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浜名瀬志乃の学び舎日誌  作者: 火乃香


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13/92

7話

この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。

オリジナルの妖怪が登場することもあります。

素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。

志乃(しの)は人魚の不老不死は呪いだった事を避けて話した。

黒根(くろね)「本当、お主が呪いで灰になったって聞いたときは驚いたがそう言うことじゃったか。」

志乃(しの)「本当はもっと早く起きるはずだったんだけど、思っていたより解呪に手間が掛かかって、、」

黒根(くろね)「それはもういいがお主はこれからどうするんだ?」

志乃(しの)「まずは残りの呪いの解呪と霊力の回復だろ。」

黒根(くろね)「それから?」

志乃(しの)「それからって、何かあるか?」

黒根(くろね)「お主と出会った時の目的は普通の人間に戻る事だったはずじゃ。」

志乃(しの)「そうだったな。」

黒根(くろね)「それはどうするんじゃ。」

志乃(しの)「、、まだ方法は分からない。」

黒根(くろね)「そうか。」

志乃(しの)「まあ、急ぐことじゃないから。」

黒根(くろね)「お主がそういうのであれば良いが。」

樹霧之介(きりのすけ)浜名瀬(はまなせ)さんは何で戻りたいんですか?」

志乃(しの)「聞きたい?」

樹霧之介(きりのすけ)「あ、いや。ただの興味本位なので言いにくいなら大丈夫です。」

志乃(しの)「そうか。もし知りたいと言っていたら今日の記憶を消さなくてはいけなかったんだが。」

樹霧之介(きりのすけ)「怖い事言わないでくださいよ。本当に言わなくて良いですから。」

黒根(くろね)「志乃。あまりからかわないでやってくれ。」

志乃(しの)「ごめん、ごめん。しんみりしてたからさ。」

黒根(くろね)「そうじゃな。」

樹霧之介(きりのすけ)「術の方は否定しないんですね。」

志乃(しの)「それはできるからね。」

黒根(くろね)「昔はちょくちょく世話になってたな。」

樹霧之介(きりのすけ)「何の為に?」

志乃(しの)「それは、、まぁ。」

黒根(くろね)「今言う事でもなかろう。」

樹霧之介(きりのすけ)「そ、それなら、他にもできる事あるんですか?」

志乃(しの)「何かしてみたい事でもあるのか?」

樹霧之介(きりのすけ)「一度、父と外を散歩したいなと。」

黒根(くろね)は精神を本体である切り株から分離している状態で、本体からは離れられないのだ。

志乃(しの)「…。」

黒根(くろね)「…。」

樹霧之介(きりのすけ)「あ、忘れて下さい。」

志乃(しの)「本体を掘り起こせば、ワンチャン、、」

黒根(くろね)「息子の為なら。」

樹霧之介(きりのすけ)「やめて!忘れて下さいって!」

志乃(しの)「嘘嘘。だけど私だって黒丸(くろまる)に元に戻ってて欲しいから方法は探してみるよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「ありがとうございます。」

志乃(しの)「じゃあまず私の精気吸ってみる?」

黒根(くろね)「いや。遠慮する。」

志乃(しの)「何で?管狐(くだぎつね)達はこれで元気になったのに。」

黒根(くろね)「お前まだ本調子じゃないじゃろ。怪我の回復も遅かった。本来精気を吸われた人間は体調を崩すものだ。精気を吸われてもお主が元気なのは人魚の力あってのものなのにその効力が低い時に危険は冒せんよ。」

志乃(しの)「そうだね。ごめん。ふざけすぎた。」

黒根(くろね)「悪ふざけはほどほどにするんじゃな。」

志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)もごめん。期待させて。」

樹霧之介(きりのすけ)「いえ。いつか父を戻す方法を探してくれるって思っていますから。」

志乃(しの)「うん。それは期待してて。」

樹霧之介(きりのすけ)浜名瀬(はまなせ)さんはこれから何か用事はありますか?」

志乃(しの)「今日は無いな。どうしたの?」

樹霧之介(きりのすけ)「一緒に歩いてもらっても良いですか?」

志乃(しの)「もちろん。どこ行く?」

樹霧之介(きりのすけ)「なら、浜名瀬(はまなせ)さんのお屋敷見てみたいです。」

志乃(しの)「良いよ。霊力の消費抑えるために場所は固定してあるからそこまで歩いて行こう。」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。」

