華(りんか)「だけどはあまり関わったことない人だとそっちの輪には入れないかもしれない。」

陽葵(ひまり)「皆フレンドリーだから大丈夫だよ。」

凛華(りんか)「それでも初めての人は苦手。」

陽葵(ひまり)「私が間に入るから。」

凛華(りんか)「絶対に輪に入らなきゃダメ?」

陽葵(ひまり)「そんな事も無いけど、仲良くなったらいいなって思っただけだよ。」

凛華(りんか)「まあ、少し話すくらいなら頑張ってみる。」

陽葵(ひまり)「うん。ありがとう。」

凛華(りんか)浜名瀬(はまなせ)さんも一緒にいてくれますもんね。あれ?」

志乃(しの)は目を閉じて壁にもたれかかって樹霧之介(きりのすけ)と一緒に寝ていた。

凛華(りんか)「昨日の夜ちゃんと寝てましたよね。」

陽葵(ひまり)「悪戯できそうだね。」

凛華(りんか)「そっとしておこうよ。昨日はキジムナー送り届けたりしているんだから疲れているんだよ。」

陽葵(ひまり)「冗談だって。」

それからバスは水族館へ到着する。

陽葵(ひまり)「着いたよ。樹霧之介(きりのすけ)浜名瀬(はまなせ)さん起きて。」

樹霧之介(きりのすけ)「あ、おはようございます。」

志乃(しの)「ん?寝てた?」

陽葵(ひまり)「珍しいよね。浜名瀬(はまなせ)さんが起こすまで起きないなんて。」

志乃(しの)「記憶操作に神経使ったからかな。」

陽葵(ひまり)「そんなに難しいの?」

志乃(しの)「当たり前だろ。下手したら廃人にさせてしまうんだから。」

陽葵(ひまり)「そんな怖い事私にしようとしていたの?」

志乃(しの)「必要なら。」

凛華(りんか)「そろそろ行きましょう。」

志乃(しの)「そうだな。降りよう。」

志乃(しの)達がバスを降りて水族館へ入ると陽葵(ひまり)の友達の澄花(すみか)沙羅(さら)梨奈(りな)の3人の班と合流する。

澄花(すみか)陽葵(ひまり)、やっほ。」

陽葵(ひまり)「皆、やっほ。」

凛華(りんか)「こんにちは。」

澄花(すみか)「こんにちは。蓮見(はすみ)さんだっけ?」

凛華(りんか)「はい。」

澄花(すみか)「硬いな。まあ、いいけど。今日はよろしくね。」

凛華(りんか)「よ、よろしく。」

澄花(すみか)浜名瀬(はまなせ)さんもよろしく。」

志乃(しの)「よろしく。」

沙羅(さら)「ねえ、最初どこ行く?」

梨奈(りな)「私イルカショー見たいから時間合わせたい。」

陽葵(ひまり)「いいね。」

沙羅(さら)「そっちの2人は何かしたいことある?」

凛華(りんか)「特にしたいことはないかな。」

志乃(しの)「お前達に付いて行く。それでも良いか?」

沙羅(さら)「良いよ。実は楽しみで色々調べてたんだ。」

澄花(すみか)「楽しみだね。」

志乃(しの)達は沙羅(さら)の案内で順路に沿って展示を見ていく。

陽葵(ひまり)「綺麗だね。」

澄花(すみか)「写真撮ろうよ。ほら2人も入って。」

凛華(りんか)「私はいいかな。」

志乃(しの)「私も。」

澄花(すみか)「もー。なら写真撮って。」

志乃(しの)凛華(りんか)はそれぞれ凛華(りんか)と莉奈からスマホを受け取って写真を撮る。

樹霧之介(きりのすけ)も初めて見る海の中の光景にテンションが上がっている。

巨大水槽に来ると凛華(りんか)が魚では無い何かが泳いでいるのを見つけた。

それは子供くらいの大きさの猿みたいな見た目で、頭に皿がある。

凛華(りんか)浜名瀬(はまなせ)さん。あれ、妖怪ですか?」

志乃(しの)「ああ、あれはケンムンだな。」

凛華(りんか)「どんな妖怪なんですか?」

志乃(しの)「河童みたいな妖怪だ。特に害はないからほっといていい。」

