1/16
プロローグ
この学校には「リリィさん」と呼ばれる守護霊がいる。
リリィさんは所謂、都市伝説だ。この校内では、彼女の事はあくまでも噂として流れているぐらい。でも確かにこの学校には存在している、そういう事だけは分かっている。しかし、こんなことを言っておいて僕はまだリリィさんには会ったことない。ましてや、彼女の存在を信じていなかった。生徒の中にも、同僚の先生方の中にも、リリィさんに会ったことのある人はいる。でも、それは信じ難い。幽霊なんて居る訳ない。ましてや幽霊になってまで人の相談にのる、そんなお人好しの幽霊なんて居ないはずだってね。
__________彼女に出会ってしまうまでは、そう思ってたんだよ。