志乃(しの)「と言うわけで黒丸(くろまる)。出かけてくるね。」

黒根(くろね)「ああ、樹霧之介(きりのすけ)の事よろしく頼む。」

志乃(しの)樹霧之介(きりのすけ)は手を繋いで人間界の道を歩く。

志乃(しの)「ねえ。」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。何でしょう?」

志乃(しの)「何で散歩したいって思ったの?」

樹霧之介(きりのすけ)「それは、、」

志乃(しの)「言いにくい事ならいいよ。ちょっと気になっただけだから。」

樹霧之介(きりのすけ)「いえ、僕の我儘に付き合ってもらってるんです。話します。」

志乃(しの)「言いたく無い事は省いて良いからね。」

樹霧之介(きりのすけ)「大丈夫です。僕、初めて人型を取れた時、父の目を盗んで外、人間界に来た事があるんです。」

志乃(しの)「意外と悪ガキだね。」

樹霧之介(きりのすけ)「悪いとは思ったんです。」

志乃(しの)「良い意味での悪ガキだよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「悪なのに良いんですか?」

志乃(しの)「うん。親に縛られ過ぎずに自分の思った事をしているんだから。それで人間界で何かあったの?」

樹霧之介(きりのすけ)「はい。その時は夕方で両親と手を繋いで歩いている子供を見ました。」

志乃(しの)「へー、何かの帰りだったのかな。」

樹霧之介(きりのすけ)「それがなんか羨ましくて。僕も父と一緒に何処か見た事ない景色が見てみたいなと思ったんです。」

志乃(しの)「なるほどね。」

樹霧之介(きりのすけ)「妖怪は基本家族はいない事が多いのでこんな事思うのはおかしいかなって。」

志乃(しの)「そう言えば柚子(ゆず)も昔、人間の家族見て羨ましいって言ってた事あったな。」

樹霧之介(きりのすけ)「そうなんですか?」

志乃(しの)「そうそう、その時の黒丸(くろまる)の反応面白かったな。」

樹霧之介(きりのすけ)「その話もう少し詳しく聞いても良いですか?」

志乃(しの)柚子(ゆず)が私達妖怪は家族って別に作らなくても良いけど憧れるな。って言ってたのを聞いた黒丸(くろまる)が本物になれるかわからないけど俺も同じ気持ちだ。って。柚子(ゆず)は、はっ?て顔してたから黒丸(くろまる)は、忘れろっ!て顔赤くして木の中に籠ってさ、しばらく出てこなくて焦ったよ。」

志乃(しの)は演技混じりに話し、樹霧之介(きりのすけ)は笑いながら聞いている。

樹霧之介(きりのすけ)「仲良かったんですね。」

志乃(しの)「そうそう。あ、着いたよ。」

そう言って止まったのは少し年季の入ったアパートだった。

志乃(しの)「空間の出入り口開けたままだと人が入り放題だから鍵付きの安い所借りたんだ。」

志乃(しの)が鍵を開けて入ると物がなくて生活感は無いが清潔にはしているワンルームの普通の部屋がある。

志乃(しの)「こっちだよ。」

部屋の押し入れを開けたら別空間に繋がる出入り口があり、そこを通ると大きな屋敷の門に出る。

樹霧之介(きりのすけ)「すごい。」

志乃(しの)「時間停止の術をかけているから劣化はしないよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「長い時間を生きる浜名瀬(はまなせ)さんだから考える事なんでしょうか。」

志乃(しの)「、、そうだね。」

樹霧之介(きりのすけ)「すみません。変な事言いましたよね。」

志乃(しの)の素っ気ない返事に気に障ったかもと樹霧之介(きりのすけ)は謝る。

志乃(しの)「いや、樹霧之介(きりのすけ)の家でも言ったけど浜名瀬(はまなせ)は黒歴史である破魔凪(はまなぎ)からの名前だからあまり呼ばれたく無いんだよね。」

樹霧之介(きりのすけ)「そうですね。なら志乃(しの)さんで。」

志乃(しの)「うん。ありがとう。」

樹霧之介(きりのすけ)「だけど1つ聞いて良いですか?」

志乃(しの)「何を?」

樹霧之介(きりのすけ)「何でわさわざ、黒歴史の名前を苗字にしたんですか?」

志乃(しの)「他に思い付かなかったからっていうのと漢字も違うし、一文字変えたから気にならないと思ったんだけど。意外に浜名瀬(はまなせ)呼びが多くて少し後悔しているんだよね。」

