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BomB 〜巨乳ギャルとイケメン転校生(?)の日常〜  作者: じゃがマヨ
EP2.なんでも言うこと聞くってマジ?
34/34

第34話



 「うまい酒と肴さえありゃ、人生の大半は楽しめる」


 「それ、コーさんの理論でしょ」


 「アズサも大人になったやわかっさ。なあ、新人!わいはまだ酒は飲まんのか?」


 「少し程度なら」


 「今日買う酒を飲んでみい。人生が変わっど」



 中村酒造が作っている地酒、『中村屋』。


 私も一度味見したことがある。


 小さいグラスに入れてもらって、ほんの少しだけ。


 お酒の美味しさなんてわからない。


 坂もっちゃんに勧められた時、そう思ってた。


 アルコールの味は苦手だったし、酎ハイだって、別に美味しいとは思えなかった。


 飲めないことはないかなって感じだった。


 それが、嘘みたいに思えて。



 「あんたも味わってみなよ。私でも“美味しい”って思えたから」


 「日本酒か?」


 「うん」


 「俺もいくつかの銘柄を嗜んだことがある。九州であれば熊本の産土 (うぶすな)であったり、長崎のよこやま (ヨコヤマ)であったりな」


 「産土を知っちょっとか!ありゃあうまい酒じゃってな」


 「…あのさ、結構知ってるよね?」


 「何がだ?」


 「日本のことっていうか、さっきの宮崎弁もそうだし」


 「師匠に色々教わったと言っただろう。とくに“言語”は、日本という文化を知る上では最も重要な要素の一つだ」


 「それで宮崎弁を?」


 「宮崎弁だけでなく、北九州弁も、薩摩弁もそうだ。まだまだ知識が足りない部分は多いが、ある程度は網羅しているつもりだ」



 

 海沿いの県道10号線を走りながら、佐土原という場所を目指す。


 宮崎市の北側にあって、車で20分くらい。


 海岸線の道に、背の高い椰子の木が規則正しく並んでいる。


 時間が経つにつれ、空がだいぶ明るくなってきた。


 朝の冷たい空気が日差しの中に溶けこんでいく。


 車の通りはほとんどなかった。


 朝が早いっていうのと、土曜日っていうことで。


 長閑な時間の流れが、車のエンジン音の向こうに続いていく。


 ポカポカした陽気と、果てしなく続く道。


 酒屋に着いた後、頼んでいたものを車に積んで、今度は国道10号線へ。


 コーさんの奢りで、道なりにある牛丼屋に寄った。


 マックか牛丼かで話になって、私は牛丼派だった。


 デクはハンバーガーを食べたそうにしていたが、近くのマックだと反対の方向に行くか、市内の方にだいぶ戻らないといけなかった。


 それで牛丼になった。


 

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