25話
この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。
オリジナルの妖怪が登場することもあります。
素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。
冬休みも終わりしばらくたった頃の帰り道。
陽葵「ねえ、今度のスキー合宿どうする?」
志乃「勉強の方は大丈夫なのか?」
陽葵「息抜きは必要だよ。」
志乃「スキーか。したことないんだよな。」
陽葵「もしかしてできないの?」
志乃「やってみないと分からないな。」
陽葵「ならやろう。」
志乃「、、そうだな。こういう時にお前から目を離すと危ないからな。」
陽葵「私そんなにトラブル起こしてるかな?」
志乃「何で自覚無いんだ?」
スキー合宿当日、知った顔もチラホラいる。
野々香「志乃志乃。一緒に滑ろ。」
志乃「それは午後からだろ。」
午前中は初心者と中級・上級者で分かれてスキーのレッスンを受ける。
野々香「レッスン中も一緒に居ようよ。」
志乃は野々香を無視していると凛華に声を掛けられる。
凛華「浜名瀬さんも参加したんですね。」
志乃「ああ。凛華もなんだな。」
凛華「はい。苦手を少しずつ克服したいんです。」
志乃「スキー苦手なのか?」
凛華「バスケ以外の運動はあんまり、、だから初心者コースを受けます。」
志乃「そうか。私は今回初めてだから初心者コースに応募した。」
野々香「え。そうだったの。」
凛華「そうなんですか?でも浜名瀬さんは中級・上級者コースからでもいい気はします。」
志乃「何でも初めは大事だ。それで気になったんだが何でお前は野々香を避けようとしているんだ?」
凛華は志乃を挟んで野々香に近づこうとしない。
凛華「いや。何か本能というか何というか体がこの人を拒否してしまって、、」
志乃「そう言えば鳥が苦手だったか。」
凛華「え?何かこの人、鳥と関係あるんですか?」
志乃「気にするな。」
陽葵「あ。いたいた浜名瀬さん。」
志乃「遅かったな。」
陽葵「私が準備してたら勝手にいなくなったのはそっちじゃん。」
志乃「不器用なお前を待つ必要はない。」
陽葵「手伝ってくれても良いじゃん。って言うか浜名瀬さん初めてなのに何で準備早いの?」
志乃「見れば分かるだろ。」
凛華「やっぱり浜名瀬さん、中級・上級者コースでも良いんじゃないですか?」
陽葵「凛華も一緒に行く?」
凛華「私は、、ちょっと、、」
志乃「陽葵。お前は中級・上級者コースなんだろ。」
陽葵「うん。一緒に行こうよ。」
志乃「言った通り私は今回初めてだから初心者コースだぞ。」
陽葵「えー。浜名瀬さんならどこでも大丈夫でしょ。今からでも変えれるよ。」
志乃「そろそろ時間だ。凛華行くぞ。」
凛華「は、はい。」
陽葵「浜名瀬さん。むー。」
志乃はさっさと初心者コースの方へ行ってしまった。
野々香「私も今から初心者コース行こうかな。」
陽葵「野々香一緒に行こ。」
野々香「え。私は志乃のとこ行こうと、、」
陽葵「一緒にレッスン受けよ。」
野々香「まあ、陽葵となら良いか。」
志乃は凛華と共に初心者コースに来るがあまり人は多くない。
担当の教師に基礎を教わりながら滑る事に慣れる事から始まった。
凛華はずっと緊張して上手く滑れてないのである程度慣れてきた志乃はそれを見て凛華の隣に付く。
志乃「もう少し力抜けないのか?」
凛華「滑って転びそうで無理です。」
志乃「そうなったら支えるぞ?」
凛華「良いんですか?」
志乃「お前が力を抜けたらな。」
凛華「ならこのまま見守ってくれますか?」
志乃「ああ。」
凛華は力を抜くが特に転ぶ事は無く、滑る事に対する恐怖が薄れて少しずつ滑れるようになっていった。
そしてレッスンも終わりお昼になる。