樹霧之介(きりのすけ)「そうだったんですね。」

志乃(しの)「まぁ、この話は終わりにして屋敷の中案内するよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「お願いします。」

2人は屋敷を一回りする。

樹霧之介(きりのすけ)は見た事ない物に興味津々だ。

人型をとる妖怪の殆どは精神に影響された姿になる。

普段は大人びた行動をしている樹霧之介(きりのすけ)も本当は好奇心旺盛な子供と同じ精神を持っているんだろう。

志乃(しの)「どうだった?」

樹霧之介(きりのすけ)「色々見れて楽しかったです。」

志乃(しの)「なら良かった。もう遅いし、送って行くよ。」

樹霧之介(きりのすけ)「いえ、夜は僕達妖怪の時間です。これ以上迷惑もかけられませんし、1人で帰れます。」

志乃(しの)「そう?」

樹霧之介(きりのすけ)はそう言うが心配で志乃(しの)は7号にこっそり後をつけさせるが特に何も無く帰れたようだった。

明日も休みなので今日できなかった分の解呪も明日しようと祭壇だけ整えて志乃(しの)は眠りについた。

朝早くからアパートのピンポンが鳴る。

ドアを開けるとそこには警察が2人立っていた。

警察1「お1人ですか?」

志乃(しの)「いいえ、娘も居ります。」

志乃(しの)は今大人の姿で高校生の志乃(しの)の住所をここにしていたのでつじつま合わせのため嘘をつく。

警察2「今娘さんは?」

志乃(しの)「呼んだ方が良いですか?」

警察1「いいえ。私達この近くで起こった窃盗事件を調査していまして、何か見ていないかと聞いて回っているんです。」

志乃(しの)「そうだったんですね。いつの話ですか?」

警察1「一昨日の夜です。この近くの神社から掛け軸等数点が盗まれました。」

志乃(しの)「一昨日、、」

一昨日の夜は夜刀神(やとのかみ)と戦っていた時間だ。

志乃(しの)「一昨日はこの町にいませんでしたね。」

別空間にいたから嘘はついていない。

警察2「どういうことですか?」

志乃(しの)「あ、ここ娘が住んでいるアパートで今日は泊めてもらったんですよ。」

警察2「娘さん1人暮らしなんですか?」

志乃(しの)「仕事の関係で仕方なく。心配でこうやって見に来てはいるんですよ。」

警察2「そうだったんですね。最近2,3日くらいですが失踪する人がいるので娘さんにも気を付けるよう言っておいてくださいね。」

志乃(しの)「あ、はい。」

心当たりのある事に少しドキッとする。

警察1「それで娘さんは何か見たとかは言っていませんでしたか?」

志乃(しの)「暗くなるまでには家に入るよう言っていますから見ていないとは思いますが何かあれば相談しにいきます。」

警察1「わかりました。よろしくおねがいします。」

志乃(しの)「それにしても神社の物を盗むなんて罰当たりな犯人ですね。」

警察1「本当に、歴史ある物ばかり盗まれているんですよ。」

志乃(しの)「へー。」

警察2「それくらいにして次行くぞ。」

警察1「あ、はい。それではこれで。」

警察は頭を下げて他の人の話を聞きに行った。

志乃(しの)は屋敷に戻って解呪を始める。

使える霊力のギリギリまで解呪を進めて疲れたので甘い物でも買いにコンビニへ歩いて行く。

あまり人の通らない道を歩いているといきなり叫ばれる。

???「女だ。女がいる。」

志乃(しの)「何?」

声の方を見ると2人の男性がいて、何かに怯えている男性をもう片方の男性が宥めている。

男性1「おい、大丈夫か?しっかりしろ!」

怯えている男性は志乃(しの)を見て怯えているらしい。

志乃(しの)が不思議そうに見ていると宥めている男性が声をかける。

男性1「すみません。何でもないので通り過ぎて下さい。」

志乃(しの)「あ、はい。」

今の志乃(しの)は霊力がほぼ無い状態なので肩に乗っている12号以外の管狐(くだぎつね)達を連れて来ていない。

気にはなるが今は何もできないのでスルーする事にする。

通り過ぎて遠くから少し見ていると怯えていた男性は落ち着いて来たみたいだ。

陽葵(ひまり)「あれ?浜名瀬(はまなせ)さん。奇遇ですね。」

志乃(しの)陽葵(ひまり)こそ、こんな所で何しているんだ?」

陽葵(ひまり)「日課のランニング!今日は寝坊したから遅い時間だったけどレアな大人の浜名瀬(はまなせ)さん。しかも私服姿が見れたから良かったと思ってます。」

志乃(しの)「そうか。」

陽葵(ひまり)「それで、浜名瀬(はまなせ)さんは何してるの?」

志乃(しの)「コンビニでも行こうかなと。」

陽葵(ひまり)「ほぉ、なるほど。つまり浜名瀬(はまなせ)さんの家はこの近くの可能性があると。」

志乃(しの)「ストーカー。」

陽葵(ひまり)「冗談です。嫌わないで!」

志乃(しの)「それはもう遅い。」

陽葵(ひまり)「え?」

志乃(しの)「もう良いだろ。折角の休日なんだから。」

陽葵(ひまり)「休日なら話しても良いんじゃないの?」

志乃(しの)「はいはい。」

陽葵(ひまり)「そんな態度ならこの辺りの建物調べるだけだから。」

そう言って陽葵(ひまり)は走って行く。

志乃(しの)「あ、そっちの方は、、」

陽葵(ひまり)はさっきの2人組の男性の前を通るが怯えていた男性は無反応だった。

怯えているのは大人の女性だけなのか?