凛華(りんか)「へー。何でこんな所にいるんでしょう。」

志乃(しの)「あいつらは自分で漁をするんだがたまに怠惰な奴もいて、あいつは多分ここの餌を狙って来た奴だろう。」

凛華(りんか)「同じ妖怪でも性格があるんですね。」

陽葵(ひまり)「何の話してるの?」

凛華(りんか)「あの泳いでいる妖怪の話だよ。」

陽葵(ひまり)「あ、あれ。私も浜名瀬(はまなせ)さんに聞きたかったんだ。」

???「あー!人魚のお姉ちゃんだ!」

その声に振り向くとそこには志乃(しの)が助けた子供がいて、母親と共に水族館へ遊びに来ていたようだ。

その子供は志乃(しの)に駆け寄り足に抱きつく。

母親「すいません。」

志乃(しの)「昨日の子か。元気になって良かったな。」

母親「あなたが助けてくれた方なんですね。本当にありがとうございました。そちらのお2人も昨日はあまりお礼も言えずすみません。」

陽葵(ひまり)「それはいいですよ。」

凛華(りんか)「私達救急車呼んだだけですから。」

子供「ねえ、人魚のお姉ちゃんは泳がないの?僕また見たい。」

母親「こら、ここは水族館なんだから変な事言わないの。」

志乃(しの)「人魚?」

母親「すみません。この子、助けられるときあなたが人魚みたいだったって言うんです。」

志乃(しの)「人魚を見たことあるのか?」

子供「この近くの海で見たんだ。だからここに来たらお姉ちゃんに会えるって思って連れてきてもらったんだよ。」

母親「気にしないでください、たまに変な事言うんです。さっきも水槽に向かって猿が泳いでるなんて言うんですよ。」

志乃(しの)「その人魚見た後、天気荒れなかったか?」

母親「そう言えばその日は晴れてたのにこの子が魚の人がいるって言った後に天気が悪くなりました。」

志乃(しの)「そうか。」

子供「ねえ、お姉ちゃん達も一緒に回ろうよ。」

母親「お姉ちゃん達はお友達と来ているの。迷惑かけちゃ駄目よ。」

子供「あの子はいいの?」

その子供は樹霧之介(きりのすけ)を指差す。

母親「そこには誰もいないでしょ。変な事言わないで。」

陽葵(ひまり)「ねえ、浜名瀬(はまなせ)さん。この子見えてるよね。」

志乃(しの)「子供の時だけ見える人もいる。霊力の量はそこまで多くないから大きくなれば見えなくなるだろ。」

母親「ほら、行くよ。こっちに来なさい。」

子供「やだ。」

そこに他の場所を見ていた3人も合流する。

澄花(すみか)「何、どうしたの?」

梨奈(りな)浜名瀬(はまなせ)さん、その子どうしたの?」

陽葵(ひまり)「昨日浜名瀬(はまなせ)さんが溺れてたのを助けたんだよ。」

澄花(すみか)「それでこんなに懐いてるの?」

母親「せっかく楽しんでいたのに邪魔してすみません。」

沙羅(さら)「いいんじゃない?私達この後イルカのショー見に行くんだけど一緒に行く?」

子供「人魚のお姉ちゃんも一緒?」

梨奈(りな)「人魚のお姉ちゃん?」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんの事だよ。泳いで助けたからそう呼ばれてるみたい。」

梨奈(りな)「へー。」

母親「ご迷惑じゃないですか?」

志乃(しの)「私は構わない。」

凛華(りんか)「私もいいよ。」

陽葵(ひまり)「一緒に行こうよ。」

母親「すみません。」

それからその親子も一緒に水族館を回って子供は一度来た事があるようで楽しそうに水族館の案内をしてくれたのでそれに志乃(しの)凛華(りんか)は付き合っている。

澄花(すみか)「ねえ、陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんって陽葵(ひまり)の師匠に雰囲気似てない?」