志乃「良くなったじゃないか。」
凛華「ありがとうございます。」
志乃「私は何もしていないぞ。」
凛華「それでも見ていてくれたから安心して滑れました。」
志乃「そうか。」
凛華「午後も一緒に滑りませんか?」
志乃「まだ心配か?」
凛華「はい。なので見ていて欲しいんです。」
志乃「分かった。」
陽葵「あ、いた。浜名瀬さんと凛華。」
志乃「そっちはどうだった?」
陽葵「野々香が調子乗ってちょっと大変だった。」
野々香「だって速くないとつまんないんだもん。」
陽葵「それで浜名瀬さんは午後の自由時間一緒に滑るよね。」
志乃「先客いるからそっちが先だ。」
陽葵「でも中級者コースの方で妖気感じたんだよ。」
志乃「私も少し感じたが無害だから気にするな。」
野々香「だけどあの子達ちょっと様子変だったよ。」
志乃「どう変なんだ?」
野々香「そわそわしていたというか、こっちをしきりに気にしてた。」
志乃「、、気になるな。」
凛華「何の話ですか?」
志乃「凛華すまない。やっぱり他の人と滑ってくれないか?」
凛華「今回参加している友達はいません。私も中級者コースを滑ろうと思っていました。途中までで良いので見ててくれませんか?」
志乃「、、わかった。約束したからな、途中までは見よう。」
陽葵「浜名瀬さん何で凛華には優しいの。」
志乃「自分から苦手を克服しようとしている人を応援して何が悪い。」
陽葵「そうだったの。何かごめん。」
凛華「いえ。我儘を言っているのは自分でも分かっています。」
志乃「予定が変わってしまってすまないな。」
凛華「それでも約束守ってくれてありがとうございます。邪魔にはならないようにするので。」
志乃「ああ。」
お昼時間が終わって志乃達は中級者コースへ来ていた。
妖気は感じるがその方向を見るだけで隠れてしまい、近づくことは難しそうだ。
野々香「捕まえてこようか?」
志乃「止めろ。怖がらせたくは無い。しばらく様子見るぞ。」
凛華との約束もあるのであちらから動きがあるまではスキーをしながら様子を見ることにする。
凛華はもう滑る事への恐怖はなさそうで楽しそうに滑っている。
志乃「凛華。1人で滑れるか?」
凛華「はい。」
志乃「なら1人で降りてくれるか?」
凛華「それって、、」
志乃「陽葵も降りていいんだぞ。」
陽葵「やだ。」
志乃「、、実践も必要か。」
凛華「気を付けてくださいね。」
志乃「ああ。」
凛華が1人で滑り降りた時、急に吹雪が吹き荒れてまだ上にいた志乃、陽葵、野々香の3名を呑みこんだ。
吹雪はしばらく続き、合宿に参加した生徒達はペンションに戻るが志乃達が戻らないことに先生達は慌てている。
凛華は無事にペンションへ戻れたが志乃達が心配で外を眺めていた。
一方志乃達は、吹雪いてきた時に志乃はすぐに陽葵を抱え込み、吹雪きの風から陽葵を守る。
辺りは一瞬で白一色になり一寸先も見えない。
陽葵「浜名瀬さん。」
志乃「動くな。止むまでこのまま耐えるぞ。」
陽葵「大丈夫なの?」
志乃「しばらくすれば止むだろ。寒いか?」
陽葵「私は大丈夫。だけど浜名瀬さんは?」
志乃「心配するな大丈夫だ。」
しばらくして吹雪が止み周りが見え始めた。
だけどそこは今までいたゲレンデではなく木々が生えた森の中だった。
志乃は体の雪を払い辺りを見回すと木の陰からお爺さんが出てくる。
陽葵「誰?」
志乃「お前か?私達をここに連れてきたのは。」
???「あなた方はわしらが見えるんじゃろ。手伝ってほしい事があるんじゃ。」
陽葵「ねえ、怪しいよ断っても良いんじゃないの?」
志乃「こいつは雪爺、人を迷わせたり悪戯はするが特に危害は加えてこないよ。」
陽葵「そうなの?」
志乃「怖いのは人間の方だよ。何考えているか分からないんだから。」
雪爺「お主はわしを知っとるんか。」
