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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

傷にリンドウ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛感情を『気持ちの悪いもの』と定義するのは、私らしいと思います。

あんまり綺麗だと思ったことがないので。

昔から仲の良い子が居て、その子は優しくて気遣いが出来て、でも本心をあまり見せてくれない。何時も忙しいから、偶にしか一緒に遊べないし、連絡も此方からとりたくない。

だから向こうから連絡が来ると、顔に出る程嬉しくて仕方ない。一緒に居ると、どうしよもなく抱き締めたくなる。二人だけで遊ぶ時に、他の誰かが来ると心配で仕方ない。

でも、これを恋と定義するならば、本当に気持ちが悪い。


最近、俺の幼馴染が一喜一憂する。何時も一人でいる時は無表情で、何かを考えている事が多い女ではあるのだが、最近スマホを弄っている時、花が咲いた様に顔が明るくなる。

誰と連絡しているのかと聞いて見れば、女友達からであるらしい。なんでも忙しいらしく、此方から連絡するするのは嫌だから、偶に向こうから連絡が来ると死ぬ程嬉しいらしい。今度二人きりで遊ぶのが楽しみなのだと。他には誰も来ないのだと。

でも知っている。此奴は他人に無関心で、連絡が来ない事に安心を覚える事を。対人関係を煩わしいと思っている事を。だからそんな彼奴があんな顔で喜ぶのは、やはり――。


休日になって、俺は幼馴染に連絡を取り、近くのショッピングモールを共に歩く事にした。服屋を巡り、本屋を眺め、踊り場の怪談で一休みした。そこで思い切って切り出してみる。

「なぁ、お前、其の女の子友だちの事、友愛じゃなくて恋愛として好きだろ?」

その途端、今まで少し控えめな笑顔を浮かべていた彼奴の顔が驚愕で一杯になった。唇が青くなり、寒くもないのにガタガタと震え出す。

「な……なんで?」

「今日、お前を誘ったのは、俺と二人で何かを見て、心の動きに何か違いがあるか確かめさせる為だ。俺と過ごしてどうだった? 触れたいとか、離れたくないとか、そう言った気持ちが沸いたか?」

ショッピングモールの中の騒音に埋もれる様に、俺の問い掛けは溶けて消えて無くなる。それでも彼奴の精神に揺さぶるには十分過ぎた様で、その場で身を縮めてしまう。

「わ……分かんないよ。君と一緒に巡るのは趣味も合うし、楽しいし……」

「でも、その女友達に向ける感情とは別の思いが沸くはずだ。……悪い。軽蔑してる訳じゃない。ただ……一喜一憂する事が多いから、その事で悩んでいるんじゃないかと思ったんだ。

あまり悩むな。自分を責めるな。相談なら乗ってやるから」

そう言うと、彼奴は何も言わずに俯いて無言になった。息が荒いのは、精神的ショックから来るものだろう。

「帰ろうか……」

「うん」

こうして二人でデート紛いの事をして、傷を抉って、それでも自分に依存させようとさせるのは、多分失恋からくる負け惜しみなんだろうな。

それでも……誰かに恋した気持ちは分かるから、あんまりその事で自傷行為をして欲しくなかった。

「今日、有難う。君、口は悪いけど、やっぱりとっても優しいね」

「口は悪いは余計だよ」

「ははは、そうだね」

同性愛者の方がその恋心を自覚する時、いったいどんな反応をなさるか分かりません。

私は小説から知り得た知識で書いてます。


『気持ち悪いよね。好きになってごめんね』


とかって書いてあったんですよ。

その時の表情があまりにも苦しそうで、今日はこんな話になりました。


彼も彼女に恋をしてるから、彼女の反応から恋をしてる事が分かるんです。その時点で失恋決定です。

だからこのデートは彼女に恋心を自覚させる為、自分の失恋を自覚させる為、そして、彼女の味方である事を示すためです。


いい子だなぁと思います。可哀想だとも思います。


ちなみにリンドウの花言葉。

『悲しみに寄り添う』

これから取りました。

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