陽葵(ひまり)「そうかな。」

澄花(すみか)「話し方とか人を助ける行動力とか。」

梨奈(りな)「確かに似てるよね。」

澄花(すみか)「ねえ、浜名瀬(はまなせ)さんってあまり人と話さないじゃん。陽葵(ひまり)はどうやって仲良くなったの?」

陽葵(ひまり)「えっと、覚えてないな。」

澄花(すみか)「1年ちょっとで忘れるわけないじゃん。」

梨奈(りな)「私も気になる。1年の時はクラスも違ったのに何で仲良くなれたの?」

陽葵(ひまり)「どうだったかな、、」

志乃(しの)「何話しているんだ?」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さん。」

沙羅(さら)「どうかしたの?」

志乃(しの)「あっちの体験ブースに寄ってもいいか聞きに来たんだ。」

沙羅(さら)「いいよ。思ったより早く回れてイルカショーの時間もまだだから。」

志乃(しの)「そうか。ならそこに行っている。」

澄花(すみか)「あ。浜名瀬(はまなせ)さん。」

志乃(しの)「何だ?」

澄花(すみか)浜名瀬(はまなせ)さんは陽葵(ひまり)とどこで仲良くなったの?」

志乃(しの)「学校で毎日のように話掛けられた、それだけだ。」

澄花(すみか)「そう言えば陽葵(ひまり)、教室にいないことが多かったよね。」

陽葵(ひまり)「その頃は教室に仲いい人いなかったから。」

梨奈(りな)「さっき覚えてないって言ってたけど陽葵(ひまり)から仲良くなりに行ってたんだ。なんで浜名瀬(はまなせ)さんだったの?」

陽葵(ひまり)「えっと、、」

志乃(しの)「初めて話しかけてきた理由は帰り道が同じだったからじゃなかったか?」

陽葵(ひまり)「そう、そうなの。帰りに一緒に帰る人いたらいいなって思って話しかけたの。」

梨奈(りな)「それで部活まで辞めて一緒に帰るようになったの?」

陽葵(ひまり)「その時は他にやりたいこともできたからね。」

澄花(すみか)「もしかしてその頃に師匠と出会ったの?」

陽葵(ひまり)「そんな感じかな。」

澄花(すみか)浜名瀬(はまなせ)さんと仲良くなった直後に師匠と出会ったの?」

陽葵(ひまり)「そうだけどたまたまだよ。」

子供「お姉ちゃん早く行こう。」

志乃(しの)「分かった。」

母親「すみません。」

沙羅(さら)「私達も行ってみない?」

澄花(すみか)「子供向けじゃないの?」

陽葵(ひまり)「いいじゃん。見てみようよ。」

体験ブースに行くと子供にも分かりやすく魚の事が学べる所になっていた。

樹霧之介(きりのすけ)も触れる展示に興味津々で、志乃(しの)が体で隠すようにしてくれたので樹霧之介(きりのすけ)も触って子供と一緒に遊んでいる。

それからイルカショーの時間が近付き席を取るためにも早めに向かうと一番前の席を取る事が出来た。

イルカショーも終わり、そのまま水族館の周辺にある施設で午後からの時間を過ごすためお昼にカフェに寄ってそれからイルカとのふれあいコーナーなどを回っていると集合時間になった。

志乃(しの)達は親子と別れてバスへ乗り込む。

樹霧之介(きりのすけ)志乃(しの)さん。さっきは人の目があるので聞けませんでしたが人魚、探していたんじゃないんですか?」

志乃(しの)「さっきの親子が言っていた人魚はザンという妖怪だ。」

樹霧之介(きりのすけ)「ザン?人魚じゃないんですか?」

志乃(しの)「人魚の一種ではあるが私が探している人魚とは別の妖怪だ。」

樹霧之介(きりのすけ)「そうなんですね。」

志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)が落ち込むことじゃないだろ。」

樹霧之介(きりのすけ)「だけどせっかく手掛かりが見つかったと思ったんですよ。」

志乃(しの)「ここのザンにはもう会っている。先に話せばよかったな。」

樹霧之介(きりのすけ)「そうですよね。志乃(しの)さんと父さんはもう全国回って人魚探したんですよね。」

志乃(しの)「それでも新しい情報はあるかもしれないから。」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。」