その時、空から雪爺を狙って何かが襲って来たのでそれを志乃は素手で掴んで止める。
志乃「落ち着け野々香。こいつは敵じゃない。」
野々香の背中には翼が生えていて、空から錫杖で殴り掛かって来たのだ。
野々香「そうなの?」
志乃「知り合いが驚かせてすまないな。」
雪爺「あ、ああ。お主ら烏天狗とも知り合いじゃったのか。」
志乃「妖怪については知識がある。手伝ってほしい事とは何だ?」
雪爺「一旦わしらの住処に案内しよう。」
雪爺に案内された所は雪に覆われた洞窟で中は広く、氷で覆われている。
洞窟の中には雪ん子や雪女が何人かいるが誰もが志乃達を見ると怖がって陰に隠れてしまう。
志乃達が雪爺に案内された場所には弱っている雪ん子が3人寝ていてその雪ん子達が寝いる場所は濡れている。
志乃「霜解病か。最近暖冬が続いているみたいだからな。この近くには霜還華は無いのか?」
雪爺「それもご存じで。あるにはあるんですが問題があるんじゃ。」
志乃「問題?」
雪爺「暖冬のせいでそこに一本だたら住み着いてしまってわしらが入ろうとすれば攻撃されるんじゃ。」
志乃「なるほど。霜還華は冷気を出していて涼しいからな。」
雪爺「このままではこいつらももう持たない。」
志乃「こいつらも?他にもいたのか?」
雪爺「もう水になってしまって霜還華でももう戻れんのじゃ。」
陽葵「そんな。」
志乃「4号。雪魂返まだ残っていなかった?後白魂丸も出して。」
志乃に言われて4号は2つの瓶を持って来る。
1つには粉状、もう1つには丸薬が入っている。
雪爺「あんたは何者なんじゃ?」
志乃「昔妖怪の面倒を見ていたことがあるから少し詳しいだけだ。陽葵、丸薬を溶けてるやつに呑ませてやれ。」
陽葵「わかった。」
志乃「水になったやつらはどこだ?」
雪爺「こっちじゃ。」
志乃は粉状の薬が入った瓶を持って雪爺に着いて行くとそこには1つの水瓶が置いてあった。
志乃「私は氷系の妖力を扱えない。誰かの力を借りたいんだが良いか?」
雪爺「ちょっと待っていてくだされ。」
雪爺はさっき志乃達を連れてきた時に妖力を使ってしまい残っていないため雪女を1人連れてきた。
雪女「あの子達を助けられるって本当?」
志乃「お前が協力してくれたらな。」
雪女「何でもするわ。」
志乃「緊張するな。この瓶にお前の妖力で作った吹雪を当てるだけだ。」
雪女「それだけ?」
志乃「ああ。」
志乃は瓶の蓋を開けて瓶の中の粉を振りかけ雪女が吹雪を当てると中の水が凍り始め、人型を取り始めた。
そうして元気になると瓶から1人ずつ出てきた。
雪女「またあなた達に会えるなんて。」
志乃「こっちはこれでよさそうだな。私は陽葵の様子を見てくる。」
雪女は蘇った雪ん子達との再会を泣いて喜んでいる。
志乃が陽葵の方を確認すると寝ていた雪ん子は元気に陽葵と野々香と遊んでいる。
志乃「戻ったか。」
陽葵「浜名瀬さん。この子達元気過ぎだよ。」
志乃「お前よりもか、凄いな。」
雪爺「皆を助けていただいてありがとうございます。」
志乃「雪爺、確認だが私らを連れてきたのは一本だたらのいる場所から霜還華を持って来て欲しいからだったのか?」
雪爺「はい。あやつは年に一度、あの日しか人間に手出しできないので何本か持って来てほしかったんじゃがもう必要は無くなった。」
志乃「一応、雪魂返と白魂丸は置いて行くが霜還華が無いとどちらにしろ危険じゃないのか?」
雪爺「あやつもいつかはどいてくれるでしょう。それまで待ちます。」
志乃「霜還華は育てないのか?」
雪爺「じゃが、霜還華の種はある条件下でしか手に入らん。」
志乃「白魂丸の原料は知らないのか?」
雪爺「まさか。あるんか?」
志乃「4号。持って来て。」
4号は1つの瓶を持って来る。
志乃「育て方は分かるか?」
雪爺「昔とある木霊から教えてもらった事があるんじゃ。」