まあ、わからない事を考えても仕方ない。

志乃(しの)はコンビニへ行って適当なスイーツを買った帰り道、既にあの男性達はいなくなっていた。

陽葵(ひまり)がいないかを確かめてアパートへ入り屋敷の自室で買ってきた物を広げると管狐(くだぎつね)達が寄ってくる。

最近精気をあげれてないのでたまにこうして食べ物を食べさせている。

今回は味噌饅頭を2個買ってきたので1個を6等分して1切れずつあげる。

あげ過ぎると増えるのでこれで丁度良いのだ。

大百足(おおむかで)はあの巨体で少食なので調子の良い時に少し精気を吸わせている。

志乃(しの)はプリンを1つ食べて休むと霊力も回復してきたのでさっき気になった男性達の調査をする事にする。

あの男達に見つかってまたパニックになられても困るので8号に高校生の姿にしてもらう。

5号の探知能力を使うため、男性達の特徴を伝えると外に出て町中を飛んで戻ってくると、志乃(しの)を近くのアパートに案内する。

早速そのアパートに7号を潜入させて戻って来るのを待つ事にした。

陽葵(ひまり)「あ、浜名瀬(はまなせ)さん見つけた。高校生の姿になったんだ少し残念だな。」

志乃(しの)「げっ。」

志乃(しの)陽葵(ひまり)に見つかりつい、声を出してしまう。

陽葵(ひまり)「その反応は酷くない?」

志乃(しの)「いや、何でもない。」

陽葵(ひまり)「ふふふ。でも浜名瀬(はまなせ)さんはここに住んでいるのか。」

志乃(しの)「違う。」

陽葵(ひまり)「いやいや、隠さなくて良いよ。浜名瀬(はまなせ)さんの部屋はどこかな。」

その時探索の終わった7号が返ってくる。

陽葵(ひまり)「この子って浜名瀬(はまなせ)さんの。」

志乃(しの)「こんな事していて私の課題はしているのか?」

陽葵(ひまり)「ちゃんとしてるよ。」

志乃(しの)「本当に?」

陽葵(ひまり)「今日の分はまだだけど。」

志乃(しの)「今すぐ帰れ。」

陽葵(ひまり)「えー。」

志乃(しの)「不真面目で他人の私生活を探る人間につける修行は無いぞ。」

陽葵(ひまり)「ごめんなさい。」

陽葵(ひまり)はトボトボと帰って行った。

7号の見てきた風景を2号が映し出すとあの男達の部屋には掛け軸や屏風が置いてあり、今朝の警察が言っていた泥棒の可能性がある。

そして志乃(しの)が気になったのは屏風だった。

屏風には女性の絵が描かれており、妖気も出ている。

画霊(がれい)という妖怪がいる。

その妖怪は屏風に宿っていて自身の屏風を雑に扱われるのを嫌う妖怪だ。

扱いに気を付ければ特に何もしないが、雑に扱えば丁寧に扱われるまで夜な夜な現れる。

だが現れるだけで特に何もしないのに何故、あの男性は関係の無い女性にまで恐怖するようになったのか。

まぁ、神社に返されれば画霊(がれい)は出なくなると思うので警察に言って逮捕してもらえば解決するだろう。

だが志乃(しの)は後に犯人に会わなかった事を後悔する事になる。

警察へ説明する為の口実を考えながら警察署へ歩いて行く。

志乃(しの)「すみません。」

警察「何でしょうか。」

志乃(しの)「今朝、母から近くであった窃盗の話を聞いて心当たりがあったので相談したいんですが。」

警察「情報提供ですね。ありがとうございます。」

志乃(しの)「一昨日の夜、ちょっと小腹が空いてコンビニ行った帰りなんですが怪しい男性2人が近くのアパートに入って行くのを見たんです。」