陽葵(ひまり)「ねえ、今日水族館どうだった?樹霧之介(きりのすけ)初めてなんじゃない?」

樹霧之介(きりのすけ)「え、はい。人間の施設に入るのはあまりないので楽しかったです。」

陽葵(ひまり)「何が一番楽しかった?」

樹霧之介(きりのすけ)「え、えっと初めて海の中の景色を知れたのが一番嬉しかったです。」

陽葵(ひまり)樹霧之介(きりのすけ)って泳げないの?」

樹霧之介(きりのすけ)「泳げないというより僕木なので浮いてしまって潜れないんです。」

陽葵(ひまり)「そうなんだ。確かに木って浮くよね。」

凛華(りんか)樹霧之介(きりのすけ)くんって木の妖怪なの?」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。僕は木霊(こだま)と呼ばれる妖怪です。」

凛華(りんか)「へー。子供の妖怪だと思ってた。」

樹霧之介(きりのすけ)「確かに子供の姿ですけど人の形を取る妖怪は多いですよ。」

凛華(りんか)「何で?」

樹霧之介(きりのすけ)「妖怪によって理由は違いますが人と関りを持ちたくて人の形を取る事が多いですね。」

凛華(りんか)「なら人の姿をしている妖怪は友好的なの?」

樹霧之介(きりのすけ)「いえ、逆の事の方が多いのであまり近づかない方が良いです。」

凛華(りんか)「逆?」

樹霧之介(きりのすけ)「人間を害する為に人の姿を取る事もあるんです。」

凛華(りんか)「あ、そうか。」

志乃(しの)「それに今は妖怪の姿を見れる人は少ない。わざわざ人の前に人の姿で現れる奴は何かを企んでいることが多いんだ。」

凛華(りんか)「そうなんですね。」

志乃(しの)「妖怪は見た目をごまかすことができるから見た目で良し悪しは判断できない。」

凛華(りんか)浜名瀬(はまなせ)さんは何を基準に判断しているんですか?」

志乃(しの)「妖気だな。妖怪を形作るのは妖力だから人を殺したり負の感情で作られた妖力から発せられる妖気は嫌な感じがする。」

凛華(りんか)「なら浜名瀬(はまなせ)さんはそれが良い妖怪か悪い妖怪か分かるんですか?」

志乃(しの)「大体は分かるが隠すのが上手い奴もいるから一概には言えないな。」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんを騙せる妖怪がいるの?」

志乃(しの)「それに特化している妖怪もいるからな。」

陽葵(ひまり)「へー。」

志乃(しの)「ちなみにあの本に書いてあるが分かるか?」

陽葵(ひまり)「え?卑怯だよそんな急に質問してくるなんて。」

志乃(しの)「妖怪との出会いは大体急なものだ。」

陽葵(ひまり)「えっと狐とか?」

志乃(しの)「狐にも色々いるぞ。」

陽葵(ひまり)「そこまではまだ分からないよ。」

志乃(しの)「狐以外にもいるが今回は答えられただけでも良しとするか。」

陽葵(ひまり)「良かった。」

それから次の宿は民泊となっていてバスはそこに到着する。

そこは海も近く景色の良い場所で、次の日は沖縄の暮らしを体験することになっている。

ただ志乃(しの)は家に入ろうとするが門の前まで行くと止まってしまう。

陽葵(ひまり)「どうしたの?」

先に門の中に入っていた陽葵(ひまり)志乃(しの)が付いて来ていないので振り返ると志乃(しの)の目の前には1匹の犬の様な生き物が志乃(しの)の前に立ちふさがっている。