志乃「そうか。」
雪爺「その木霊は老いた2匹の妖狐を連れておってな、世話になったがわしがここで皆を導きたいと言ったら喜んで送り出してくれた。しばらく会っておらんが元気にしとるじゃろうか。」
志乃「今出した薬もその木霊に聞いたのか?」
雪爺「ああ。材料も作り方も複雑でわしには作れんだがお主が持っていてくれて良かったよ。」
志乃「助けられる方法が分かっているのに何もできないのは歯がゆかっただろ。」
雪爺「全てお主のおかげじゃ。なんとお礼を言えばいいか。」
陽葵「ねえ、浜名瀬さん。そろそろ助けてよ。」
志乃達を警戒していた雪ん子達も出て来て陽葵にまとわりついたり、野々香の風で巻き上がって遊んでいる。
志乃「お前よりも元気なやつの相手なんて無理だ。」
野々香「私は志乃と遊びたい。」
志乃「断る。」
雪爺「お主、志乃と言うんか?」
志乃「そうだ。、、柚子が私の名前言っていたのか?」
雪爺「おお。何という巡り合わせ。お主が柚子が待っていた人か。」
志乃「本当に待っていてくれてたんだな。」
雪爺「会っておらんのか?そう言えば何故すぐに知り合いだと言わなんだ。」
志乃「私が行った時にはもうシロもノラも、、柚子も居なかった。」
雪爺「妖狐達は分かるが柚子もか。」
志乃「あまり言いたいことじゃなかったからすぐには言わなかった。」
雪爺「すまなんだ。」
志乃「だけど代わりに樹霧之介っていう柚子の子供がいるんだ。」
雪爺「そうなのか。じゃがお主が志乃ならこれだけの薬を持っているのも納得した。」
志乃「柚子は私の事なんて言っていたんだ?」
雪爺「よく心配はかけられるけど強くて頼りになる自慢の親友じゃと。」
志乃「、、そうか。」
雪爺「お礼になるかは分からんが今夜泊まっていくか?」
志乃「ああ。もう夜も遅い。山道を歩くのは危険だからお願いできるか?」
雪爺「ゆっくりして行ってくれ。明日はお主らの居った場所まで送ろう。」
志乃「というわけだ陽葵、野々香。そいつらが寝るまで相手してやれ。」
陽葵「えー。」
野々香「もう無理。」
雪爺「ほら。雪ん子達よ客人に迷惑をかけるでない。歓迎の準備をしなさい。」
志乃「別に良いんだがな。」
陽葵「なら浜名瀬さんが相手してよ。」
野々香「それと一本ただらほっといて良いの?」
志乃「近づかなければ何もしないのならあまり退治したくないんだ。」
雪爺「それに一応あやつも山を守っとるんじゃ。下手に手を出して山の均衡を崩したくない。」
野々香「それならしかたないか。」
志乃「種と薬があるんだ。大丈夫だろ。もしまた何かあれば妖ノ郷へ来れば良い。」
雪爺「しばらく行って無いな。」
志乃「そう言えば何で今回は妖ノ郷に来なかったんだ?」
雪爺「わしらの事で恩人に迷惑かけたくなかったからな。」
志乃「もう柚子はいないがあいつらはそんな事気にしない。何かあれば相談しに行ってくれ。取り返しがつかなくなる前にな。」
雪爺「そうじゃな。次はそうする。」
雪ん子1「準備できたよ。」
雪ん子2「来て来て。頑張ったよ。」
雪女「人が食べる物が無かったのであり合わせですが良かったら食べてください。」
雪女と雪ん子達に案内されて志乃達は食卓に着く。
そこには焼き魚や温かい汁物が並んでいる。
陽葵「わーい。お腹ペコペコ。」
志乃「料理とか火は大丈夫だったのか?」
雪女「はい。私も1つ白魂丸を頂いたので大丈夫です。」
志乃「それなら良いんだが。」
野々香「志乃も食べなよ。美味しいよ。」
志乃達は温かい食べ物を食べた後、獣の毛皮が敷いてある寝床に案内された。
それでも少し寒かったので3人で固まって眠る。
朝が来て志乃が一番に起きて他の2人を起こす。
志乃「ほら起きろ。朝だぞ。」
陽葵「もう少し。」
野々香「まだこのまま。」
野々香は志乃の腕を掴んで離さない。
