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9/9

after

起きたら俺は病院のベッドの上だった。

横ではエリカ先輩がスマホを見ている。

俺が起きたことに気付くと先輩はナースコールを押した。


「肝試しにいくとか馬鹿じゃね?」


どうやら怒っているらしい。

何となく状況も理解しているようだ。

俺はナースさんが来るまで不機嫌な先輩を宥めるのに必死になった。


ナースさんから状況の説明を受けると三日ほど俺は眠り続けたらしい。

感覚的には2日もたっていないが、どうやら夢とは違うのだろう。

明日検査して問題なければ退院していいとのことだった。

エリカ先輩は退院したら、寺にくるように言って帰っていった。


そして俺は次の日退院した。

母親が向かいに来ると、なんだか涙が出た。


退院して二日ほどすると、Aから電話がきた。

なんでもAは入院したらしい。

右足が原因不明の麻痺で動かなくなったそうだ。

そして、無理やり連れて行って置いていったことを謝罪していた。

落ち着いたら、姉と一緒に謝罪にちゃんと行くとも言っていた。


やっぱりあの時、姉を助けたのはA自身なのだろう。そして、右足はあの化け物に……。

本人はとくに覚えてない様子ではあったがそういうことなのだろう。


とりあえず無事なだけよかった思うほかない。

俺は寺に行くことにする。

寺に行くと、エリカ先輩のお父さんには普通に雷を落とされた。

曰く、危機感がなさすぎるそうだ。

エリカ先輩は横でうんうんと頷いている。


エリカ先輩のお父さんは、実は大分俺に対して言葉を濁していたそうだ。

確かに呪われているとかそういう事ではないが、夢見の力を俺自身が持っているとのことだった。

思春期だけの限定的な力のことも多いため、自覚させずにいたほうが普通は安全。

だが今回みたいな、夢による怪奇にはより強く反応してしまうそうだ。


今回は運がよかった。

そういうことらしい。

エリカ先輩のお父さんでもあれがなにかわからない。もう完全に廃れた信仰の残滓がたまたま悪さをしたとのことだ。


触らぬ神に祟りなし。

そういった類の最早ひとの力が及ぶものではないと言っていた。

俺はたっぷりとお説教を食らい寺をあとにする。

エリカ先輩は、溜飲が下がったのかやっと機嫌が直っていた。


そこから二日して、俺はまた学校に登校した。


久しぶりの登校に一瞬スターになるが午後には人だかりが消えていた。

俺は授業が終わるといつものように、理科準備室に向かった。

そこにはいつものようにポテチを齧るエリカ先輩が出迎えてくれるのだった。







Fin

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