警察「そうなんですね。どう怪しかったんでしょうか。」

志乃(しの)「何か大きい荷物を持っていました。暗いのに引越しかな?なんて思っていましたが今思えば盗品を運んでたんじゃ無いかなって。」

警察「なるほど、詳しい場所を教えてくれますか?」

志乃(しの)「はい。」

志乃(しの)は例のアパートの場所と部屋番号まで伝えて警察署を出る。

夜に出歩いた事を少し注意されたが明日にでもあの部屋は調べられるだろう。

今回はこれ以上の出番は無いと思い自身のアパートへ帰り一息ついた。

次の日、学校があるので登校するが陽葵(ひまり)の姿が無い。

管狐(くだぎつね)に探させるか考えていると朝礼が始まりそこで陽葵(ひまり)の話が出てきた。

先生の話によると昨日の夕方に陽葵(ひまり)が神社に忍び込んだ泥棒の住んでいるアパートの部屋に突入し、泥棒はそのお陰で逮捕できたんだそう。

今は警察署で事情聴取を受けていて、昼から登校するらしい。

最後に先生は無謀な事はせず、警察に相談する事と注意喚起して朝礼は終わった。

陽葵(ひまり)はあのアパートの部屋が志乃(しの)の部屋だと勘違いして突入していたのだ。

志乃(しの)陽葵(ひまり)が登校したらいつも以上にうるさいだろうと予想していたが陽葵(ひまり)が登校すると英雄扱いを受けて志乃(しの)の所に来る余裕は無かった。

だが放課後に待ち伏せされて恨み言を言われる。

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さん酷い!」

志乃(しの)「勝手に勘違いして勝手に突っ込んだのはお前だろ?」

陽葵(ひまり)「だって浜名瀬(はまなせ)さんの管狐(くだぎつね)があの部屋から出てきたもん!」

志乃(しの)「だったら余計に違うってわかるだろ。」

陽葵(ひまり)「何で?」

志乃(しの)管狐(くだぎつね)はいつも竹筒に入っているからだ。」

陽葵(ひまり)「あ。」

志乃(しの)「人の私生活探るから罰が当たったんだ。もう少し大人しくしろ。」

陽葵(ひまり)「むー。」

志乃(しの)「それより昨日の分の課題はできたのか?」

陽葵(ひまり)「それは、浜名瀬(はまなせ)さんじゃなかった。泥棒の所に行く前に終わらせた。」

志乃(しの)「そこら辺はしっかりしているんだな。」

陽葵(ひまり)「もちろん。」

志乃(しの)「その頭をもう少し他に回せないのか?」

陽葵(ひまり)「できたら苦労してない。」

志乃(しの)「取り返しのつかない事が起こってからじゃ遅いんだ。もう少し考えてから行動しろ。」

陽葵(ひまり)「同じ事、親にも警察にも言われた。」

志乃(しの)「なら気を付けろよ。」

陽葵(ひまり)「結果的には泥棒も逮捕されて良かったじゃん。」

志乃(しの)「人には怪我するなって言っておいて自分は良いのか?」

陽葵(ひまり)「ごめんなさい。」

志乃(しの)「わかればいいんだ。」

陽葵(ひまり)「だけどもっと浜名瀬(はまなせ)さんに近づきたくて。」

志乃(しの)「ある程度の距離は必要だろ。」

陽葵(ひまり)「何で?」

志乃(しの)「近づき過ぎれば苦しいからだ。」

陽葵(ひまり)「そうなの?」

志乃(しの)「狭い場所。例えば掃除道具の入っているロッカーあるだろ?」

陽葵(ひまり)「うん。」