志乃はその腕を振り払い起き上がる。
野々香「ああ。志乃の意地悪。」
雪爺「お目覚めかの。」
志乃「すまないが1名起きていない。すぐに起こすから待っていてくれ。」
雪爺「急ぎではない。まだ寝てても良いんじゃぞ。」
志乃「いや、今私達がいなくなって探している人がいると思うんだ。早めに帰りたい。」
雪爺「すまんな。助けてくれたのに迷惑かけたの。」
志乃「いやいい。このままじゃ雪ん子達は全員水になっていただろ。」
雪爺「本当に助かった。何度お礼しても足りんよ。」
志乃「気にするな。ほらさっさと起きろ陽葵。」
陽葵「後5分、、」
志乃は陽葵を叩き起こし雪爺にゲレンデまで送ってもらう。
予想通り捜索隊が準備していたのですぐに駆け寄り無事を伝える。
先生「どこ行ってたの?心配したんですよ。」
志乃「すみません。いきなり吹雪が吹いてきて自分の場所が分からなくなったまま夜が来てしまったので明るくなるまで待っていました。」
先生「あの吹雪、急に吹いてきたものね。3人とも無事でよかったわ。」
先生にも納得してもらえたので朝食を食べて帰りの時間になる前にスキーを楽しむ。
凛華「浜名瀬さん。」
志乃「約束守れなかった分、滑るか?」
凛華「大丈夫でしたか?あの、大丈夫だとは思っていましたが、あの、、」
志乃「心配してくれてありがとうな。全員無事だよ。今はスキーを楽しもう。」
凛華「は、はい。それで、少し上級者コース行ってみても良いですか?」
志乃「慣れて来ているから大丈夫じゃないのか?」
凛華「一緒に滑ってくれますか?」
志乃「そのつもりだが?」
陽葵「あ、ずるい。私も行く。」
野々香「どこ行くの?私も行く~。」
志乃達は上級者コースへ行きスキーを楽しむ。
女性4人だったのでナンパする人もいたがどこからともなく雪玉が飛んできて撃退される。
凛華は不思議そうな顔をしていたが陽葵と野々香はそれを見て笑っている。
そんな事をしていると帰る時間になりバスの中。
志乃の隣には陽葵が座っている。
陽葵「ねえ。私妖怪の事もっと知りたい。」
志乃「急にどうした?」
陽葵「妖怪って弱ければ保護して強ければ退治するものだと思ってた。」
志乃「違うぞ。」
陽葵「うん。そんな単純なものじゃなかった。」
志乃「分かってもらえて何よりだ。」
陽葵「だから教えて。」
志乃「分かった。帰ったら私がこれまでに出会った妖怪達を記した本があるからそれを書き写せ。」
陽葵「え?」
志乃「ただ教えるよりその方が覚えれるだろ。」
陽葵「待って。その前にそれどのくらいあるの?」
志乃「見れば分かる。陽葵がやる気になってくれて良かったよ。」
陽葵「え。あの。」
志乃「薬や道具を記したものもあるからそれもするか?」
陽葵「いや。それは、、」
バスは進み、翠嶺町へ帰って来た。
次の日。
休日だったので志乃はそこそこ分厚い本を一冊持って陽葵の家を訪ねる。
陽葵「浜名瀬さん。もしかしてこれ全部?」
志乃「いや。全部で3冊ある。」
陽葵「これいつ終わるの?」
志乃「お前次第だろ。」
陽葵「こんなにいるの?」
志乃「今は見ない妖怪もいるが覚えておいて損は無い。」
陽葵「覚えれるかな。」
志乃「最低でも姿と名前だけは憶えろよ。」
陽葵「嘘でしょ。」
志乃「覚えたいと言ったのはお前だ。」
陽葵「そうだけど。」
志乃「分からないことがあればスマホでメッセージを送ってくれていい。」
陽葵「送っても良いの?」
志乃「あくまで分からないことがあれば、だ。」
陽葵「うう。言わなきゃよかった。」
志乃「何か言ったか?」
陽葵「何でもありません。」
陽葵は今度から志乃には余計な事は言わないように気を付けようと思った。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。