志乃(しの)「何もしないから通してくれないか?」

???「グルル。」

凛華(りんか)「石像と同じ、もしかしてシーサーですか?」

陽葵(ひまり)「何で浜名瀬(はまなせ)さんを入れないようにしているの?」

志乃(しの)「私の中にあるもの(呪い)のせいだろうな。」

志乃(しの)達はバスでは一番後ろの席に座っていて降りるのも最後だったので後ろから来る人はいないがいつまでもこうしていることはできない。

樹霧之介(きりのすけ)「この人は悪い人じゃないですよ。」

シーサー雌「グルルルル。」

樹霧之介(きりのすけ)も宥めようとするがシーサーは興奮しているのか聞こうとしない。

志乃(しの)「、、使うか。」

志乃(しの)は9号から木片を受け取るとシーサーの鼻先に差し出す。

するとシーサーは大人しくなってその木片をクンクンと嗅ぐと咥えてどこかへ行ってしまった。

そのため志乃(しの)は中に入る事ができるようになって陽葵(ひまり)達と部屋へ移動する。

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さん、さっきシーサーに何あげたの?」

志乃(しの)「香木だ。」

凛華(りんか)「シーサーって香木好きなんですか?」

志乃(しの)「少し特殊な物なんだ。」

陽葵(ひまり)「特殊ってどう特殊なの?」

志乃(しの)「あれは柚子(ゆず)からもらった物で気を静めることができる。」

樹霧之介(きりのすけ)「あげてもよかったんですか?」

志乃(しの)「気に入っていたんだが、仕方ない。」

凛華(りんか)柚子(ゆず)って誰ですか?」

陽葵(ひまり)樹霧之介(きりのすけ)のお母さんだよ。もういないけど。」

凛華(りんか)「形見って事?」

志乃(しの)柚子(ゆず)から貰ったものはまだある。」

樹霧之介(きりのすけ)「でも気に入っていたんですよね。」

志乃(しの)「いつかは無くなる物だったんだ。ほら、夕飯までに荷物片づけるぞ。」

それから夕飯を終えて寝る準備をする。

陽葵(ひまり)樹霧之介(きりのすけ)、今日何処で寝るの?」

樹霧之介(きりのすけ)「ここ広めの庭があったのでそこで寝ようと思います。」

凛華(りんか)「外で大丈夫なの?」

樹霧之介(きりのすけ)「僕、木なので外の方が良いんです。」

凛華(りんか)「そうなんだ。」

志乃(しの)「付いて行こうか?」

樹霧之介(きりのすけ)「1人で行けます。」

志乃(しの)「そうか。おやすみ。」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。おやすみなさい。」

樹霧之介(きりのすけ)は出て行って志乃(しの)達も布団に入る。

今日は歩き回ったのでいつも煩い陽葵(ひまり)も布団に入ると寝てしまった。

皆が寝静まった夜、門の方で誰かが話している。

???「それ、持ち主に返してくれない?」

シーサー雌「気に入ったの返したくない。」

???「だけど先にここのお客さんに牙を向いたのはあなたよね。」

シーサー雌「嫌な匂いがしたんだもん。」

???「だけどそれが悪さしないのは分かってたでしょ?」

シーサー雄「すまないな。こいつは一度興奮するとなかなか収まらないんだ。」

???「それでそれが欲しいのね。」

シーサー雄「そうだ。どうしたら譲ってもらえる?」

???「うーん。」

シーサー雌「いいわ。返す。」

シーサー雄「いいのか?」

シーサー雌「この癖、いつかは自分で直さないといけないもの。」

シーサー雄「それを使えば直せるだろう?」

シーサー雌「これは気持ちを落ち着けてくれるけど、私が望んでいる物とは少し違うわ。」

???「あなたが望んでいるのって何なの?」

シーサー雌「冷静に判断する事よ。落ち着くのと冷静になるのとじゃ少し違うでしょ。だから自分で直さないといけないの。」

シーサー雄「だけど落ち着ければ冷静にもなれるだろう。」

シーサー雌「そうだけどこれ使うと闘争心もどっかいって侵入者に対処できないの。」

???「そうね。それはくつろぎたい時に使う物だから。」

シーサー雄「そうか。なら少し違うな。」

シーサー雌「だから返しに行く。」

???「分かってくれてよかったわ。ありがとう。」

シーサー雌「ううん。最初は我儘言ってごめん。」

???「意外と素直なのね。あなたなら良い門番になれるわ。」

シーサー雌「ありがとう。頑張るから。」

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