表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BomB 〜巨乳ギャルとイケメン転校生(?)の日常〜  作者: じゃがマヨ
EP1.付き人なんて雇ってません!
16/34

第16話



 私は、自分が「何者か」を探そうと思ってた。


 この旅館に来て働こうと思ったのは、ある意味、自分探しに来たと言っても過言じゃない。


 親父はあんなだし、母親はパチンコに入り浸って、ろくに帰ってきやしない。


 なんで自分が生まれてきたのか、時々考えることがあった。



 勉強して“いい学校”に入れば、将来が明るくなる。



 そんな漠然とした言葉に促されるように、一日中机に向かった。


 朝も夜も、自分が何をしたいのかも、よくわからないまま。



 家を出たいと思い始めたのは、中3の頃だった。


 全国でも有数の難関私立中学、桜蔭中学校。


 東京大学への進学者数日本一を誇る名門女子校に入っていた私は、そのまま桜蔭学園高校に進学するのが既定のルートだった。



 だけど、嫌だった。



 親父だけじゃなく、周りは猛反対だった。


 せっかく桜蔭中学に入学できたのに、高校に行かないなんて、“勿体なさすぎる”って。


 たまたまネットで見つけたんだ。


 家族との思い出は少ないけど、姫乃温泉に来た時のことは、よく覚えてた。


 親父は九州生まれで、実家のある日南市への帰郷の道中だった。


 空港からすぐ近くにあるこの場所には、若い頃に親父がよく来ていたそうだった。



 『住み込みバイト生、募集』



 スマホ画面に釘付けになった。


 その文字を見た時、すぐに電話したいと思った。


 思いつきでしかなかったんだ。


 「住み込み」っていう内容もよくわかってなかった。


 宮崎県が、どこにあるかも。



 佐知子さんは、親父のことを知ってた。


 突然訪問した私に、優しい声色で「上がって」と言ってくれた。


 それからだった。


 何も持っていなかった私に、1人で生きていく術を教えてくれたのは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