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BomB 〜巨乳ギャルとイケメン転校生(?)の日常〜  作者: じゃがマヨ
EP2.なんでも言うこと聞くってマジ?
27/34

第27話


 私の部屋は、透先輩の部屋の隣にあった。


 階段を上がって、まっすぐ進んだところの突き当たり。


 住み込みの人たちを住まわせているっていうだけあって、家の作りは広々としていた。


 横長で、奥に広い。


 私の部屋は13畳ぐらいあって、1人で寝泊まりするには快適すぎる広さだった。


 ベットはキングサイズで、おまけに低反発クッション付き。


 ただちょっと風通しがいいと言うか、冬は寒かった。


 暖房をつければいい話なんだが、家自体が古いせいで、外からの風が家の隙間からよく入るんだ。


 廊下も壁もひんやりしてるし、部屋以外の空間がめちゃくちゃ寒くて。



 夏場は快適だった。


 正直、冷房をつけなくてもいいくらい。


 まさか、扇風機をフル活用するなんて思わなかったよ。


 扇風機なんて旧石器時代の遺物だと思ってた。


 それが、まさかMVP級の活躍をするとは…



 「隣に先輩がいるから、会ったら挨拶くらいしてね」


 「先輩…?先輩というのはこの職場の人か?」


 「そうだよ。くれぐれも失礼のないように」


 「そうか。ではそうさせてもらおう」


 「頼むから変なこと言わないでよ」


 「変なことというのは?」


 「“使用人”とか、“ボディーガード”とか、その他諸々。全部私が説明するから」


 「俺が言うと何か問題でもあるのか?」


 「問題だらけよ!“あんたが勝手についてきてる”っていうことを、今一度頭に入れておいて!そもそもこの場所にいること自体まだ認めてないんだからね!?」


 「…そうか」


 「全部仕方なくよ!仕方なく!何言っても言い返してくるし、やり取り自体めんどくさいから放ってるだけ」


 「それは申し訳ない」


 「本当に申し訳ないと思ってるんだったら、もう少しこっちのこと考えてね!?いつまでいんのか知んないけど、“歩み寄る”っていう努力ぐらいして!」



 デクは申し訳なさそうに無言で頷き、その場に正座した。


 本当に申し訳ないと思ってるんだろうか…


 歯磨いてさっさと寝よう。


 目覚ましは5時にセットした。


 明日は宮崎港に行って、魚の買い出しに行かなくちゃいけない。

 


 デクは座った状態で睡眠を取るそうだった。


 入り口と窓にセンサーを設置し、侵入者があった瞬間にすぐに対応できるよう、最大限の警備システムを構築した上で。


 デクのせいで、一夜にして私の部屋が要塞と化してしまった。


 ガラスは防弾製のナノファイバーマットを敷かれ、ドアノブや廊下には振動を検知する振動センサーも。


 本当は“寝る場所を特定されること自体危険”だということで、彼がいくつかプランを用意していたみたいだったんだが、全部却下した。


 少しだけ、彼のことで分かったことがあるんだ。


 デクは自分の仕事を誇りに思っていて、過剰すぎるほどに絶対的な自信を持っている。


 任務を完璧に遂行することしか頭になくて、反面、任務を遂行する上での難易度を、“高く設置しがちだ”ということに。


 エージェント・フィクサーだかなんだか知らないが、そこで優秀な成績を収めてるんだったら、家を特定された環境下でも守ってみなさいと要求したら、思いの外意外な反応をしたんだ。


 彼が言う“合理的”な手段を取るならば、わざわざ火の中に飛ぶこむような真似はしない。


 合理的な手段を選ぶなら、私をおぶってでも彼の「プラン」とやらに連れて行くのが筋でしょ?


 でも、その選択肢を取る前に、彼は深く考えたあと、こう言った。


 「試してみよう」


 と。


 その表情からは“俺に不可能な仕事はない”と言わんばかりの不敵な自信が垣間見えた。


 多分、彼の性格なんだろう。


 自分の目が行き届く範囲であれば、ある程度私の要求を呑んでくれる。


 逆に自分の目が行き届かないことに関しては、どんな要求でも呑んでくれない。


 風呂場に時にそう思った。


 何が何でも中に入ってくる割に、服を脱げと言えばすんなり脱ぐし…



 ああああ



 思い出しただけでも嫌になる。


 とにかく早く寝よう。


 デク、電気消して!


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