志乃(しの)「あそこで2人で入るとする。」

陽葵(ひまり)「ドキドキするね。」

志乃(しの)「いや、窮屈だろ。」

陽葵(ひまり)「そう?」

志乃(しの)「とにかく、窮屈だと苦しいだろ。」

陽葵(ひまり)「うん。」

志乃(しの)「苦しい場所には行きたくないだろう?」

陽葵(ひまり)「つまり浜名瀬(はまなせ)さんは私といると苦しいの?」

志乃(しの)「近づき過ぎればな。」

陽葵(ひまり)「つまり、それは、、恋?」

志乃(しの)「何でだよ。」

陽葵(ひまり)「まあ、今回の事で私も反省したよ。」

志乃(しの)「そうか。」

陽葵(ひまり)浜名瀬(はまなせ)さんが教えてくれるまで待とうと思う。」

志乃(しの)「それは良かった。」

陽葵(ひまり)「だから教えて。」

志乃(しの)「何でそうなる。」

陽葵(ひまり)「教えて。」

志乃(しの)「駄目だ。」

そんな事を話していると屋根の上から視線を感じる。

視線の真下に来た時何かが飛びかかってきたので志乃(しの)はそれを片手でキャッチする。

飛びかかって来たそれは猫姿の(ほむら)だった。

陽葵(ひまり)「猫?可愛い!」

そう言えば陽葵(ひまり)(ほむら)の猫の姿はまだ見ていない。

志乃(しの)「何の用だ?(ほむら)。」

陽葵(ひまり)「え?これ(ほむら)さんなの?」

(ほむら)「なぁ、志乃(しの)。俺に修行をつけてくれ!」

志乃(しの)「時間はあるから良いがお前は大丈夫なのか?」

(ほむら)「大丈夫って?」

志乃(しの)(ほむら)の首根っこを掴んだまま後ろに向ける。

志乃(しの)「お前の保護者がカンカンだぞ。」

そこには鬼の様になっている(しずく)がいた。

挿絵(By みてみん)

(しずく)浜名瀬(はまなせ)さん達に迷惑かけないって約束したわよね。」

(ほむら)「迷惑はかけてない。俺だって強くなりたいんだ。」

志乃(しの)(しずく)、迷惑じゃ無いから落ち着いて。」

(しずく)「、、はい。」

志乃(しの)(ほむら)もこのままじゃいけないと思って頼ってくれたんだ。時間もあるし付き合うよ。」

(しずく)「そう言ってくれるなら。」

陽葵(ひまり)「なら私も!」

志乃(しの)「あ、陽葵(ひまり)は課題1週間追加で。」

陽葵(ひまり)「えー。」

志乃(しの)「あんな事してペナルティー無いと思った?」

陽葵(ひまり)「ごめんなさい。」

志乃(しの)「わかったら今日の分やりなさい。」

陽葵(ひまり)「はーい。」

そう言って陽葵(ひまり)はトボトボと帰って行った。

志乃(しの)(しずく)、迷惑って言うのはああゆうやつだ。自身の成長の為に誰かに頼るのは何も悪くない。」

(しずく)「だけど陽葵(ひまり)も成長しようとしているんじゃないの?」

志乃(しの)「他人のプライバシーを探るのは成長ではない。」

(しずく)「何があったかは知らないけど聞かないでおくわね。」

志乃(しの)「助かる。それで(ほむら)の修行だけど広い所が良いな。そうだ。」

(ほむら)の修行のため場所を移す。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

このシーン絵にしたら面白そうと思って描いてみたけど何か違う。


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